CydiaはiOSデバイスを脱獄させる過程でインストールされる[6]。脱獄のためのツール(デバイスやiOSのバージョンによって脱獄可能なツールが異なる)であるZiPhone、JailbreakMe、QuickPwn、redsn0w、purplera1n、blackra1n、limera1n、Greenpois0n、Absinthe、Evasi0n、PanGu (盤古)、TaiG で脱獄時にCydiaを任意か自動でインストールさせたり、同じく脱獄ツールであるPwnageTool、sn0wbreeze、redsn0wによって作成されたカスタム脱獄ファームウェアを復元させる時にもCydiaがインストールされる。
Cydiaで入手できるソフトウェアCydiaで配信されるソフトウェアリストのスクリーンショット。青文字は有料のソフトウェア。
Cydiaで入手できるソフトウェアの大多数はエクステンションやiOSのインターフェイスやiOSエコシステムにおけるアプリケーションのカスタマイズが占めている。これらのソフトウェアは脱獄したデバイスで動作し、ユーザーインターフェイスを変えたり、既存のアプリケーションに新たな機能を加えたり、ボタン動作をカスタマイズしたり、ネットワーク機能を拡張したり、その他システムをカスタマイズするといった通常のアプリケーションでは不可能な機能を提供する。ユーザーはインターフェイスのカスタマイズやパーソナライゼーションや[8]、希望の機能を追加、デバイスの不満点を修正[9]といった目的でインストール、並びにファイルシステムやコマンドラインツールへのアクセスを提供することでデバイスでの開発作業を容易におこなっている[10][11]。Cydiaで提供されるソフトウェアの大部分は独立した開発者が手がけている。
Cydiaで人気のあるソフトウェアにはWinterboard(iOSインターフェイスやアプリケーションアイコンとテーマを設定できる)[12]、MyWi(Wi-Fiテザリングを可能にする)[4]、SBSettings(ジェスチャーで設定やコントロールにアクセスする)[13]、Barrel(SpringBoard間のページ移動アニメーションを設定)[14]、DisplayOut(デバイスのスクリーンをテレビなどのモニタに映す)[15]などがある。Cydiaで配信されている多くのエクステンションはフリーマンが開発したMobileSubstrateというフレームワークをベースにしており、書き込みプロセスを生成したり、システムのメンテナンスを容易にする[6]。
CydiaにあるパッケージソフトウェアはiOSアプリケーションのセキュリティサンドボックスに制限されないため、ソフトウェアをインストールする前に開発者について調べるなどして「自身のコンピュータにインストールすべきかどうか検討するのと同じ警戒」をすることを推薦するジャーナリストもいる[4]。 2009年3月、フリーマンはApp Storeのような、Cydia(ユーザーは自身のアカウントを使って購入)内でソフトウェア開発者がソフトウェアを販売するためのシンプルで統一された支払いシステムを発表した。ユーザーはAmazon PaymentsやPayPalを使ってCydiaで購入することができる[16]。ユーザーが新たなiOSデバイスに機種交換したり、デバイスをもとに戻す場合もあるため支払証明にはGoogleやFacebookアカウントが使用され、再購入せずとも過去に買ったソフトウェアを記録してインストールすることができる[17]。また、短期間でのアカウントのリンクは、不正行為とみなされる。 販売される有料ソフトウェアの多くはCydia Storeの支払いシステムを使用しており、売り上げの30%をPayPalへの手数料やサーバー費用に充てている[18]。開発者は必ずしも課金にCydia Storeを使う必要はなく、LockInfoやbiteSMSのような別の課金システムもあるが、Cydia Storeとは別に開発者の提唱するやり方で登録しなければならない。 2018年12月、約9年間運営され続けてきたCydia Storeが同月末に完全に終了する事が発表された。 2009年9月、インストールするソフトウェアを提供するだけでなくCydiaはユーザーが所持デバイス(プロセッサがA4以前のものに限る)に入っているアップルが現在提供していない
Cydia Store
iOSの「署名」機能
iOS 5.0以降ではSHSHシステムに「APTicket」のランダム数字(ノンス)を加える方法で反射攻撃がより困難になっている[22]。redsn0wのバージョン0.9.9b9以降ではAPTicketを保存し、SHSHとAPTicketをあとで再現することが可能になっている[23]。 Cydiaの使用は脱獄したデバイスに依存しており、アメリカ合衆国ではiPhoneを脱獄させることは法的にグレーゾーンとされていたが[24]、2010年7月米国著作権局がiPhoneの脱獄はデジタルミレニアム著作権法に抵触せず合法という判断を下した[25]。
Jailbreakプラットフォーム