CDレンタル
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レンタルCDとは、コンパクトディスクなどの音楽ソフトを有料で貸すサービス。主に日本国内で行われている。
目次

1 概要

2 日本での歴史

3 ビジネスモデル

4 脚注・出典

5 関連項目

概要

1980年アナログレコードを貸し出す専業の店として登場し、その後に登場したコンパクトディスクを貸し出すようになった。2000年代には専門店はほぼ姿を消して、レンタルビデオやゲームなどとともに複合化されている[1]
日本での歴史

1975年に神奈川県川崎市の東横線元住吉駅近くの綱島街道沿いに中古レコード店がオープンしたが、業績が振るわず閉店するのを機に親戚のアドバイスでサービスとして商品をレンタルしたところ大盛況となり、業態をレンタルレコード店に変え再出発した。店も元住吉駅近くに移転し屋号を「円盤」とする。日本で最初のレンタルレコード店の誕生である。ニッポン放送「玉置宏の笑顔でこんにちは」でおもしろい商売として紹介される。[要出典]

1980年東京都三鷹市LPレコードをレンタルするサービスを当時立教大学の学生であった大浦清一が開始。屋号は「黎紅堂」(れいこうどう)だった[2]

レンタル料金はレコード1枚につき250円から300円程度で購入した場合の10分の1という安さだったことから大人気となり、レンタルレコード店は急速に拡大した。しかし、販売店によってはレコードということもあってか些細な傷や汚れを入念にチェックし、客に警告や弁償金を請求する店も少なくなかった。実際に現在中古で販売されるレンタル落ちレコードはジャケットに巨大なステッカーなどが貼られてはいるものの極めて状態が良い場合が多い。日本レコード協会調べで、1981年6月には約500店舗だったのが、同年12月には約930店、1983年頃には約1700店舗。そして、ほとんどの客が借りたレコードをカセットテープに録音しており、一般のレコード店の売り上げが2割から3割減少する影響を見せ、権利者団体からも問題視されることになった[3][4]

1981年、 レコード会社13社と日本レコード協会が、黎紅堂、友&愛、レック、ジョイフルといった当時のレンタルレコード店大手4社に対して著作権侵害だとして、貸出差止を求める民事訴訟を起こす[4]1982年7月には、日本音楽著作権協会も黎紅堂に貸出禁止を求める民事訴訟を起こした。民事訴訟だったのは当時の著作権法には貸与権が明文化されておらず、レンタルレコードを法規制できなかったためで、1983年には国会で立法措置の動きが出た[3]

1984年3月にレンタルレコード店が日本レコードレンタル商業組合(現・日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合)を結成[5]。5月には、日本レコードレンタル商業組合と日本音楽著作権協会の話し合いと国会での審議により貸与権が設定され、権利者の許諾を受けたレンタルレコードが「合法化」される。日本レコードレンタル商業組合は日本音楽著作権協会に著作権使用料を支払っていくことになった[6]。6月に貸レコード暫定措置法が施行[7]。この頃から「友&愛」が首都圏でチェーン展開をし、深夜にテレビコマーシャルを放送。

1984年に著作権法が改正されてレコード製作者に貸与権と報酬請求権が認められた。これによって、無断のレンタルレコードが違法であることが明文化される。翌1985年1月に改正著作権法が施行[7]。この頃の黎紅堂の会員数は約180万人、友&愛の会員数は約80万人[2]

1991年、著作権法の改正により、新譜のレンタル禁止期間が1年間に延長。国内アーティスト(J-POP歌謡曲演歌など)に関しては、各レコード会社との話し合いによりアルバム及びカップリング曲が2曲以上のシングルは発売から3週間(発売日から翌々週の土曜日)となったが、海外アーティスト(いわゆる洋楽)に関してはほとんどが1年間レンタル禁止となり、レンタルCDの取り扱いを廃止する店舗が増えたとされている。なお、シングルCDのレンタルはカップリング曲なし、もしくは1曲のシングルは発売日当日からレンタルできる[8]。しかし、邦楽でもアーティスト側の諸事情によってレンタルが一切禁止されている作品もある[9]
ビジネスモデル

レンタルによる著作権の支払いは一説にレンタル市場売上約600億円のうちの15%(90億円)程度に過ぎず、新品CD店(売上の70%程度がレコード会社への原価に消える)よりも有利な競争条件であるとされる[10]。また、需要期を過ぎたCDについては中古市場へ売却を行うことが通常認められており、中古CDや新品CDも含めた複合店舗が増加している。2000年のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(TSUTAYA)のマザーズ上場に見られるような大規模調達による財務面の安定化、また規模の経済が働くこともあり、一部ビッグプレーヤーによる大型化[11]寡占化が進行している。
脚注・出典

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^レンタルと著作権について CDV-NET
^ a b 杉浦肇、新井行雄『レコード・貸レコードビデオショップ経営のすべて』経営情報出版社、1985年、p.121。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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