CD
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生産を始めるとCDの反りの問題が浮上したが、当時新素材であったポリカーボネートの使用を1982年8月に決定し、CD発売開始半年前の同年9月半ばにプレス生産が軌道に乗った[13]
黎明期

1982年8月31日、ソニー、CBS・ソニー、フィリップス、ポリグラム[注 7]の4社共同のCDシステム発表会が東京大手町の経団連会館で開かれ、当日の夕方から夜のテレビニュースと翌日の朝刊で一斉に報じられた[13]

同年10月1日、ソニーからは再生第1号機「CDP-101」およびCBS・ソニーからは世界初のCDソフト50タイトルが発売され、CDソフトの生産第1号はビリー・ジョエルの「ニューヨーク52番街」となった[13]。50タイトルの内訳はクラシックだけでなく、ポップスやロック、歌謡曲まで揃っており、その後年末までに100タイトル余りのソフトが発売された[13]

こうして1980年6月のDAD懇談会では日本ビクターの静電式も評価として残されていたが、CDが発売されたころには、ほとんどの会社がソニー・フィリップスによるCDシステムの採用を発表し、CDが事実上の世界統一規格となった[13]

1983年に入ると、他社からも次々にCDプレーヤーが発売され、CDソフトも同年末には約1000タイトルが店頭に並んだ[13]。1984年11月になるとソニーは「CDP-101」の機能と変わらないまま本体サイズをCDジャケット4枚分の厚さにし、価格も49,800円に抑えたポータブルCDプレーヤー「D-50」を発売、これにより各社のCDプレーヤーの価格も下がり、業界全体のCDビジネスも本格的に立ち上がっていった[13]
普及期

デジタル音声に関しては当初、特にアナログオーディオ技術を駆使する録音スタジオのエンジニアたちによって、「アナログタイプの機器より1けた高い」「音質が硬く、音楽的でない」と評価された[14]。その中でもアメリカのボーカリストのスティービー・ワンダーやジャズピアニストのハービー・ハンコックなどがデジタル音声を支持したことで、否定的だったミュージシャンらもデジタルオーディオに肯定的になっていった[14]。そうしてクラシックの新譜はほとんどすべてがデジタル化され、マルチトラック録音が必要なポピュラー音楽も、次々とデジタル録音されるようになった[14]

CDソフトの日本国内生産枚数も1984年末頃は、 LPレコードと比べて10分の1程度の生産枚数だったが、2年後の1986年には年間4500万枚に達して、LPレコードを逆転した[14]。そして1988年前後には、LPレコード最盛期の生産量の1億枚を超し、1992年には3億枚を突破した[14]。中島はCDの生産枚数は「1989年ごろにLPレコードを追い越して、将来的には2億枚ぐらいにはなるだろう」と予測していたが、想定よりも早く、かつ想定以上の生産枚数に達する結果となった[14]

その後CDには音声・映像・文字用の「CD-ROM」(1985年規格化)、映像・音声両用の「ビデオCD」(1993年規格化)など、様々な規格が策定され「CDファミリー」を形成していった[14]

1990年代後半にCDと同じサイズでCDより高音質のSuper Audio CDDVD-Audioなどの次世代オーディオメディアが登場したが、CDを置き換えるには至らなかった。
衰退期

2000年代以降はインターネットによる音楽配信ストリーミング配信が増加し、2010年代以降はハイレゾなど配信データの高音質化やレコードの再評価により、音楽媒体としてのCDの売上は減少傾向となった。「CD不況」も参照

またデータ用としてもDVDBlu-rayなどの次世代規格のメディアやインターネットなどによるデータ通信が台頭したことから下火となった。

2022年、アメリカでは1987年以来初めてレコードに売上枚数で抜かれた[15]
仕様
サイズ

コンパクトディスクの外形は一般的には、直径12 cmまたは8 cmで厚さ1.2 mmの円盤であり、中央に直径15mmの穴が空いている。

ただし一部には、通称で「名刺型CD」や「カード型CD」と呼ばれる、8 cm CDを長方形に切り取り周囲をコーティングしたものがある。同様の形状で書き込み可能なCD-Rも市販されていたが、書き込み可能な面積が小さいので、通常の8 cm CD-Rよりも容量が小さい。また長方形型以外にも特殊な形状のものもある[注 8]
構造と材質4層構造。

A:基盤(樹脂層)

B:反射層(記録層)

C:ラッカー層(保護層)

D:印刷層

E:CDプレーヤー光学ドライブのピックアップ
記録層表面の微細なピットとランドの顕微鏡写真(CD-ROMのもの)記録層表面のトラックやピット


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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