CLOTH_ROAD
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CLOTH ROAD
ジャンル
サイエンス・ファンタジーアクション
漫画
原作・原案など倉田英之
作画okama
出版社集英社
掲載誌ウルトラジャンプ
レーベルヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ
発表期間2003年12月号 - 2011年6月号
巻数11巻
テンプレート - ノート

『CLOTH ROAD』(クロスロオド)は、脚本:倉田英之、作画:okamaによる日本漫画作品。『ウルトラジャンプ』(集英社)にて、2003年12月号から2011年6月号まで連載されていた。単行本は全11巻。話数単位は、本編は「Stitch-」(スティッチ)、番外編は「Snap-」(スナップ)。
ストーリー

極限まで発達したナノテクノロジーによりコンピュータの小型化が進み、服とコンピュータが融合した時代。服飾ブランドの影響力は著しく強くなり、服を仕立てる「デザイナー」と、その服の機能を最大限に引き出す「モデル」は時代の寵児となった。一方で、貧富の差は拡大し、スラム街の貧民達は「ウォーキング(WAR-KING)」 と呼ばれる、モデル同士が戦う、ファッションショーと決闘の要素を併せ持った見世物でウサ晴らしをするのが日常となっていた。そして、WAR-KINGでは、トップブランドから見向きもされない2流のデザイナー、3流のデザイナー、モデルたちがそれぞれの戦いを繰り広げていた。

生まれてすぐに捨てられたファーガスは、服飾デザイナーのグスタフに引き取られていた。ファーガスはそれからずっとコロネットのベガーズ貧民街で暮らしながら、駆け出しのデザイナーとして2流モデル・8823のために賞金制の「ウォーキング」の服をデザインしていた。ある日他の街からやってきたモデル・美美介に8823はなすすべもなく倒され、負けた腹いせにファーガスを罵倒する8823に嫌気を刺し、彼との決別を宣言する。その日の帰路、グスタフが体内に侵入したナノマシンが原因で倒れたとの知らせが入る。投げやりになってしまうファーガスであったが、そこに1人の少女が現れる。彼女はファーガスの生き別れの双子・ジェニファーだった。
登場人物

の項はVOMIC版のもの。
メインキャラクター
ファーガス
- 阿部敦本作の主人公の1人で、デザイナー。本業は仕立て屋である。生後まもなく捨て子となった彼は、デザイナーのグスタフの元で育てられ、仕立ての基礎とデザイナーの仕事を教えられてきた。グスタフがアルコールに依存した後は、日銭を稼ぐためにコロネットの貧民街でWAR-KINGのための服をデザインしており、自らの不遇な境遇を呪っていたが、ジェニファーとの邂逅やグスタフの死をきっかけとして、彼の運命は動き出す事となる。デザイナーとしての腕は当初は未熟であったが、ロイヤルカストラートで出会ったトーガの修行を経て一流の実力を身につけ、同ブランドのトップモデルであるジュリエットのデザイナーを務めるまでになる。また、仕立て屋ならではの機転も生かしている。感情的なジェニファーに対して冷静ではあるが、父親であるガーメントに完膚なきまでにプライドを折られた際に立ち直れなくなるほど落ち込むなど、後ろ向きな面も目立つ。しかしそれを克服し、ガーメントに対し真っ向から立ち向かえるほどに成長。ジェニファーをドレス・スカイに組み込むほどの決意を持って最終決戦に臨んだ。名前の意味はケルト語で「勇気」。
ジェニファー
声 - 伊藤静本作の主人公の1人で、モデル。ファーガスとは生き別れた双子の片割れ。彼女もまた捨て子であり、里親であるクロッシュの死後にファーガスを訪ねたことから、モデルとしての運命が動き始める。なお、本人は「ファーガスの姉」と自称しているが、実際のところは不明。沈着冷静なファーガスに対して感情の起伏が激しく、負けず嫌いで前向き。無類の間食好きで、体型が変化する事もしばしばで、ファーガスに突っ込みを入れられる事もしばしば。ファーガスと出会った当初は、出会うモデルたちに悉く「気品も美しさも無い」と評される運動能力任せのスタイルを繰り広げていた。後にロイヤルカストラートに捕らわれたファーガスを助けようとした事をきっかけにジューン・メイの弟子となり、トップモデルクラスの実力を身につけることとなる。最終決戦ではジュリエットに圧倒されるものの、持ち前の根性と優しさ、そしてファーガスへの世界一の信頼でガーメント、ジュリエット双方を退けた。名前の意味はケルト語で「妖精」。

ドレス

デザイナーはファーガス、源内。

フラギューム

ペルリヌのモデル時代のドレスをファーガスが改修したもの。


白鳳

源内が作った鎧武者型のドレス。全て天然の自然素材で出来ており、大きさは生体服飾化生命に匹敵する。後にメイが織り込まれた。


スプリンターオーキッド

対ガーメント戦でメイの所に駆けつけるために使ったドレス。



ポシェット
中古のウォーキングクローゼット「パンサー」を管理するオートマトン。作成者はガーメントで、世楽の技術を元に作成されている。西洋人形のような小さく可愛らしい容姿をしているが、口調はぞんざいな毒舌家で、ファーガスのことを「メガネ」と呼んでいる。後に、かなり高度な技術を用いて、自意識を持つように作られていた事が判明する。名前の由来は肩掛けの小型鞄ポシェットから。
コロネット
グスタフ
声 -
秋元羊介町の仕立屋。ファーガスの育ての親であり、デザイナーとしての師匠。ナノマシンに脳を侵される病気により逝去。死に際の言葉がファーガスの出立のきっかけとなる。実は星に服を着せる計画のデザイナーの1人だった。
スヌード
声 - さとうあい「生活向上委員会」の職員。クロッシュの死後、ジェニファーとファーガスを引き合わせた。
8823
声 - 千々和竜策コロネットの2流モデル。ファーガスと組んで「ウォーキング」に臨んでいた。美美介との戦闘の際、全身の皮を剥かれ、ペニスを切断されるという屈辱的な敗北を味わい、ファーガスとの諍いの末に決別する。以降はネタキャラとして度々登場し、終盤では改心した節を見せている。番外編ではペルリヌに二度も容易くあしらわれている。
ペルリヌ
声 - 藤村歩コロネットで娼婦を営む女性。かつてはロイヤルカストラートの専属モデルだったが、ドラッグ使用により解雇された。かつてはグスタフの専属モデルでもあり、その経験からジェニファーにモデルとしてWAR-KINGの特訓をした。ファーガスらを送り出した後はオーナーとして「パブパブ」を経営。初期は影のある微笑を湛えた女性だったが、番外編と終盤ではその影も消え、常連や従業員から愛される酒好きの女性となっている。
ビスコース
パカテロ・ムーリネ
ムーリネ姉妹の姉。自称ウルトラスーパーグレートスペシャル天才デザイナー。左足が義足。妹を溺愛している。ファーガスの持つオーロ・マリアの布に興味を持ち、手に入れるためにファーガスとジェニファーにWAR-KINGを吹っかける。ファーガスらに負けた後も布に執着し、妹と共に各地を回っていた。番外編でも主人公らを差し置いて登場。姉妹でウルトラジャンプ通巻100号記念を無視して創刊10周年を先取り祝いしている。本人曰く「あたしの頭はいつでもパーティー」。
クエンティン・ムーリネ
ムーリネ姉妹の妹。自称ウルトラスーパーグレートスペシャル天才モデル。勝ち気な姉とは正反対の穏やかな性格。モデルとして実力もあり、姉妹のコンビはビスコースのWAR-KINGで連戦連勝を飾っていた。姉を溺愛している。
ロイヤルカストラート

ブリテン王国に本社を構えるトップブランド。オペラに登場するカストラート専用の仕立屋からスタートし、それまで男性服に使われていた技術を用いて仕立てた女性服が社会進出した女性に支持され、トップブランドに発展する。ロマンティシズムでドラマティックな装飾性を特徴とした、ドレスやゴシック調な衣装を製作する。作中世界で最も支持されているブランドでもある。
ジューン・メイ
ロイヤルカストラートのトップモデル。過去クロスロオドを3年連続で優勝した実力を持つ、人気とも他のトップモデルとは段違いの人物。自身が興味を持つもの以外は全く眼中になく、プライドが高い。世界中の人々から敬愛されており、「メイ様」と呼ばれる。ふとしたきっかけでジェニファーを弟子とし、トップモデルとしての技術を叩き込んだ。クロスロオド直前にロイヤルカストラートからモデル契約を破棄され、クロスロオドへの参加権を失うが、お構いなしに乱入。参加権永久剥奪の警告も一笑に付し、トップモデルたちを圧倒した。その後に現れたガーメント子飼いのモデルと戦うが敗北し、復讐を誓ってスコップたちと共に荒廃したロイヤルカストラートを後にした。ロイヤルカストラート崩壊後は行方知れずとなっていたが、ニケでの戦闘に乱入。身体服飾化生命5人を倒す活躍を見せる。ジュリエットとの戦いの中で重傷を負い、スコップの命をかけた時間稼ぎでジュリエットを倒す寸前まで行ったが、ジュリエットを倒すことよりもスコップの命を優先し、勝機を逃した。そのまま戦闘を継続するが、真っ二つになって崩れるニケの塔を支えるために両手が塞がり、ガーメントに身体服飾化生命にされそうになる。しかし拒絶反応が強すぎて時間がかかり、ジェニファーの乱入により中途半端な状態で死亡寸前となった所を、ファーガスが「白鳳」と一体化させることにより、一命を取り留めた。しかしパーソナリティが白鳳の容量を超えていたため記憶を削除しなければならず、やむなくガーメント戦の短期記憶であるCドライブを削除する。その際、頭の右側のコルネが消えてしまった。最終決戦ではガーメント本拠地目前でウイルス攻撃を受け、体を急速に分解される。ファーガスらを先に向かわせ、スコップと共にウイルスと戦闘。その後ジェニファーのドレスが失われた窮地にスコップと共に帰還。わずかな布しか残らず、源内とトーガの手でジェニファーのドレスとして編み直される。自我は消えたかに思われたが、消えたはずのCドライブを復活させ、ジェニファーと共にジュリエットを退けた。最終決戦後も自我は残っており、メイというドレスがマネキンを「着る」という形でクロスロオドに出場するつもりでいる。

ドレス

メイは花をモチーフにしたドレスを纏う。

トリフォリューム・レペンス

ロイヤルカストラートに解雇された直後に開催されたクロスロオドに乱入した時に纏っていたドレス(『4連勝は私のもの!』を宣言して乱入)。モチーフはシロツメクサ(四つ葉のクローバー)。


ロードデンドロンのドレス

クロスロオドを3連覇した時に纏っていたドレス。モチーフはシャクナゲ。


スウォード・リリー=グラジオラス

クロスロオドを2連覇した時に纏っていたドレス。モチーフはグラジオラス。


アイアン・ヴァージン

クロスロオドを初制覇した時に纏っていたドレス。デザイナーはガーメント。ドレスアップに際しては、アイアン・メイデン像がメイに覆い被さる形で展開する。他のドレスとは異なり、花をイメージしている部分が少なく、代わりにたくさんの棘(針)が突き出ている凶悪なスタイル。このドレスについては、メイ本人が優美さに欠けると思っている。なお、当時のメイは契約上カストラートが用意したドレスを着るしかなかったため、このドレスを纏っていたとのこと。



スコップ
ジューン・メイの執事。ハサミの扱いに長けており、武器もハサミ。身分の低い者をとことん邪険に扱い、時折言葉遣いが乱暴になることも。ジューン・メイを心の底から敬愛している。メイの幼少時には両親の代わりに誕生日に花を贈り続けており、メイにとっては唯一の家族とも言える存在。対ジュリエット戦ではジュリエットに貫かれて劣勢となったメイに勝機をもたらすべく、2秒半もの命がけの時間稼ぎをするものの、逆にメイにかばわれる形で命を救われてしまう。その後はメイと彼女の命を救ったファーガスたちの恩により共同戦線を張り、名サポートを行う。
フィッシュ
ジューン・メイのメイド。
チップス
ジューン・メイのメイド。フィッシュとの容姿は瓜二つ。
トーガ
星に服を着せる計画のデザイナーの1人であり、オーロ・マリアの布の製作者。グスタフの友人であり、ガーメントの師匠。ガーメントが国際指名手配になったことを受け、ロイヤルカストラートに拘留されていた。アルジャンヌの肉体の限界が近いことを悟り、彼女のための新しい「ドレス」を作るため、ファーガスを一流のデザイナーとするための指導を行う事となる。カストラート崩壊後も残りアルジャンヌのケアをしていたが、そこにガーメントが現れ、改変した記憶によって洗脳される。最終決戦でジェニファーの荒療治で洗脳が解け、源内と共にメイをドレスに編み上げた。


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