CyanogenMod
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CyanogenMod
CyanogenMod 12 "Lollipop"
開発者Cyanogen Inc., CyanogenMod team
OSの系統Android
ソースモデルフリーソフトウェア
オープンソースソフトウェア
初版3.1 (Dream & Magic)
最新安定版13.0 (ZNH5Y) / 2016年8月15日 (7年前) (2016-08-15)
最新開発版13.0 (nightlyビルド) / 2015年11月24日 (8年前) (2015-11-24)
対象市場Android用モバイル機器のファームウェア
パッケージ管理Google Play(gapps別途必要)、APK
プラットフォームARM
既定のUIADW.Launcher (7.x) / Trebuchet (9.x?)
ライセンスApache 2.0 and GPLv2[1]
後続品LineageOS
ウェブサイト ⇒www.cyanogenmod.org
テンプレートを表示

CyanogenMod(サイアノジェンモッド[2][3])はCyanogenMod Inc.が開発していたAndroidをカスタマイズしたオープンソーススマートフォンおよびタブレット向けのオペレーティングシステム(アフターマーケットファームウェア)である。略称はCM(シーエム)。日本語もサポートしている。
概要

FLACロスレス音楽形式、システムレベルのテーマ変更、compcache、様々なAPNのリスト、OpenVPN(公式アプリが存在するAndroid 4.0以降相当のCM9以降は削除)、電源メニューからのリブートおよびスクリーンショット、Bluetoothでのテザリング、通知バー上のトグル機能、DSPイコライザーといった公式ファームウェアにはない拡張機能をサポートしている。CyanogenModは、BFSをタスクスケジューラとして組み込んだ最初のモバイルOSであり、この変更はAndroidの公式なソースツリーの実験的ブランチにマージされた[4]。CyanogenModの主張はベンダーがリリースする公式なAndroidファームウェアを上回る性能と信頼性である。

2009年の9月後半に、GoogleがCyanogenModの主な開発者であるSteve Kondikに警告状を送ったことで、CyanogenModは注目を集めた。Googleのこの行動はオープンソースコミュニティに対する挑戦とみなされ、 ⇒PC World、 ⇒The Register、 ⇒The Inquirer、 ⇒Ars Technica、 ⇒The H、 ⇒ZDNet、 ⇒Gigaom、そして ⇒eWeekなどの大手メディアにも取り上げられた[5]

2011年7月17日、CyanogenModの導入済みデバイス数が50万を超えた[6]

2012年12月13日、Benchmark CapitalとRedpoint VenturesからシリーズAとして700万米ドルを調達し、Steve KondikはCyanogenMod Inc.を設立した[7]

2016年12月24日、Cyanogenは全てのサービスとサポートおよびナイトリービルドの提供を2016年12月31日に終了すると発表[8]した。
バージョン履歴

CyanogenModのメジャーバージョンがリリースされる時期は、Android Open Source Projectで公式なソースコードがリリースされて2?3ヶ月ほどである。
ビルドエディション


Nightly(ナイトリー) - 開発版。新機能が盛り込まれているが、不具合が多く安定性が確保されていない。

Snapshot(スナップショット) - 安定版。ナイトリーでテストが繰り返され、不具合が修正された一般向けビルドである。

サポート状況:
サポート終了サポート中最新バージョン最新プレビュー版将来のリリース

バージョンAndroidのバージョン最新/メジャーバージョンのリリースリリース日変更点
3Android 1.5
(Cupcake)3.6.8.12009年7月1日3.6.8は、Android 1.5_r3 (Cupcake) がベース。
3.9.32009年7月22日3.9.3からFLACに対応する。
4Android 1.5 / 1.6
(Cupcake/Donut)4.1.42009年8月30日Android 1.6 "Donut" ベース。このバージョンから
QuickOfficeは削除された。
4.2.15.12009年10月24日4.2.3でUSBテザリングをサポート。4.2.6は、Android 1.6r_2ベース。4.2.11は、ブラウザやギャラリーでピンチズームやスワイプ操作をサポート。
5Android 2.0 / 2.1
(Eclair)5.0.82010年7月19日ADWランチャーを標準に変更。
6Android 2.2.x
(Froyo)6.0.02010年8月28日アドホック・モードやデュアルカメラのサポート、パフォーマンス向上のための実行時コンパイラ
6.1.32010年12月6日Android 2.2.1ベース。
7Android 2.3.x
(Gingerbread)7.0.32011年4月10日Android 2.3.3ベース。
7.1.02011年10月10日Android 2.3.7ベース。
7.2.02012年6月16日新しいデバイス、更新されたシステムUIの翻訳、ロック画面の刷新、Android 4.0のアニメーションをバックポート、ステータスバー上の電池残量アイコンの設定が追加、多くのバグ修正
8Android 3.x
(Honeycomb)N/AN/AGoogleがAndroid 3.0のソースコードを公開しなかったために、CyanogenMod 8がリリースされることは無かった。
9Android 4.0.x
(Ice Cream Sandwich)9.12012年8月29日Android 4.0.xベース。CyanogenMod独自のランチャー、Trebuchetが採用された。
10Android 4.1.x
(Jelly Bean)10.0.02012年11月13日Android 4.1.2ベース。拡張デスクトップモード、組み込みのrootが有効なファイルマネージャーが追加。
Android 4.2.x
(Jelly Bean)10.1.32013年6月24日Android 4.2.2ベース。プライバシー強化とSELinuxが含まれる。
Android 4.3.x
(Jelly Bean)10.2.12014年1月31日Android 4.3ベース。ブラックリスト機能を追加。
11Android 4.4.x
(KitKat)112014年12月5日Android 4.4ベース。
12Android 5.0.x / 5.1.x
(Lollipop)12.02015年1月5日Android 5.0.xベース。
12.12015年6月30日Android 5.1.xベース。既存のプログラムリーク問題の修正。
13Android 6.0.x
(Marshmallow)132015年12月24日Android 6.0.xベース。Wi-Fiテザリング、プロファイル機能、プライバシーガード、Bluetooth機器のバッテリ管理のサポート、ロック画面の壁紙選択の再導入、天気情報のプラグイン、ロック画面の透過とぼかし、ライブロック画面のサポート、CM独自の新しいカメラとブラウザ (Snap, Gello)、翻訳の改善、Cyanogen Appsのサポート、CMSDK APIの追加、毎月のセキュリティ更新
14Android 7.0
(Nougat)N/AN/AAndroid 7.0ベースで開発中だったが、GoogleによるAndroid 7.1のリリースに伴い14.1に持ち越された。
Android 7.1.x
(Nougat)14.12016年11月4日Android 7.1ベース。最初の開発版は、Oneplus 3向けに公開された。

開発

携帯電話HTC Dream2008年9月に発売されてすぐ、AndroidのLinuxサブシステム上のルート権限を手に入れることのできる“rooting”(所謂root化)と呼ばれる手法が、Androidコミュニティで発見された[9]。この発見により、オープンソースであるAndroidのファームウェアの修正と再インストールが可能になった。これらの修正はNexusなどのアンロック可能なブートローダを持った開発用端末には不要である[10]

CyanogenMod 9.0は、公式リリースであるAndroid 4.0.4 "Ice Cream Sandwich" のコードをベースにしている。CyanogenModのカスタム部分はまずCyanogen (Steve Kondik) らによって書かれたが、xda-developersコミュニティなどの外部からの貢献部分も含んでいる。

CyanogenはCyanogenModとともに使われる“recovery image”のメンテナでもあった。このrecovery imageは、特別な機器のメモリのバックアップやリストア、またはファームウェアの修正やアップグレードに使われる特殊なブートモードである[11]。Cyanogenのrecovery imageは、現在利用可能な多くのAndroid端末のroot化手法である「ワンクリックルート」を統合している[12][13]。なお、現在開発は終了している模様。

CyanogenMod Updaterと呼ばれるアプリケーションがあり、CyanogenModの新しいアップデートを通知し、ダウンロード及びインストールを行う。このアプリケーションはAndroid Marketで公開されていたが、現在は削除されている。

現在は設定に組み込まれたOTAアップデート機能や、TWRP (TeamWin Recovery Project) などを用いた手動でのアップデートが可能である。
Google Appsなどの使用許可論争

バージョン4.1.11.1まで、CyanogenModには、GoogleによるGmail、Maps、Market、Talk、YouTubeなどのクローズドソースアプリケーションと、プロプライエタリなハードウェアドライバが組み込まれていた。これらのパッケージはベンダによるAndroidディストリビューションに含まれていたが、フリーなディストリビューションにはライセンスされていなかった。GoogleがCyanogenに対し、前述のアプリケーションをディストリビューションに含めないように警告したあと、数日間開発が停止した[14][15][16][17]。Googleに対する多くのCyanogenModユーザの反応は敵対的で、Googleの法的脅迫は、Google自身の持つ利益を損ない、彼らのモットーである“Don't be evil”を冒していると言われた[18][19][20]

Googleの立場を明確にした前述の声明と[21]、その後のGoogleとCyanogenとの交渉により、プロプライエタリな“Google Experience”コンポーネントをバンドルしない形で、CyanogenModプロジェクトが継続できるという決着を見た[22][23]


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