CDプレーヤー
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CDプレーヤー(: CD player)は、コンパクトディスク(CD)を再生する装置。CD-DA(オーディオCD)に記録されているデジタル音響データを、スピーカーで再生可能なアナログ信号へ変換する。
歴史世界最初の、商業的に販売されたCDプレーヤーソニーCDP-101。写真はイタリアのレオナルド・ダビンチ科学技術国立博物館(英語版)の展示品

1979年3月8日にフィリップスが国際的な場で、11.5 cmの光学ディスクとオーディオプレーヤーを実演したことに端を発する[1]

世界初の商業的に販売されたCDプレーヤーは1982年10月1日発売のソニー(Sony)CDP-101で、カタログ表示価格(標準価格)は168,000円であった。このプレーヤーは当初は日本国内でのみ販売された。最初は、SONYとCD規格(Red Book)を開発したPhilips社とで別のCDプレーヤーを開発・製造し、同時発売によるCD規格の世界的な周知を図っていたが、フィリップス側の開発の遅れにより予定期日での発売が不可能となったため、両社の合意によりCDP-101の日本国外発売を6ヶ月延期した[2]。これと同日にSONYによってCD 50タイトルも発売された。

また同日ソニー以外からも日立製作所Lo-Dブランド)、日本コロムビアDENONブランド、日立のOEMで発売)で発売された。日立の第1号機はDAD-1000で189,000円、日本コロムビアの第1号機はDCD-2000で価格は日立製と同じ。2番目に登場したPhilips CD-100

そしてフィリップスのCDプレーヤーCD100は、1982年11月に発売された。日本でもマランツブランドで輸入販売された。

CDとCDプレーヤーは、世界のクラシック音楽愛好家、特に高音質を追求する世界のオーディオ愛好家たちから大歓迎された。高音質が賞賛されたのに加え、扱いやすさ(レコードに比べたコンパクトさ、ボタンで曲を一気にジャンプできる便利さ等々)も評価が高かった。

1983年には米国CBSレコードもCDの16タイトルを発売した。同年9月には日本コロムビアからも自社開発・製造によるCDプレーヤーが発売。受注生産として業務用CDプレーヤー1号機のDN-3000FC(180万円)が発売された。同年12月には日本コロムビアから自社製家庭用CDプレーヤー1号機のDCD-1800(159,800円)が発売。独自機能「スーパーリニアコンバーター」を搭載して話題を呼んだ。最初の携帯型CDプレーヤー、SONY D-50

世界最初の携帯型CDプレーヤーはSONYのD-50(愛称的な商標 Discman)であり、日本国内では1984年に49,800円、翌年には各国で発売された。SONYにはウォークマンを世界的に大ヒットさせた実績があり、CDでも同様に携帯型を市場に投入したものである。

当初かなり高価であったCDプレーヤーは、その後メーカーや機種が増えるに従い次第に安価になってゆき、携帯型プレーヤーも登場したことで、クラシック音楽愛好家だけでなく、ポピュラーミュージックロックミュージックの愛好家たちにも広く普及していった。CDプレーヤーやCDソフトの売上は急増した。1985年には初のミリオンセラーCDも登場した。1982年の初のCDプレーヤー発売からこの頃までのことは「ディジタルオーディオのビッグバン」などと呼ばれることもある。

CDプレーヤーの年間出荷台数は2001年の259万台がピークであった。

2002年ごろ採用されていたCCCDは当時販売されていたすべてのプレーヤーの取扱説明書に再生の保証はしないと明記されている。

その後デジタルオーディオプレーヤーの普及に伴い、大手電機メーカーは相次いで製造から撤退したが、一部のジェネリック家電メーカーが今も製造を継続しており、高齢世代に一定の需要が存在するほか、光学ドライブのないノートパソコンの普及も手伝って、携帯型CDプレーヤーの売上低迷に歯止めが掛かっている[3]。CDラジオも廉価製品が次々と出現した。

2009年3月6日、CDプレーヤーは約30年前にフィリップスが実演に使用したプレーヤーによって、デジタルを使用した光学的な記録システムの技術標準を確立したとしてIEEEマイルストーンに認定された[4]
種類ポータブルプレーヤー(スピーカー)一体型プレーヤー(CDラジカセ)据え置き型。コンポーネントステレオのひとつのユニットとして用いられるもの。DENONの1980年代の製品の筺体を開けた状態で、内部の部品の構成やその大きさが分かる写真。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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