CPUの冷却装置
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一般的な空冷式CPUクーラー。銀色の部分はヒートシンクで、CPUはその下にある。

CPUの冷却装置(シーピーユーのれいきゃくそうち)の記事では専ら、「CPUクーラー」と呼ばれているパソコンCPU冷却およびその装置について解説する。目次

1 概要

1.1 パソコンのCPU以外の冷却


2 背景と歴史

2.1 黎明期

2.2 ヒートシンクによる冷却の登場

2.3 空冷ファンによる冷却の浸透

2.4 低発熱CPUへのファンレス対応


3 自然冷却(ファンレス)

3.1 表面放熱

3.2 ヒートシンクの利用


4 空冷

4.1 強制冷却

4.2 受動空冷


5 水冷

6 液浸冷却

6.1 水中データセンター


7 ガス冷

8 寒剤を用いた冷却

9 冷却の補助

9.1 放熱グリス

9.2 ヒートパイプの利用

9.3 ペルチェ素子の利用

9.4 殻割りによる放熱部材の交換


10 CPUクーラーの主な取付方法

10.1 プッシュピン方式

10.2 リテンション方式

10.3 バックプレート方式


11 冷却装置(CPUクーラー)の著名メーカー

12 脚注

12.1 注釈

12.2 出典


13 関連項目

14 外部リンク

概要

(パソコンの)CPUに限らず、集積回路を使用する電子機器一般に、積極的な放熱を必要とするほどに発熱するのにもかかわらず冷却を怠った場合、以下のような問題がある。

オーバーヒートによる誤動作。なお、特にこれによる制御不能状態(暴走)のことを指して俗に[注釈 1]熱暴走」と呼ぶことがある

異常な熱膨張・収縮によるパッケージの寿命の問題

(最悪の場合)半導体としての熱暴走

十分な冷却を行わない場合、以上のような理由から、即時的な機能不全や、著しい寿命の短縮をもたらす。一見正常に機能したとしても冷却不足であった場合は、設計上の寿命よりはるかに早く故障する可能性がある。

一般にマイクロプロセッサの場合、本来はBtoB等での利用のための形態である「バルク品」と呼ばれる商品にはCPUクーラーは付属しない。一方、一般消費者向けの「リテールパッケージ」には、必要十分な程度のスペックのCPUクーラーが同梱となっていることがほとんどであり、通称「リテールクーラー」「純正クーラー」と呼ばれている(場合によっては、それ以外のクーラーとの組合せが保証外の扱いのことなどもある)。自作やオーダーPCでは、より高性能な、あるいは静音化を図ったクーラーに交換を望む需要も高く、サードパーティ製品が数多く開発、市販されている。

互換性のあるパーツを集めて作るショップ系BTOや自作機では、本来は通風させる方向に沿っているべきであるマザーボード上の子基板がその向きに沿っていない(メモリモジュール等)ことがある。一方でカスタムの幅が狭い前提で設計されるメーカー製PCやPCサーバ等では、フォームファクタに囚われず全体最適な設計が見られることも多い[注釈 2]
パソコンのCPU以外の冷却

CPU以外のGPUなどのプロセッサ、あるいはもっと他の集積回路で発熱の著しいものにおける冷却、あるいはパソコン以前から存在して冷却が行われていたメインフレームスーパーコンピュータ、あるいはワークステーションサーバにおける冷却も、本質的には同様である。ビデオカードの主にGPUを冷却するものは「GPUクーラー」または「VGAクーラー」と呼ぶ。

パソコン以外の機器では、家庭用ゲーム機の場合の一例としてPlayStationシリーズの場合、初代PSでは自然通風による冷却のみであったがPS2ではファン等を含む冷却システムが組み込まれている。他にも、薄型テレビなど黒物家電にはメインLSIを冷やすため何かしらの冷却機構を採用した物が多い。
背景と歴史
黎明期

パソコンで使用されるマイクロプロセッサの場合、ごく初期にはPMOS、続いてNMOS論理方式であったため、1980年代にはその発熱が問題になるほどになった。


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