DDD_(小説)
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DDD
ジャンル
ダーク・ファンタジー
小説
著者奈須きのこ
イラストこやまひろかず
出版社講談社
掲載誌ファウスト
レーベル講談社BOX
連載期間Vol.3(2004年7月) -
巻数既刊2巻 + 番外編
テンプレート - ノート

『DDD』(ディーディーディー、デコレーション・ディスオーダー・ディスコネクション、Decoration Disorder Disconnection)は、奈須きのこの小説作品。こやまひろかず・画。題名を直訳すると、「装飾 障害 切断」となる。
概要

アダルトゲーム月姫』『Fate/stay night』などを手がけたTYPE-MOONのシナリオライター奈須きのこによる伝奇小説講談社刊行。『ファウスト』Vol.3(2004年7月発売)より不定期連載されている。キャラクターデザインや挿絵を担当するのは、同じくTYPE-MOONのグラフィッカーであるこやまひろかず。商業作品の中で武内崇と組んでいない作品は今作が初。

悪魔憑き」を描いたこの作品は、悪魔は登場するが、奈須きのこの作品の中では珍しく魔術や魔法といった概念が無い。これは、『DDD』が『月姫』や『Fate』といった世界観から外れる新たな世界だからである[注釈 1]。また、作中で年号が明記されているのも特徴である。

単行本で確認できるタイトル「Malion in day dream」「H-RED-B」「S.Peeping Beauty」「.D.D.D」は2007年9月現在未発表。

書評誌「ダ・ヴィンチ」のインタビューによると全三巻を予定していたが、奈須きのこ自身の ⇒ホームページ「竹箒」で全四巻になると訂正した。2007年内完結を目指していたが、同ホームページにて第三巻の発売は来年になると発表した。だが、2022年に入っても続編の情報は無い。

2010年7月13日に発売された講談社漫画BOX『AMASIA』にて『DDD』の番外編である「宙の外」が掲載された。また榎本俊二による同作のコミカライズ作品も同時掲載。なお、この奈須と榎本の部分[注釈 2]のみを抜き出した『3/16事件』も講談社BOXから刊行される。
ストーリー

感染者の精神だけでなく肉体をも変貌させる奇病・アゴニスト異常症患者――俗に言う「悪魔憑き」が蔓延る世界。

左腕を失った男・石杖所在と、漆黒の義手義足を纏い、天蓋付きのベッドで微睡む迦遼海江の二人が繰り広げる奇妙な「悪魔払い」の様子を追う。
用語
アゴニスト異常症(A異常症)
少し特殊な
精神病の一つ[1]対人恐怖症に代表される現代病の一種で、レセプタクラッシュとも呼ばれる[2]。発病者は俗に悪魔憑きと称されるが[1]、その悪魔は「人為的で打算的な悪魔(にせもの)」だという[3]。ただし、悪魔が本物か偽物かに関わらず、悪魔憑きになるのは心の弱い人間と決まっている[4]。石杖所在は「社会不適合者の弱音」と呼び[5]、迦遼海江(本物の悪魔)は「偽物」と呼んでいる[6]。患者は軽度で人格の変貌、自己の喪失が表れ、重度で強迫観念による自傷行為自殺未遂、周囲への敵意の発散が起こる。端的には「些細な感情で他人を傷つける犯罪者[7]社会的弱者」とされる[8]。悪魔憑きには以下の段階がある。
まず、感情の暴走を鎮静させるために身体の一部が「患部」と化す。

次に患部によって異常分泌された神経伝達物質リガンド)がアゴニスト[注釈 3]のような働きをし、受容体に壊滅的な衝撃を与える。

それにより人体機能を調整し、今までになかった機能「新部」を人体に作り上げる[9]
悪魔憑きは人間離れしているが、結局は人間が一番強く、警察が本気で武装すれば鎮圧できない騒ぎはないという[10]。A異常症と判定された患者は国に保護された後、オリガ記念病院に収容される。A異常症は血液検査により発見する事が出来る。最初の発症者は2003年から数えておおよそ二十年前。2003年時点での感染者は東日本のみ。その総数は5000人(病原体の総数が5000)。
悪魔
偽物の悪魔とは現実の悪魔憑き(病気)であり、本物は空想上の悪魔とされる[10]。迦遼海江は本物の悪魔である[11]。「荒唐無稽にして人知無能の現象」であり、悪魔憑きという人のカタチでなければ顕現しないなど、少しばかり面白おかしいだけの人型に過ぎないという[12]。偽物は人間に寄生する(悪魔憑き)が、本物は人間になど寄生せず、人間のと引き換えに現れる[13]。弱さの全肯定であり、弱さを温床にし、全力でその弱さを育てあげる[14]
オリガ記念病院
N県郊外にあり、A異常症が確認されてから十年後に造られA異常症患者の治療を専門に行う国立の隔離病院で、日本中のA異常症患者がこの病院に集まる。一度この病院に入院した患者は完治するまで退院する事が出来ない。壁で囲われており出入りするにはヘリコプターを使用しなければならない。A棟からD棟まで分かれており、A棟が最も症状が軽くD棟が最も症状が重い。各病棟の患者は隣の病棟へ立ち入ることが出来る。D棟は一見脆そうだが、末期の悪魔憑きを閉じ込めておける造りになっており、患者の部屋への通路は複数の隔壁で封鎖されている。またサブマシンガンを装備した警備員が居るがこれは威嚇にもならず、効き目があるのは何重もの鋼鉄の壁である。
支倉(しくら)
作中に登場する架空の都市。C県最北に存在する地方都市。人口約15万人。都心まで通勤快速で二時間という半端に便利で半端に不便な位置である。オリガ記念病院からは3時間程度。


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