COROT
タレス・アレーニア・スペースで組み立てられる COROT。
所属CNES、ESA
主製造業者Alcatel Alenia Space
公式ページCOROT
COROT(コロー衛星、仏: Convection, Rotation et Transits planetaires、英: Convection, Rotation and planetary Transits)は、フランス国立宇宙研究センター (CNES) が主導し、欧州宇宙機関 (ESA) やその他の国際協力機関との協力によって2006年に打ち上げた宇宙望遠鏡である。
COROT の主要な目的の2つは、短周期の太陽系外惑星、特に大型の地球型惑星を探査することと、太陽に似た恒星の振動を測定することで星震学を行うことである[2]。
主要な功績として CoRoT-7b の発見が挙げられる。これは2009年に発見された系外惑星であり、岩石か金属が主成分と思われる系外惑星の初の発見例であった。
COROT は2006年12月27日14:28:00 (UTC) にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地よりソユーズ 2.1bロケットで打ち上げられ[3][4][5]、2007年1月18日にファーストライトを行った[6]。科学観測は2007年2月2日に開始された[7]。COROT はトランジット法での系外惑星の検出を主目的とした初めての宇宙機であり、後のケプラーやTESS、将来計画の PLATOへの道を切り開いた存在である。観測開始のわずか3ヶ月後の2007年5月には初の系外惑星 CoRoT-1b を発見した[8]。
当初の計画ではミッション期間は打ち上げから2年半とされていたが[9]、2013年にまで延長された[10]。その後2012年末に観測運用をさらに2016年まで延長することが決定したが、同年11月2日に放射線によるコンピュータの故障により、望遠鏡からデータを取得することが不可能になった[11]。修復が試みられたが失敗し、CNES は2013年6月24日に COROT を引退させる意向であることを発表した。その後2014年6月17日に最後のコマンドが送信され、運用を終了した。また機体が大気中で燃え尽きるように軌道の高度は下げられた[12]。 「対流と回転、及び、惑星の通過」を意味する名称のとおり、COROT は大きく分けて2つの目的をもった宇宙望遠鏡である。 COROT は恒星の輝度をモニターし、惑星が恒星の手前を通過することによる周期的なわずかな減光を探査する。全ての観測領域において、COROT は系外惑星探査を目的として可視等級が11から16等までの明るさの何千もの恒星の明るさを記録した。11等よりも明るい天体の場合は系外惑星用の CCD 検出器が飽和してしまうため、得られるデータは不正確なものになってしまう。一方で16等よりも暗い天体の場合は、惑星を検出するのに十分な量の光子を得ることが出来ない。COROT は、14等より明るい恒星を公転する地球の2倍以上の半径を持つ岩石惑星を検出できる感度がある[13]。太陽系外惑星の発見手法として COROT の打ち上げ当時主流となっていたのは、惑星の公転に伴って中心星が揺れ動くことを検出するドップラー法であるが、惑星が小さく軽い場合にはこの方法で検出するのは困難である。よって、大気圏外からの精密な測光観測によって食を検出し、地球型惑星を検出することが COROT の目的のひとつである。また観測可能な全ての等級の範囲内において、新しい巨大ガス惑星を検出することができる[14]。 COROT は星震学の研究にも用いられる。COROT は恒星の脈動に伴う光度の変化を検出することができる。
目的