CDOは、株式などとは異なり、公社債や金銭債権などのキャッシュフローに期限のあるアセットを原資としているため、発行する債券にも当然償還期限を設ける。
償還には以下のような形態と方法がある。
償還形態 (トランシェ間の相関に影響する)
シーケンシャル (sequential) - 上位トランシェの償還が終了してから、その下位トランシェの償還を行う方法である。償還期間開始時より、劣後部分の比率が高くなるという特徴がある。
プロラタ (pro rata) - 各トランシェの比率を維持しながら償還していく方式である。償還期間開始時より劣後部分の絶対額が下がるため、損失が優先部分に及ぶ可能性が高まる可能性がある。
償還方法 (トランシェ毎に設定される)
ハードブレット - 満期に一括して償還される方法である。
ソフトブレット - 一定条件を元に満期に一括償還する方法である。(償還が不可能な場合は償還日を延長するなどのオプションを盛り込む)
コントロールドアモチゼーション - 裏付資産の回収スケジュールから、償還スケジュール (償還日、償還額) を設定して分割して償還する方法である。各種トリガーを設定し、償還が不可能な事態が発生すると判断された場合にはパススルー方式で償還する。
パススルー - 裏付資産の元本回収金からそのまま元本を償還する方法である。
その他のCDO
シンセティックCDO (Synthetic CDO)
公社債などの現物資産から得られるキャッシュフローではなく、CDS (Credit Default Swap) などのクレジットデリバティブ取引を通じて(信用リスクとともに)得られるキャッシュフローを原資として投資家への利払いを行うもの。通常のCDOでは現物資産のキャッシュフローをベースとしていることが多いが、さらにデリバティブなどの金融商品のキャッシュフローを合成することで、より多くのキャッシュフローを生み出すことが出来るため、高利回りの証券化商品の開発が可能となる。
CDO of CDO(CDO 2)
CDO自体、大数の法則を用い、個々のアセットにかかるリスクを分散することで、高リスクの商品を低リスク化することを可能にしている (つまり低格付けの商品から高格付けの商品を生み出すことを可能にしている) が、これらCDOの中からお互いにコリレーション(相関)が低い複数のCDOをまとめて新しいCDOを生み出すことで、さらに低リスク化することが可能である。ただし、インナーCDOに毀損が発生した後のアウターCDOの毀損へのスピードは一般的に早く、(CDOマーケット崩壊後の)現在における考察ではレバレッジを利かせたCDOであったとされる。
CPDO
iTraxxやCDX.IGなどのクレジットスプレッド指標をレバレッジを利かせて売り、高格付けながら高利回りを実現した商品。
脚注[脚注の使い方]^ 訴状 ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所宛 10-CV-3229 April 16, 2010
関連項目
証券化
オークション・レート証券
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アメリカ