D-ジェネレーションX
[Wikipedia|▼Menu]

D-ジェネレーションX(D-Generation X)は、アメリカ合衆国プロレス団体WWEに登場するプロレスラーのユニット名称である。略称はDX。「D-ジェネレーション」とは「de-generation」(ショーン・マイケルズの造語)であり、世代を否定する、ひっくり返すくらいの意味。元来反体制的な色彩の強いユニットだった。

番組としてはRAWに登場する。「セクシーかつ卑猥で、最低にして最高にイカしたヤツら」というのがDXのキャッチフレーズである。イメージカラーは黒と緑で、両手で股間を誇張するポーズ(通称・DXチョップ)と「Suck it!!=しゃぶれ!!(※注:直訳すれば"しゃぶれ!"だが、第二次DX以降は主に"くそ食らえ!"位の意味で用いられる)」という決め台詞がトレードマーク。おちゃらけたパフォーマンスでファンを爆笑させる一方で、プロレスの試合においても世界トップクラスのテクニックを持ったメンバーが揃っている。(左)トリプルH、(右)ショーン・マイケルズ
2006年
メンバー

ショーン・マイケルズ

トリプルH

リック・ルード(結成初期のマネージャー

トリー

チャイナ

Xパック

ロード・ドッグ

ビリー・ガン

マイク・タイソン(ストーリーライン上での一時的な加入)

ホーンスワグル(DXの公式マスコットキャラクターとして)

来歴
第一次D-Generation X

1997年9月28日に開催されたWWF One Night Onlyでのショーン・マイケルズブリティッシュ・ブルドッグの対戦時にマイケルズがトリプルHチャイナを引き連れて登場したのがDXの始まりである。翌日のRAWリック・ルードが保険屋として加入。基本的にはこの4人が第一次D-Generation Xのメンバーであるが、ルードは同年11月にWCWへ移籍するためにすぐ離脱している。結成後すぐにハート・ファウンデーションとの抗争を開始。その後WWFのスーパースターからアナウンサーに至るまでありとあらゆる登場人物を馬鹿にするおちゃらけなパフォーマンスから、元はヒールのユニットであったはずのDXはベビー的な人気を獲得。その人気から12月7日に開催されたIn Your Houseの大会名でもD-Generation Xが使われた。1998年3月2日のRAWでプロボクサーのマイク・タイソンがDX加入を表明。タイソンは同年3月29日に開催されるWrestleMania XIVでのマイケルズとストーン・コールド・スティーブ・オースチンのWWF王座戦の特別立会人(厳密には特別レフェリーではない)を務めることが決定。しかし当日の試合ではオースチンのフォールにタイソンが勝手に3カウントを入れてオースチンのWWF王座奪取をアシスト。試合後マイケルズはタイソンに詰め寄るが強烈なフックを浴びせられてダウンしてしまう。この一連のストーリーはマイケルズが以前から蓄積されていた深刻な腰痛のために長期欠場を余儀なくされたという背景があり、この試合を最後にマイケルズはしばらくWWFからフェードアウトすることになる。ストーリー的にはタイソンのフックによるダメージのために欠場とされた。

第一次DXは「Suck It!!」のパフォーマンスからも明らかなように、どちらかといえばマイケルズのセクシー・ボーイのキャラクターを活かした性的なジョークが目立つユニットであった。この頃の「Suck it」はまさにそのままの意味であり、トリプルHのマイクアピールも性的な表現が多く、抗争相手やテレビカメラに向かって尻を丸出しにして挑発するパフォーマンスもあった。一方、第二次と比べると、解説陣が「中高生レベル」と称するような幼稚で低レベルな下ネタ・放送禁止用語が多いのも特徴であり、そういった軽さ、馬鹿ばかしさがDXというユニットをどことなく憎めない存在にしていると言える。
第二次D-Generation X

WrestleMania XIV翌日のRAWでトリプルHがマイケルズの追放、さらにマイケルズに代わるリーダーに就任することを表明。同日にWCWを解雇となったXパック、第一次DX期から共同関係を結んでいたニュー・エイジ・アウトローズビリー・ガンロード・ドッグが新加入し、第二次D-Generation Xが結成された。初期の第二次DXのコンセプトは基本的に第一次DXと同じであり、黒人至上主義のユニット "ネーション・オブ・ドミネーション" やWWFのオーナーであるビンス・マクマホン率いる "コーポレーション" のメンバーを物真似したパフォーマンス等を行っている。

1998年4月27日のRAWではメンバー全員で戦闘用のジープに乗ってWWFのライバル団体であるWCWの興行が開催されている会場前まで乗り込み、拡声スピーカーで「WCWなんて格下の団体の試合なんて見る必要ねえよ。WWFこそ最高だ」「(観戦に来ていた客に向かって)このチケットは購入したんじゃなくてWCWがバラ撒いたタダ券だよな?」といったマイクパフォーマンスで、WCWのネガティブキャンペーンとWWFの宣伝を行った。これはWCWとの申し合わせも無い、完全なるガチンコの襲撃パフォーマンスである。このときWCWに参戦中で会場に居合わせた蝶野正洋は、突然の襲来にバックステージは本当に大パニックに陥っていたと最近のインタビューで語っている。同様の出来事が日本などで行われた場合、営業妨害の罪で訴えられかねないが、このような大胆不敵なパフォーマンスをやってしまえる辺りがDXの大きな魅力と言える。

1999年1月25日のRAWで当時DXと抗争していたコーポレーションの筆頭であるザ・ロックとトリプルHの試合後チャイナがトリプルHにローブローを浴びせてDXを脱退。コーポレーション入りする。3月28日に開催されたレッスルマニア#第15回大会(1999年)Wrestle Mania XV "The Ragin' Climax"ではついにリーダーのトリプルHがXパックを襲撃してコーポレーション入りしてしまう。この時点でDXに残留していたXパック、ビリー・ガン、ロード・ドッグはコーポレーションから追放されたケインを新加入させ、Xパック&ケインの新タッグチームが結成された。5月2日のHeATでビリー・ガンがXパックを襲撃してDXから脱退。以降Xパック&ロード・ドッグのDXとコーポレートに所属する元DXメンバーでDXの名称使用権や印税権を巡り抗争が勃発するが、7月26日に開催されたFully LoadedでXパック&ロード・ドッグ組が勝利し、DXというユニット名は残留していたDXメンバーの元に戻った。

第2次DXは第一次の性的/卑猥路線を受け継ぎつつも、ビンス・マクマホンに逆らったり当時のアティテュード路線に沿って「反権力」的側面も持っていた。この頃から「Suck it」がどちらかと言えば「クソ食らえ!!」位の意味で用いられるようになる。ちなみに当時、アメリカの小学生が教師に向かって「Suck it」と発言し社会問題にもなった。
その後

2002年にマイケルズがWWEにnWoのマネージャー的な役割で復帰。しかしスコット・ホールの解雇やケビン・ナッシュの負傷でストーリーは頓挫してしまいnWoは解散。番組分割後はスマックダウンに所属していたトリプルHが盟友・マイケルズを追ってRAWに移籍。揃ってDXのTシャツを着用して入場し一時的にDXが再結成されたかに見えたが直後にトリプルHがマイケルズにペディグリーを浴びせ抗争を開始。以降、ストーリー上ではマイケルズとトリプルHの関係は険悪になり(プライベートでは親友としての関係は継続)、抗争を繰り広げるストーリーが何度も展開された。
第三次D-Generation X

2006年WrestleMania 22ビンス・マクマホンとストリート・ファイト戦を行ったマイケルズはラダー上からDXチョップでアピールした後にフライングエルボーを敢行。ジョン・シナWWE王座戦を行ったトリプルHは試合中にダウンしていたシナに向かってDXチョップを披露した。その後のRAWでの試合でもマイケルズとトリプルHはDXチョップを披露し、Backlash 2006でも両者はDXチョップを披露した。6月12日に開催されたRAWでのトリプルH vs スピリット・スクワッドの試合でトリプルHがスピリット・スクワッドにやられている所にマイケルズが乱入。スピリット・スクワッドのメンバーをトリプルHと共同でなぎ倒し、2人でビンスを挑発してDXを再結成。6月25日に開催されたVengeance 2006でスピリット・スクワッドと対戦し復帰戦を勝利で飾る。再結成後のRAWでは得意の下ネタやビンス・シェイン・マクマホン親子のモノマネ、ステージ上でのビンスの黒歴史映像の披露、あるいはビンス親子とスピリット・スクワッドにステージ天井から汚物をぶちまけるパフォーマンスなどで彼らをコケにし続けた。Saturday Night's Main Event XXXIIIでスピリット・スクワッドとエリミネーション・マッチで再戦を行い、ここでも勝利した。

サタデー・ナイト・メイン・イベント以降は本格的にマクマホン親子との抗争を開始。RAWではトリプルHとマイケルズを引き離して、ウマガに攻撃させるというビンスの策略に嵌ったが、8月20日に開催されたSummerSlam 2006でマクマホン親子に勝利する。8月21日に開催されたRAWでビンス所有のプライベートジェット、リムジンにスプレーで「DX」と落書き。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:84 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef