Classic_Mac_OS
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この名称変更はOSがApple純正のMachintosh専用ではないことを示すために実施された[8]
ファイルシステム

Macintoshが最初に採用したMachintosh File System (MFS) はサブフォルダのないフラットなファイルシステムだった。発売直後の1985年にはきちんとディレクトリに対応したHierarchical File System (HFS)に置き換えられた。両者には互換性があった。改良版であるHFS Plus(HFS+またはMac OS Extended)が1997年に発表されて1998年に提供された[9]

DOSWindowsUnixなどのほとんどのファイルシステムにはフォークが1つだけしかない。一方MFSやHFSにはファイルにフォークが2つある。データフォークには、ドキュメントのテキストや画像ファイルのビットマップなど、他のファイルシステムのファイル内容にあたる情報が含まれる。リソースフォークには、メニュー定義、グラフィック、サウンド、他のシステムのファイル形式に組み込まれるコードセグメントなど、構造化されたデータが含まれる。実行可能ファイルは空のデータフォークを持つリソースのみ、データファイルはリソースフォークのないデータフォークのみとなる場合がある。ワードプロセッサのファイルは、データフォークにテキストを、リソースフォークにスタイリング情報を含めることができるため、スタイリング情報を読めないアプリケーションでもテキストデータを読むことができる。

一方でこのようなフォークを使った仕組みは他のOSとのデータ共有に問題が生じた。Mac OSのファイルをMacintosh以外のOSにコピーすると、デフォルトではファイルからリソースフォークが失われる。大半のデータファイルは、ウィンドウのサイズや位置など欠落しても大きな支障がない情報しかリソースフォークに保存していないが、実行ファイルはリソースフォークが失われると動作しなくなる。BinHexMacBinaryなどのエンコード処理により、ユーザーは複数のフォークを1つのデータにしたり、逆に1つのデータから複数のフォークに展開してMac OSで使えるようにしたりできた。
歴史

1986年のMacintosh Plusの登場から、1997年にMac OSに名称変更されるまで、Systemのアプリケーション群を日本語表示に対応させ、日本語フォント日本語入力システム(当初はFEPであり、インプットメソッドではない)を同梱するなど日本市場向けに設計されたオペレーティングシステムを漢字Talk(かんじトーク)と呼称した[10]

技術の進歩に伴いMac OSも様々な変化を遂げている。その系譜は概ねSystem 6までと、System 7、Mac OS 8およびMac OS 9の3つの時期に分かれる。
System 1 - 4

Appleは家電製品のようなシンプルなコンピュータを開発することを目指しており、OSとハードを明確に区別していなかった。このためOSの初期バージョンには明確な名前がなかった。ソフトウェアはユーザーから見て、システムファイルと、デスクトップの表示も担うファイル管理ツールのファインダーの2つで構成されているように見える。この2つのファイルはシステムフォルダというラベルが付いたディレクトリに入っている。このディレクトリにはプリンタドライバなどシステムの操作に必要なリソースファイルが含まれている[11]。OSのバージョンナンバーはこれら2つのファイルのバージョンナンバーに基づいている。

画面は白黒ベースで基本的にシングルタスクのOSであり、QuickDrawの採用により、ハードウェアによるアクセラレーションなしでGUI OS環境を実用的な速度で動作させることができた。ファイルシステムは、初期ではMacintosh File Systemであったが、512KeやPlusに搭載された 128KBのToolbox ROMおよびSystem 3.1よりHFSを採用した。今から見れば非常に貧弱な機能しか持たないが、それでも驚くべきことに初代 MacintoshのToolbox ROMはわずか64KBにおさめられ、128KBのメインメモリ上ですべての機能が動作した(もっとも128KBでは実用上厳しいほどメモリが不足していたため、すぐに512KB モデルへのアップデートが行われた)。当時の限られたハードウェア上で動作させるため性能的には多くの制約があり、メモリを節約するために完全なシングルタスクを前提として設計されたToolbox APIは後のMac OSの発展の足枷となることになる。

System 1.0、1.1、2.0ではMachintosh File System (MFS) というディレクトリのないファイルシステムを採用していた。Finderにはファイルを整理できるフォルダがあるが、このフォルダは仮想的なものであり、他のアプリケーションからは見えず、実際にはディスク上に存在していなかった。

System 2.0では、AppleTalkをサポートし、これを用いたLaserWriterが新たに導入された。

System 2.1 (Finder 5.0) ではディレクトリ機能を持つHierarchical File System (HFS) が採用された。Hard Disk 20をサポートする目的で開発され、HFSはRAM上に実装された。起動ディスクやほとんどのフロッピーディスクは400KBのMFSのままだった。

System 3.0 (Finder 5.1) がMacintosh Plusから導入された。公式にHFSが採用され、起動ディスクは800KBで、SCSIAppleShareなどの新技術が導入されたほか、削除したいファイルをドロップされたゴミ箱のアイコンが膨らむようになった。Mac OSという名称ではなく漢字Talkとして日本語版に対応した。

System 4.0がMacintosh SEで採用され、System 4.1がMacintosh IIで採用された。これらの新機種では初めて拡張スロットApple Desktop Bus (ADB) が搭載され、ハードディスクが内蔵されたほか、Macintosh IIは外付けカラーディスプレイに対応し、モトローラの68020プロセッサを採用した[12]

これらのバージョンではデスクアクセサリーを除き1度に1つのアプリケーションしか実行できない。Multi-Mac[13]やSwitcherなどの特別なアプリケーションシェルを使えば複数のアプリを走らせることが可能だった。見た目が進化している場合はFinderのバージョンナンバーも変更されており、1.x、4.x、5.x、6.xなどのメジャーバージョンアップ時に大きな差がみられた。

Appleは1990年代後半になってこれらの古いリリースにバージョンナンバーを遡及して割り当てた。
System 5

1987年後期にAppleはApple Macintosh System Software Update 5.0のタイトルでパッケージを公開した。49ドルの価格で800KBのフロッピーディスク4枚の形態で販売され、MachintoshのOSが小売販売されたのはこの時が初めてだった。ソフトウェアはユーザーグループやネットの掲示板などでも引き続き無料で配布された。製品の箱にはバージョン 5.0と表記されていたが、このバージョンナンバーは画面のどこにも表示されなかった。4枚のディスクのうち、システムツール1、システムツール2、ユーティリティ1の3枚はいずれも起動可能で、ユーザーは使いたいツールが含まれているディスクから起動できた。例えばプリンタドライバが入っているのはシステムツール2だけであり、Disk First AidやApple HD SC Setupが入っているのはシステムツール1だけだった。これらのディスクにはシステムツールズと書かれていたことから、ユーザーやマスコミはこのバージョンをシステムツールズ5.0と呼ぶことが多かった。

System 5の最も大きな変更点は複数のプログラムを同時に実行できる機能拡張のMultiFinderを搭載したことだった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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