CR牙狼
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CR牙狼(シーアールガロ)は、サンセイアールアンドディ2008年11月に発売した、パチンコ機。特撮テレビドラマ「牙狼〈GARO〉」のタイアップ機である。

本稿では、以後シリーズ化された一連の「牙狼〈GARO〉」タイアップ機についても記述する。
概要

シリーズ第1弾となる「CR牙狼」は、デジパチ・羽根モノ混合タイプデジパチ羽根モノの機能を併せ持つ、いわゆる役物連チャン機)として登場した。このジャンルに属する機種としては過去にも「CRアラジンデスティニー」(サミー)など幾つか供給されたことがあったが、それらの機種は「限られた時間(デジタル5 - 10回転)内にVゾーンに遊技球を入れる」ことにより連チャンを実現させていたのに対し、「CR牙狼」では羽根によるVゾーン入賞での大当たりのため羽根の開放時間が長く(デジタル99回転)役物の構造も単純であるため、特段の技術介入をせずとも容易にVゾーンに遊技球を入れることにより連チャンを実現させた。そのため、オーソドックスな1回ループの確率変動を搭載したデジパチタイプの機種と比べても大当たりを引くまでの時間が短く、出玉の増加速度が非常に速いのが特徴である。

メーカー・タイアップ作品ともにメジャーではなかったが、第1弾「CR牙狼」は高い出玉性能が評判を呼び、メーカーも数度にわたる追加販売を行うほどの大ヒットとなった。また、発売から1年以上が経過してもなお解説本が出るほどの根強い人気があった。ただ一方で、この「CR牙狼」登場以降、同様のスペックを持った機種が出る可能性に危機感を強めた警察の動きに呼応するかのように、パチンコメーカーの業界団体である日本遊技機工業組合は2009年4月より自主規制を強化し、「CR牙狼」のような『混合機』の場合、時短中の大当たり時の時短継続率を3分の2以下とすることとなった[1]。このため、しばらくは同様のシステムを採用した機種は発売しにくい状況が続いていたが、2012年4月に自主規制が緩和され、出玉期待値が6400発以内であれば同様のシステムを採用できるようになった[2]

「CR牙狼」が大ヒットしたことで、以降シリーズ化され、「牙狼〈GARO〉」ないしその関連作品をモチーフにした多数の機種がメーカーより登場している[3]。ただ、日本遊技機工業組合による申し合わせにより2015年11月以降に発売する機種に対しては低確率時の大当り確率の下限が320分の1とされたため、いわゆる「MAXタイプ」と呼ばれる低確率時の大当り確率が400分の1近い機種は、本シリーズにおいては2015年10月発売の「CR牙狼 魔戒ノ花」が事実上最後となっている。

2016年10月24日より設置開始予定である「CR牙狼 闇を照らす者」が、現行の内規(低確率時の大当り確率下限が320分の1、など)に沿ったスペックとして登場。
開発経緯

企画担当者が牙狼と出会ったきっかけは、自社で開発した『CR超絶合体SRD』の楽曲を影山ヒロノブが担当しており、その縁でJAM Projectのライブに足を運んだことだった。当時のパチンコ筐体のトレンドが金色であり、牙狼の色と合うこと。パチンコは当たりとハズレがはっきりしていなければならないことが、牙狼が変身すれば勝利することと符合するので演出が組み立てやすいこと。この2つから企画担当者は企画書を起草した[4]

2007年2月には企画書が完成していたものの、サンセイには牙狼を知るものが他におらず、さらに新規性のあるシステムを考案できなかったため、理解が得られず開発に着手できなかった。しかし、開発スタッフとともに大当たりまでの間隔を短くしそれを分かりやすく提示するギガMAXと呼ばれるシステムを考案し企画書に盛り込み、開発着手に至った[5]
影響

特撮シリーズの牙狼は『テレビスペシャル 白夜の魔獣』の後、映画企画が持ち上がったものの一旦展開が終了していた[6]。CR牙狼シリーズのヒットにより、映画『RED REQUIEM』の企画が立ち上がり、特撮シリーズの再開に繋がっている[7]

牙狼シリーズの原作者である雨宮慶太は、CR牙狼シリーズの描写はパラレル[6]としながらも、本編で描けなかった内容を見せる目的で、膨大な仕事量を割いている。またCR牙狼シリーズの描写が特撮シリーズに逆輸入されることもあり得ると語っている[8]

『P牙狼冴島鋼牙』で描かれたストーリーはテレビドラマ『魔戒烈伝』で制作しなかったエピソードを元にしており、このストーリーをさらに発展させたものが、映画『月虹ノ旅人』となっている[9]
各機種
CR牙狼

ゲーム性としては、デジタルで大当たりを引いた場合に50%の割合で「魔戒チャンス」と呼ばれる時短に突入する。「魔戒チャンス」中は右打ちを行うことで羽根に遊技球を拾わせ、遊技球がVゾーンに入賞すると大当たりとなる。一度「魔戒チャンス」に突入すると大当たり時に82%の割合で「魔戒チャンス」が継続する。その一方で、「魔戒チャンス」に突入する実質的な確率が約800分の1(低確率時におけるデジタルでの大当り確率が約400分の1の上に、「魔戒チャンス」突入はその2分の1となるため)と非常に低いため、大ハマリに陥ることも珍しくない。

なお、本機ではドラマの実写映像は使用されておらず、鋼牙の変身シーンなども含めて全て実写映像に似せたCGまたはアニメーションである。

雨宮慶太が考案したオリジナルキャラクターとして、魔界竜が初登場している[10][11]
スペック
CR牙狼XX


大当たり確率:1/397.18

賞球数:3(始動口、右羽根) & 10(普通入賞口) & 14(アタッカー)

ラウンド:15ラウンド

カウント:9カウント

大当たりの内訳

(デジタル当選時)

15ラウンド大当たり(時短あり) ⇒ 50%

15ラウンド大当たり(時短なし) ⇒ 50%


(時短中のV入賞時[12]

15ラウンド大当たり(時短あり) ⇒ 82%

15ラウンド大当たり(時短なし) ⇒ 18%



時短(=魔戒チャンス):時短ありの大当たり終了後99回転

CR牙狼 ?陰我消滅の日?

2010年8月より導入のシリーズ第2弾。『GARO PROJECT 2010』第1弾と題されている。

先述の通り、日本遊技機工業組合の自主規制により前作『CR牙狼』と同様のシステムを採用することが出来ないため、本機は一般的な確率変動を搭載したスペックとなっている。本機の「魔戒チャンス」も前作と同様、突入率50%・継続率82%となっているが、電チューサポート(電サポ)がない時の大当たりにおける突入率と継続率の差分(32%)は潜伏確変であるため、初当たり時に限っては「魔戒チャンス」に突入しなくても早い引き戻しに期待が持てるようになっている。また、「魔戒チャンス」は次の大当たりまで必ず継続するため、前作のように大当たりを得ることがなく「魔戒チャンス」が終了してしまうという心配がない一方、デジタル抽選の仕組み上、前作より大当たりになるまで時間がかかる場合がある。

本機で追加された演出がある一方、魔戒チャンスにおける右打ちや即大当たりなど前作のスピード感を再現している。特に「魔戒チャンス」における特別図柄の変動時間の短さは、大当たり・ハズレ問わず、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}確率変動を搭載した機種の中でも最速レベルを誇る[要出典]。
スペック
CR牙狼 ?陰我消滅の日?ZZ


大当たり確率:(低確率)1/147.93、(高確率)1/19.86

賞球数:3(始動口) & 6(アタッカー) & 10(普通入賞口)

ラウンド:9ラウンド

カウント:10カウント

大当たりの
確変突入率:82%

大当たりの内訳

(電サポなし時)

確変大当たり(電サポあり) ⇒ 50%

確変大当たり(電サポなし) ⇒ 32%

通常大当たり ⇒ 18%


(電サポあり(=魔戒チャンス)時)

確変大当たり(電サポあり) ⇒ 82%

通常大当たり ⇒ 18%



リミット:なし

時短:なし

特別図柄の保留の数:中央始動口4個+右始動口4個

特別図柄の保留の優先消化:右始動口優先

CR牙狼 ?RED REQUIEM?

2010年12月より導入された、映画『牙狼〈GARO〉 ?RED REQUIEM?』を原案としたシリーズ第3弾。

基本的なゲームフローは『CR牙狼 ?陰我消滅の日?』とほぼ同じだが、初当たり用と魔戒RUSH(前作までの魔戒チャンスに相当)用とでアタッカーが別々になったことと、魔戒RUSH終了後に99回転の時短(ザルバチャンス)がついた点が異なる。また、ライトミドルのZZではシリーズ初のラウンド振り分けが施され、魔戒RUSH終了後の時短は無くなっている。

演出は従来2機種と異なり、図柄からリーチ演出まで実写を多用しているほか、オールフルカラーLED搭載の牙狼シリーズ(?CR牙狼外伝 -桃幻の笛-)専用枠「SOUL METAL」を採用したことに伴い、役物として新たに「FACE OF 牙狼」、魔導火ライター役物などを搭載した。なお、前作までのような連荘時のスピード感は見られなくなっている。
スペック
CR牙狼 ?RED REQUIEM?SS


大当たり確率:(低確率)1/358.12、(高確率)1/39.96

賞球数:3(始動口) & 5(下アタッカー) & 10(普通入賞口)& 11(右アタッカー)

ラウンド:15ラウンド

カウント:7カウント

大当たりの
確変突入率:82%

大当たりの内訳

(電サポなし時)

確変大当たり(電サポあり) ⇒ 50%

確変大当たり(電サポなし) ⇒ 32%

通常大当たり ⇒ 18%


(電サポあり(=魔戒RUSH)時)

確変大当たり(電サポあり) ⇒ 82%

通常大当たり ⇒ 18%



リミット:なし

時短:魔戒RUSH終了後99回転

特別図柄の保留の数:中央始動口4個+右始動口4個

特別図柄の保留の優先消化:右始動口優先



CR牙狼 ?RED REQUIEM?ZZ


大当たり確率:(低確率)1/199.8、(高確率)1/19.98


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