1958年から1フランス・フラン=50CFAフランの固定レートであったが、1994年には構造調整計画の一環として、1フランス・フラン=100CFAフランに切り下げられた。1999年1月1日からユーロに固定しており、1ユーロ=655.957CFAフランである。
CFAフランを使用している国は外貨準備高の50%をフランスの国庫にて保管しなければならないという規定があり、旧宗主国であるフランスによる経済支配と批判されてきた[1]。2019年6月30日に西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が2020年より共通通貨エコ(ECO)に移行することを決定し、そのうち8カ国は西アフリカ諸国中央銀行が発行するCFAフランを使用している国家であった[2]。この8カ国がエコに移行した場合、前述のフランスによる管理を受けないことで2019年12月21日に両者が合意した[1]。エコが始動すれば、CFAフランは中部アフリカ諸国銀行発行の6カ国のみが使用することになる。 特記のないものは旧フランス植民地。 このほか、コモロのコモロ・フランも対フランス・フラン固定レートであったためCFAフランに含めることがある。 セネガル共和国では、CFAフランという単位だけでなく、ウォロフ語のデュルム[3]という単位も用いられる。1デュルムは5CFAフランに相当[4]し、主に市場での少額の商取引において用いられる(例えば、10デュルム(fukki derem)は50フラン)。 中央アフリカ共和国は2022年4月に仮想通貨であるビットコインを法定通貨に加える法案が議会で全会一致で可決され、同4月27日に大統領府が承認したと発表した[5]。 CFAフランはレートがユーロに固定され、ユーロの金融政策は欧州中央銀行により決定されているため、旧フランス植民地であった発展途上国のアフリカ諸国は、自国の経済計画の実行がほぼ不可能であると批判されているが[6]、反対にCFAフランの利用国の通貨の安定を助け、フランスとの輸出入の循環を大きく促進させるという意見もある[7]。 2008年に行われた欧州連合自身によるCFAフランとユーロとの連携に関する評価では「2つのCFAフラン圏それぞれが、通貨統合において受ける恩恵は、それぞれのCFAフラン圏の間でさえも極めて小さい」が「フランス・フランへの為替固定、また、1999年以降のユーロとの為替レートの固定は、一般的なマクロ経済の安定性の観点からCFAフラン圏に有利な効果をもたらすと認められる」と論じた[8]。
使用国
西アフリカ諸国中央銀行発行
セネガル
ギニアビサウ[注 2]
マリ共和国[注 3]
コートジボワール
トーゴ
ベナン
ブルキナファソ
ニジェール
中部アフリカ諸国銀行発行
チャド
中央アフリカ共和国
カメルーン
赤道ギニア[注 4]
ガボン
コンゴ共和国
評価
脚注
注釈^ CFAは植民地時代には"Colonies francaises d'Afrique"(アフリカのフランス植民地)の略であったが、現在では西アフリカでは"Communaute financiere africaine"(アフリカ金融共同体)、中部アフリカでは"Cooperation financiere en afrique centrale"(中部アフリカ金融協力体)の略とされている。CFAは通常、フランス語読みで『セーファー』 と発音される。
^ 旧ポルトガル植民地。1997年まではギニアビサウ・ペソを使用していた。
^ 1962年から1984年まではマリ・フランを使用していた。
^ 旧スペイン植民地
出典^ a b “West African Countries Take a Step Away From Colonial-Era Currency”
^ “西アフリカ15か国、2020年に単一通貨「ECO」導入へ”. AFPBB News. フランス通信社. (2019年6月30日). https://www.afpbb.com/articles/-/3232875 2019年12月23日閲覧。