Cinavia
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Cinavia (VCMS/AV)一般
設計者Verance
初版発行日1999; 2003; 2009
シリーズVCMS
派生元VCMS/A
関連
AACS; SDMI(英語版)
認証AACS LA(英語版)
暗号詳細
鍵長82ビットの埋め込みキーセット[1]:5、より大きい抽出用キーセット[1]:7、ファジー相互相関による復元
安全性の主張±10%の速度変動に対する耐性、ワウフラッター、6→2→1ダウンミックス[2]:4、
人間の聴覚に感知されない、36 dB SNR[2]:4
ブロック長15秒
構造シングルチャンネル、可聴域、ステノグラフィー透かし
ラウンド数多次元:時間オフセット、アルゴリズム選択、周波数シフト、擬似乱数列、周波数帯域[1]:5,33
速度20 MIPS (2-channel, 48 kHz, 16-bit)[2]:4
最良の暗号解読
音響心理学的圧縮モデル(MP3/Vorbis)、非破壊的オーディオ変換およびフィルタリングに耐えられる

Cinavia(シナビア)は、当初Verance Copy Management System for Audiovisual Content(VCMS/AV)と呼ばれ[3]、Verance社が1999年から開発し、2010年にリリースしたアナログ透かしおよびステガノグラフィーシステムである。既存のAdvanced Access Content System(AACS)デジタル著作権管理(DRM)と連動して、2012年からすべての民生用ブルーレイディスクプレーヤーにCinavia透かし検出サポートの搭載が義務づけられた。また、2012年以降に生産されたBDレコーダームーブバックを行う場合Cinaviaのチェックが入る。PlayStation 3(Ver. 3.10以降)などが先行してCinaviaのチェック機能を備えた。
概要

Cinaviaは、劇場公開映画やブルーレイディスクなどのメディアのアナログ音声に記録された透かしを検出することで、コピーを防止する仕組みである。これは、偽造コピーと合法的なコピー(フォーマットシフトなど)の両方を防ぐことを意図している。

Verance社はウェブサイトで、透かしはマイクを通した録音(映画館ビデオカメラを使って映画を録画する場合など)や圧縮エンコードには耐えられるが、人間の聴覚には感知できず、透かしの存在は音質に影響を与えないとしている[4]

透かしの入ったメディアをCinavia検出機能を持つシステムで再生する場合、そのファームウェアは透かしを検出し、デバイスがその透かしに対して再生が許可されているかを確認する。デバイスが許可されていない場合(例えば、映画館での収録物の非正規の映画プロジェクターでの再生や、AACSが無効化された市販のブルーレイディスクのコピー、CSSが無効化された市販のDVDのコピーなど)、デバイスでそのメディアの再生が許可されていないことと、Cinaviaのウェブページで詳細情報を閲覧するようメッセージが(即時または一定時間後に)表示される。デバイスやファームウェアによっては、メッセージが表示されると、音声がミュートになる、または再生が完全に停止する。
メッセージ

Cinavia+AACSシステムによる介入後、透かしが検出された状況を反映した4つのメッセージのうちの1つが表示される。メッセージは異なる言語の消費者にも特定しやすいように「Cinaviaメッセージコード1から4」[5]の番号が振られている:
メッセージコード1:再生停止[5]-劇場やホテルで配給されたオーディオコンテンツを民生用再生機器で再生しているときに表示される。

メッセージコード2:コピー停止[5]-劇場またはホテルで配給されたオーディオコンテンツを民生用録音機器で録音しているときに表示される。

メッセージコード3:音声がミュート[5]-民生用オーディオコンテンツを光ディスクから再生するときに、ディスクの中央に一致するAACSキーが存在しない場合に表示される。

メッセージコード4:コピー停止[5]-民生用録音機器で民生用オーディオコンテンツを録音しているときに表示される。

このうち、レコーダー、ゲーム機、PC向けのBD再生用ソフトウェアはメッセージコード1,3の搭載が義務付けされる傾向にある。搭載が義務であるのはBDプレイヤー(DVDが再生可能かどうかは考慮しない)のみであり、USBメディアなどから再生するメディアプレイヤーではCinaviaをすり抜けることがある。
ライセンス

Cinaviaの所有者であるVeranceは、エンターテインメントおよびメディア業界のいくつかの部門とライセンス契約を結ぶことで収益を得ている。2012年3月 (2012-03)現在[update]、Verance社に支払われるライセンス費用は、ブルーレイディスクプレーヤーのメーカー1社あたり、Cinavia検出システムを組み込む権利として1万ドルから30万ドル、さらに実装のための追加ソフトウェア費用が発生する[6]。制作会社は、Cinaviaで透かしたオーディオトラックごとに50ドル[6]配給会社は、Cinaviaで透かしたコンテンツを含むディスクごとに0.04ドル支払う必要がある[6]
技術

Cinaviaの特徴:

透かしを検出するために必要な音声は1チャンネルだけ。

透かしは、マイクを通した再録音にも耐えられる。

透かしは、「記録されたコンテンツの制作、複製、配給、放送、および消費者の取り扱い」によって検出できる
[4](同社のDVD-Audio Detector Compliance Verification Suiteのホワイトペーパーでは、すべてのテストがシングルチャンネルのファイルである[7])。

同じ作品の異なるバージョンを識別することができる。

Cinaviaが提供する透かしとステガノグラフィー機能は、オーディオ信号内に留まり、離散コサイン変換による非可逆圧縮MP3DTSOgg Vorbisなど、一般的なオーディオ形式変換に耐えられるよう設計されている。マイクオーディオ接続放送によるデジタルおよびアナログの録音・再生に耐えられるように設計されており、可聴域内の周波数を使用することでこれを実現している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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