CD-DA
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Compact Disc Digital Audio
CD-DA


メディアの種類光ディスク
記録容量74分(783MB相当)※規格上の容量
79分57秒(835MB相当)※最大限の容量
コーデックリニアPCM 16bit 44.1kHz
2.0chステレオ
読み込み速度1.2 Mbps
(150 kiB/s、1倍速)
回転速度200 - 530 rpm
読み取り方法780 nm赤外線レーザー
策定ソニーフィリップス
主な用途音声
ディスクの直径12 cm
大きさ120×120×1.2 mm
関連規格コンパクトディスク
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CD-DA(Compact Disc Digital Audio)は、コンパクトディスク (CD) に音楽などの音声データデジタルデータ)を記録する規格である。コンパクトディスク開発に伴って、1980年フィリップスソニーによって規格化され、1982年10月1日世界初の商用ソフトとしてビリー・ジョエルアルバムニューヨーク52番街』が発売された[1]。これは一般消費者向けの音楽供給媒体として実用化されたデジタルオーディオとしても世界初である。なお「CD」と言う場合、ほとんどがこの項目で説明するCD-DAの規格に沿った光ディスク、またその光ディスクを媒体とする音楽ソフトそのものを指す[2]

従来のアナログオーディオと比較して、CD-DAはほとんどメンテナンスフリーかつディスクをプレーヤーに配置するだけで再生でき、ワウフラッターノイズが無く、人間の可聴帯域(大体20Hz?20000Hzの帯域)の音声の記録と再生に対応したオーディオ規格となっている。ディスクの大きさが最大12cmで、プレーヤーに複雑な機構を設ける必要もないため、プレーヤーの小型化も容易になっている。このような利便性の高さから急速に普及し、アナログレコードに代わって世界標準の音楽供給媒体になり、後のデジタルオーディオシステムにも影響を与えた。

CD-DA規格制定当時はディスクに記録されたデジタルデータをコピー(リッピング)する手段がなかった。しかし1990年代後半のWindowsパソコン普及後にバックアップツールが登場したうえ、CD-DAにはSCMSフラグ以外の著作権保護機能が存在しないことから、コピーを無制限に行えることが問題視された[3]。この対策としてコピーコントロールCD(CCCD)と呼ばれるコピーガードを搭載したディスクなどが登場するが、エラーが多発[注釈 1]して音質が低下したり、一部のプレーヤーでは再生自体ができないか故障の原因になるなどの弊害がある。またコピーガードを搭載したことで、CD-DAの仕様から逸脱したディスクにはCD-DAのロゴマークを付与することができない。このような問題からCCCDは登場から2年半で市場から撤退し始めた[4]

一方で音質向上の観点から、CD-DAの仕様範囲内の「高音質CD」と呼ばれる製品が登場したり、ハイレゾなどの音質向上技術が採用された音楽CDも開発されている。高音質化処理が施されていない旧来のCDであっても、高タップ数有限インパルス応答フィルタ適用や倍音復元などの高度な計算処理を伴うアップサンプリングを行うことで再生時のDACにおける情報欠損を最小化し、本物のハイレゾ音源には及ばないものの生々しい再生音を得ることが可能となった。

こうしてCD-DAは登場以来、音声コンテンツを供給する規格として利用され続けている。しかし生産量は12 cmのCDアルバムに関しては、1998年の3億291万3千枚をピーク[5]に減少している。そしてインターネットを介して利用する音楽配信サービス[注釈 2]が普及するに伴い、CDの市場は縮小し続けている[7]。「CD不況」も参照
仕様

規格書「レッドブック」によりライセンスされているが、これは表紙の色がであったことに由来する[8]。レッドブックは機密文書のため契約者以外には公開されないが、IEC-60908 Audio recording - Compact disc digital audio systemで標準化されている。

コピーガードが掛けられていたり、DTS-CD等のサラウンドデータが収録されている場合を除いて、CD-DAの本体およびパッケージには、「.mw-parser-output span.smallcaps{font-variant:small-caps}.mw-parser-output span.smallcaps-smaller{font-size:85%}compact disc digital audio」ロゴが付いている。

主な仕様は下記である。他にも詳細な規定がある。

データ形式 - リニアPCM

サンプリング周波数 - 44.1 kHz

ビットレート - 1411.2 kbps

量子化ビット数(ビット深度) - 16 bit signed integer

チャンネル数 - 2.0 chステレオ

スピンドル穴直径 - 15 mm

プログラムエリア内周 - 25 mm

プログラムエリア外周 - 58 mm

CD-DAは最大99のトラックを納めることが可能であり、各トラックには最大99のインデックスを付与することが可能となっている。
サブチャンネル

各セクターには2352バイト(24×98)のオーディオ・データ、及び96バイトのサブチャンネル・データが配される。

各セクターの96バイトのサブチャンネル情報には各24バイトのパケットが4つ配される。内容は1バイトのコマンド、1バイトのインストラクション、2バイトのパリティQ、16バイトのデータ、4バイトのパリティPである。

96のサブチャンネル・データの各バイトは8ビットにわけて考えられる。その各ビットは、それぞれ別個のデータ・ストリームに対応している。これらのストリームは“チャンネル”と呼ばれ、Pから始まるラベルを付されている。

ChannelPQRSTUVW
Bit76543210

チャンネルP及びQは通常のオーディオCDではタイミング情報の為に用いられる。これらはCDプレーヤがディスク内での現在位置を追跡するのを補助し、同時にCDプレーヤの時間表示の為の情報にも供される。

チャンネルQは、より高性能なプレーヤの制御目的で使われる。MCNISRCを含む。ISRCはメディア産業で用いられ、他に含まれる情報として、オリジナル盤の国、発売年、権利者、そしてシリアル・ナンバー、及び以下の様ないくつかの追加タグがある。
データ
このトラックは(オーディオよりも)データを含む。オーディオCDプレーヤをミュートさせる為に用いる事が可能。
SCMSフラグ
トラックのデジタル・コピーに関する権限を示すSCMSの為に使用される。但し、トラックが暗号化される訳ではないので、SCMSフラグの設定値を意図的に無視してリッピングを行う事も可能である(特にPC用のリッピングツールの場合)。
4チャンネルCD
このトラックは4チャンネル・オーディオを用いる。CDに於いては使われる事が無かった。
プリエンファシス

トラックのプリエンファシス有無を示す為に使用される。フラグはTOCと各トラックのサブコードで立てられる。再生機はプリエンファシスフラグを読み取ることでディエンファシス処理を施すかどうかを決定する。TOCかサブコードのどちらか片方のみにプリエンファシスフラグが立っているCDも存在するが、パソコン等の再生環境に依っては正しく判定できない問題が発生し得る。CD黎明期に多く用いられたが、段々と利用されなくなった。

チャンネルRからWはユーザーデータを格納する為の領域としている。曲名などを書き込むCD-TEXTや、画像を格納するCD+GMIDIを格納するCD-MIDIなどの規格が存在する。
回転速度

それまでのレコードでは一定回転(角速度一定)により外周から内周に向けて記録信号を読み出していたのに対し、CD-DAでは逆に内周から外周に向け回転速度は落ちて行き、線速度一定で読み出される(CLV)。線速度は規格により1.2から1.4 m/sと定められている。これにはデータの先頭位置である最内周で最低459 rpm、最外周で最低198 rpmの回転数が必要となる。
データ転送速度

音楽CD(CD-DA形式)のデータの転送速度は等倍速で1倍速(1.2 Mbps=150 kiB/s)であり、この1倍を基準として、転送速度を表すのに「○倍速」という言い方をする。最大記録時間は640 MBのディスクで約72分、650 MBのディスクで約74分、700 MBのディスクで約80分となる。ただし規格上は97分まで可能。
記録性能


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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