Dの食卓
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Dの食卓ジャンル3Dアドベンチャー
対応機種3DO対応機種一覧

セガサターン (SS)
PlayStation (PS)
Windows (Win)
PC/AT互換機 (DOS)
Linux
macOS (Mac)

開発元株式会社ワープ
発売元三栄書房
プロデューサーすずきおさみ
ディレクター飯野賢治
シナリオ飯野賢治
プログラマー林田浩典
音楽アルカディアスタジオ
美術立石章三郎
シリーズDの食卓
人数1人
メディアCD-ROM2枚組
発売日 199504011995年4月1日
1995年
発売日一覧

SS
199507281995年7月28日
199603051996年3月5日
199603081996年3月8日
PS
199512011995年12月1日
199603021996年3月2日
1996031996年3月
Win
1995年
1995年
3DO(ディレクターズカット)
199601011996年1月1日
DOS
199603311996年3月31日
1996年
SS(廉価版)
199706201997年6月20日
PS(廉価版)
199807091998年7月9日
Linux,Mac,Win
INT 201601022016年1月2日


売上本数100万本
その他型式: IMP-SA0701

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『Dの食卓』(ディーのしょくたく)は、株式会社ワープが開発し三栄書房より1995年4月1日に発売された3DO3Dアドベンチャーゲーム。後にセガサターンPlayStationに移植された他、欧米ではWindowsPC/AT互換機などのパソコン各機種にも移植された。監督・脚本は飯野賢治

当時のゲームとしては珍しい、3DCGで「映画」を意識した演出を行った画期的な作品である。ただし、3DCGとは言っても発売当時の家庭用ゲーム機のGPUは貧弱であったため、事前にワークステーションで作成されたレンダリング済みの動画を再生している。

マルチメディアグランプリ'95通商産業大臣賞を受賞した他、セガサターン版およびPlayStation版はゲーム誌『ファミ通』の「クロスレビュー」においてゴールド殿堂を獲得。全世界で100万本を販売したとされる。
ゲーム内容

画面は基本的に一人称で進行し、イベントが発生すると「インタラクティブ・シネマ」の名前通り映画のように様々なカメラワークで臨場感を盛り上げる。なお、リアルタイムCGではなく、ムービーシーンと静止画が交互に使われているため、移動できるポイントと見られる向きは完全に決まっている。

ゲーム中では最初から持っている母親の形見の「コンパクト」や「時計」の他、様々なアイテムがあり、要所で使いながら謎を解いていく。コンパクトは使用するとにヒントが表示されるが、一回ヒントが表示されるたびにヒビが入り、最終的には粉々に割れて使えなくなる。

本作では甲冑の騎士が突然動き出し襲い掛かってくるというイベントが存在するが、失敗してもゲームオーバーにはならない。後にセガドリームキャスト用ソフト『シェンムー』(1999年)の「QTE」において酷似したイベントが導入されている。
設定
ストーリー

1997年、アメリカロサンゼルスのダウンタウンに位置するロサンゼルス総合病院において大量殺人事件が発生する。犯人は同病院の院長で、アメリカが世界に誇る名医として知られるリクター・ハリス。リクターは温厚で生真面目な性格の持ち主だったが、突然凶変して自身の病院の患者や医療スタッフなどを次々と射殺、生き残った大勢の患者を人質に病院に立てこもった。

警察が手を出すことができない中、リクターの娘であるローラ・ハリスは、警察からの要請で凶変した父親を説得するべく単身病院に乗り込む。リクターに殺害された人々の死体が倒れている廊下を進むローラだったが、突然、異次元空間のような物に引きずり込まれ、謎の古城に迷い込んでしまう。そこは、リクターの精神世界であった。
世界観

プレイヤーはローラを操作し、豹変した父親の精神世界である古城から「2時間以内」に出口を見つけ出して脱出しなくてはならない。時間が過ぎると異世界の扉が閉ざされ、ゲームオーバーとなる。古城には様々なトラップが仕掛けられており、数多の人々の死骸が横たわる部屋など、彼の精神状態を示唆するような物が多数存在する。また、4匹の「玉虫」を集める事でローラの閉ざされた記憶の一部が復活する。

本作は一見すると気がふれてしまった父親の精神世界をさ迷い、脱出するというチープなゲームに見えるが、その真のテーマは「行方不明になった母親の行方を父親に対して問い詰める」というものである。

例えばゲーム中に登場する「指輪」は母親を示し、それは硬く閉ざされた扉のカギとして使われる。カギ=「母親の指輪」を頑丈なドアに差し込むという行為は、かたくなに真相を語ろうとしない父親に対して指輪を突きつけ 母親がどうなったのか無理にでも聞きだそうとする行為となる。その後、そのドアを先に進むと岩にふさがれて引き返せなくなる=その領域に踏み込んだら後には引き返せない、といった各種イベントがそれを暗示している。また、前述した「玉虫」を探し集める事でその「母親」がどうなったのかを知る事ができ、真のエンディングを迎える事ができる。

なお、ゲームの中で使われている音楽は、製作者である飯野が自ら世界観に合わせ作曲したものである。
移植版

No.タイトル発売日対応機種開発元発売元メディア型式売上本数備考
1Dの食卓
199507281995年7月28日
199603051996年3月5日
199603081996年3月8日
セガサターンワープアクレイムCD-ROM2枚組 T-8101G
T-8106H
T-8106H-50
-
2Dの食卓 コンプリートグラフィックス 199512011995年12月1日
199603021996年3月2日
1996031996年3月
PlayStationワープアクレイムCD-ROM3枚組 SLPS-00133/00134/00135
SLUS-00128/00173/00174
SLES-00065/10065/20065
-
3D 1995年
1995年
WindowsRozner Labs Software
ワープアクレイムCD-ROM--
4Dの食卓 ディレクターズカット 199601011996年1月1日
3DOワープアクレイムCD-ROM3枚組FZ-SJ2356-
5D 199603311996年3月31日
1996年
PC/AT互換機Rozner Labs Software
ワープアクレイムCD-ROM--
6Dの食卓
サタコレ 199706201997年6月20日
セガサターンワープアクレイムCD-ROM3枚組T-8124G-廉価版
7Dの食卓 コンプリートグラフィックス
PlayStation the Best 199807091998年7月9日
PlayStationワープアクレイムCD-ROM3枚組SLPS-91072-廉価版
8D:The GameINT 201601022016年1月2日
Linux
macOS
WindowsワープNightdive Studios
Throwback Entertainmentダウンロード
(SteamGOG.com)--PC/AT互換機版の移植

開発

開発中のタイトルは「トランシルバニア」であり、ペンギンソフトウェア(英語版)社のアドベンチャーゲーム『トランシルバニア(英語版)』(1982年)から強い影響を受けている。

3DO版の発売時、作中に登場する「玉虫イベント」の表現が当時としては非常に過激だったため、発売禁止になるのを恐れて該当するイベントを削除したバージョンを「完成版」として関係者に配布し、実際に製品化する際に秘密裏に同イベントが入ったバージョンに差し替え発売された。

PlayStation版の初回生産本数に関して約束した本数が出荷されなかった事から、ワープ側がソニー・コンピュータエンタテインメントに対して不信感を抱いていた。その結果、PlayStationで発売予定だった『エネミー・ゼロ』(1996年)について発表するソニー主催のイベントにおいて、登壇した飯野賢治がPlayStationの競合ゲーム機であるセガサターンに乗り換えるという発表を行った(詳細は「飯野賢治#エネミー・ゼロ事件」を参照)。


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