その他の用法については「D (曖昧さ回避)」をご覧ください。
Dd Dd
ラテン文字
Dは、ラテン文字(アルファベット)の4番目の文字。ギリシャ文字のΔ(デルタ)に由来し、キリル文字のДに相当する。小文字は d 。
字形筆記体ジュッターリーン体
大きく分けて2つの字形が使われる。 この文字が表す音素は、[d](有声歯茎破裂音)ないしその類似の歯茎音である。
縦線の右に半円を1つ続けた形で、大文字がそうである。フラクトゥールでは D {\displaystyle {\mathfrak {D}}} のようである。しばしばOやPやbとの区別のため縦線に横棒を加えてDのように書くことがある。また、アイスランド語、フェロー語のD d、並びに南スラヴ諸語やベトナム語の ? ?、エヴェ語の? ?は別の字である。
縦線の下部の左に円を1つ付けた形で、小文字がそうである。フラクトゥールの d {\displaystyle {\mathfrak {d}}} のように、しばしば上に延びた線が左に曲がることがあるが、この場合、線が折り返してはならず、また円との接点より下には線が続いていてはならない。そうでないとaと区別が付かなくなる。
呼称
拉・独・蘭・葡・洪・尼:デー
仏・西・土:デ
伊:ディ
英: dee(ディー) (IPA: [di?]) 聞く[ヘルプ/ファイル]
エス:ドー
越:ゼー
日:ディー IPA:[d?i??]、デー IPA:[de???]
音素
ドイツ語では語末や無声子音の前で無声化する。そのため、母音の前であってもこの[t](無声歯茎破裂音)を表す事がある (例:zweitausendeins)。
フランス語では語末の d を黙字とする(一部例外あり)。ただし、後続の単語が母音で始まっていれば、リエゾンして[t]となる([d]とはならない)。
英語では、規則動詞の過去形の語尾-edは、その前の音により[d]、[t]、[Id]などと変化する。
中国語やその方言のピンインでは無気の[t](無声歯茎破裂音)を表す。
中国南方の方言では、広東省教育部門式の広東語ローマ字のように歯茎内破音[t̚]を表す例もある。
ベトナム語では有声歯茎摩擦音の[z]を表す。ただし、南部方言では硬口蓋接近音の[j]で発音される。「?」や「?」が声門閉鎖を伴う有声歯茎破裂音の[?d]または歯茎入破音[?]を表す。
日本語のローマ字表記では訓令式、ヘボン式共にダ行(タ行濁音)の子音に用いられる。ただし、「ぢ」「づ」は「じ」「ず」と同じ発音のため、それぞれ「JI」、「ZU」となる。日本式やIMEにおけるローマ字入力では、「ぢ」「づ」も含めた全てのダ行に用いられる。
朝鮮語のローマ字表記である文化観光部2000年式では有声音、無声音に関わらず初声の?に用いられる。マッキューン=ライシャワー式では有声で発音される?に用いられる。
Dの意味
学術的な記号・単位
数学
五百を意味する数字。ローマ数字で用いる。
十三を意味する数字。十六進法や二十進法など、十四進法以上(参照: 位取り記数法#Nが十を超過) において十三(十進法の13)を一桁で表すために用いられる。
"differential"(微分)の頭文字として、数学では微分関連の記号としてよく使われる。(例)dy/dx, 微分作用素 D, (余)鎖複体の微分 d
数学では、一般に既知の数、集合、行列等を示す、A, B, Cに次ぐ文字として、また判別式を示す文字として用いられる。
円の直径(diameter)
数学・自然科学では差 (difference)、距離 (distance)、次数 (degree) や 次元 (dimension) を示す文字として用いられる。
単位
繊度の単位、デニール(D:大文字)。
屈折度の単位、ディオプトリー(D:大文字)。
1/10を表すSI接頭語デシ(d:小文字)。
双極子モーメントの単位、デバイ(Debye、大文字)。
その他
導来圏
ドイツ語で与格(間接目的語を表す格)Dativの略。
電界効果トランジスタ(FET)の端子の一つ。ドレイン (drain)
ダイオード (diode)
洋楽で用いられる音名の一つ(英米式、独式)。イタリア式では「re」、日本式では「ニ」に相当。→ニ (音名)
音階の2番目の音であることから、音楽関係者の間で2を表す隠語として使われる。例:D(デー)万=2万(円)
Dで、ドイッチュ番号(シューベルトの作品に付せられる)
Rh血液型における抗原の一つ。これにより、+と−とが判定される。
電磁気学の分野では電束密度を表す。
ケッペンの気候区分の冷帯(亜寒帯)を表すD。
水素の同位体重水素(deuterium)を表す記号(D:大文字)。
化学で、キラリティーのある分子を識別する記号 (dextro)。
分子全体が右旋性であることを示す(小文字)。
d-グリセルアルデヒドと同じ立体配置を持つものを示す(大文字)。→DL表記法
遅延スイッチ。構内電気設備配線用図記号(JIS C 0303:2000)で用いられる。スイッチの図記号に傍記。
博士号 (doctor) の略。D1と表記されれば博士課程1年生の意。
没年 (Death year) の略字として使われる。d. 1945と表記されれば1945年没の意。
経済学で、需要(Demand)。
その他の記号