C.M.B._森羅博物館の事件目録
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C.M.B. 森羅博物館の事件目録
ジャンル
推理漫画
漫画
作者加藤元浩
出版社講談社
掲載誌月刊少年マガジン
レーベル講談社コミックス月刊マガジン
発表号2005年10月号 - 2020年9月号
巻数全45巻
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『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』(シーエムビー しんらはくぶつかんのじけんもくろく)は、加藤元浩による日本漫画作品。『月刊少年マガジン』(講談社)にて連載していた。
概要

『月刊少年マガジン』2005年10月号から2020年9月号まで連載された。『Q.E.D. 証明終了』の姉妹作品として、同一世界で展開されるミステリー漫画。人体発火や幽霊騒動などの怪奇現象や伝説などから起きる事件を、あらゆる研究や学術調査に関わる権限を強制できる「C.M.B.」の文字が記された3つの指輪を持つ博物館館長である主人公・榊森羅と、体力と正義感が強いのが特徴の女子高生・七瀬立樹が幾多の謎を解決していく作品。『Q.E.D.』の掲載誌である『月刊少年マガジン+(プラス)』 06号を初出に、森羅に盗難文化財絡みの事件を持ちこむブローカーの少女・マウ・スガールを主人公とした本作のスピンオフ『M.A.U. “ブラック・マーケットの魔女”の事件目録』も描かれており、その回も本作の一編として単行本に収録された。

事件のテーマには怪奇現象のほか、遺跡や文明、植物や化石、動物等の分野を取り入れた話が多いのが特徴で、『Q.E.D. 証明終了』と同様に「小さな(=殺人ではない)事件」も取り扱っている。そして、事件の始まりである怪奇現象を科学的に証明できるものとして扱っている。

作者である加藤元浩の公式ツイッターで、第45巻を持って最終回を迎えることが発表され、完結した。
登場人物
主要人物
榊 森羅(さかき しんら)
東京の某所にある、森羅博物館に一人で住む不思議な少年。金髪、背が低く、無邪気な性格から、七瀬からは年下に見られていたが(実年齢は14歳)、ある事件を機に同じ高校に通うことになり、七瀬と同じクラスになった。
大英博物館の三賢者に与えられた「智の守護者」の証である3つの指輪を所有している。母・春菜も考古学者で、森羅を連れ世界中を飛び回っていた。父親は不明。母の死後、三賢者に引き取られ、某国の湖の湖畔の古城で3人が持つあらゆる知識を吸収していくが、「自分の知識を実際にこの目で見て見たい」と思い、単身日本へ。『Q.E.D. 証明終了』の主人公・燈馬想の母方の従弟である。日常生活を営むための常識は欠けている[1]が、雑学や博学知識にかけては天下一品。社会科は歴史以外まるでダメで、国語は高校生レベルだが、英語は完璧なイギリス英語を操り、英語以外にラテン語など5ヶ国語を扱える。数学、化学、物理の知識は大学レベルで、歴史、地学、生物に至ってはそれ以上の知識を持つ。その知識を用いて不可解な出来事から発生する事件を解決していく。だが、性格の無邪気さからか、殺人事件など人の命に関わっていることも、端から見ると真剣味にかけるような行動を取っている。その一方で、物語が進むにつれて立樹やマウの影響からか、かなりしたたかな一面も天然で見せるようになった。「カノポスの壺」では、母親の形見とも言える発掘品を壊した犯人が自殺しようとした際、「死んでみろ」と暴言を吐き、怯んだ隙に殴って止めたことがある。上記のような知識と洞察力で事件の真相を暴いていくが、それを話す際は「入館料」などの条件や対価を事件関係者に求めるスタンスを取っている。「入館料」は金銭ではなく、事件に関するものなのだが、マウ相手の際など取り損なうこともあり、また状況や依頼人の心情によっては求めないこともある。なお、彼の条件を事件関係者が受諾した後、森羅が「“驚異の部屋(ヴァンダー・カンマー)”をご案内します」の口上を述べることがストーリーが解決編に入る合図となっている(これは姉妹作品である『Q.E.D. 証明終了』のスタイルを踏襲している)。  純粋な頭脳派かと思いきや、高い所に軽々登って見せたり、スコップ一つで崖下まで滑り降りていったりと、桁外れな運動神経を持つ。特にスノーボードを得意としており、その腕は、立樹と互角の勝負を見せ、命の危険を伴う「超上級コース」に躊躇無くチャレンジ出来るほど。三つの指輪はチェーンで首にぶら下げている。そのチェーンは母親の形見で、指輪はどうでもいいらしい。
七瀬 立樹(ななせ たつき)
本作のもう一人の主人公。黒髪のストレート。正義感が強い元気いっぱいの女子高生で、合気道の達人。とある事件をきっかけに、森羅博物館に迷い込んだ。その後、怪奇事件があれば森羅に相談を持ち込むことになる。自宅は「ななせ湯」という東京の下町にある銭湯で、父は下町っ子だが母はお嬢様と不思議な組み合わせ。祖父の言いつけでグループ傘下の、良家の子息・令嬢が通う名門校私立明友高校に通う。勝ち気な性格で、厄介ごとは力でねじ伏せようと考えるタイプだが、名門校に通っている手前上、学校では周りの友人達に猫をかぶっている。学園の外では拳で物事を解決することがままあり、教員の間では、立樹が犯人だと知られていないため「我が校に正体不明の問題児がいる」と噂されていた。ただし、話数が増え、親しい友人が増えるに従って学校でも地の性格を見せるようになった。森羅の子供っぽさをフォローする役回りになることもあり、彼女の説得によって「入館料」が無料となったこともしばしば。森羅博物館への人の集まりが悪いことを気にしていた森羅に、人を呼び込むアドバイスをする等、森羅に足りない一般常識や感情論を補う立場を担っている。また、飛んできた野球ボールを片手で取ったり、棒一つで壁を登ったりするなど、大人も驚愕する程桁違いな運動神経を持つ(森羅と同様、スノーボードが特技として、超上級コースにためらうことなく挑戦できる)。
森羅・立樹を取り巻く人物
鯨崎 猛(くじらざき たけし)
警視庁の警部。「Op.03:青いビルの事件」により、森羅達と知り合うことになる。古ぼけたポンコツの車に乗り、服装は無頓着。見た目はたらこ唇の大男。行動力があり、間の抜けた部下を一喝したり、森羅の言葉にも耳を傾けるなど柔軟性も持ち合わせる。生真面目な性格で、妻が産気づいた同僚に変わって50時間張り込みした末に、20km以上走って犯人を逮捕した後困ったお婆さんを助けたという逸話を持ち「警視庁一のマジメ人間」といわれている。一方で、壁にかけてある額が曲がっていることを指摘する等、小姑めいた細かさも散見される。
マウ・スガール
国籍不明、語学堪能な少女。その正体は、文化財の闇のブローカー。盗品を「善意の第三者」という立場を装って購入し、売り捌くことを生業としている。普段は黒を基調としたゴシック・ロリータ風の衣服に身を包んでいる。「Op.08:グーテンベルク聖書<前編>」から登場。当初はグーテンベルク聖書の一部を鑑定してもらいたいと願う古美術商の娘として森羅に近づき、森羅を利用してグーテンベルク聖書を手に入れようとするが、その企みを森羅に見抜かれて以降は、自身のビジネスのために言葉巧みに森羅を事件に引き込んだりしている。森羅曰く「おそろしく頭のキレる奴」。また、転んでもタダでは起きない性格で、貸した借りは必ず返してもらうなど強欲である。裏の世界には顔が利くようで“闇市場(ブラックマーケット)の魔女”の異名を取り、「自分が目を光らせていれば森羅博物館に泥棒が入ることは無い」らしい。彼女が”指環を狙う者がいる”という情報を森羅にもたらしたことにより、C.M.B終盤が始まる。森羅博物館が燃える中ヘリで援護し、展示品の一部も預かった。名前の由来は女版ネズミ小僧ということで、ネズミ娘→マウスガール→マウ・スガール。
清川(きよかわ)
立樹の母方の祖父。私立明友高校の理事長で、幼稚園から大学までエスカレーター式の教育機関を経営している学園経営者。強い好奇心の持ち主で、その好奇心を満たすためなら海外にも飛び出してしまう。その際、森羅を連れていくことが多い。登場初期は苗字は明らかにされていなかったが、「Op.27:初釜事件」で中学以来の友人から呼称されたことにより明らかになった。
横槍(よこやり)
立樹と森羅の高校のクラスメート。率先してイベントを企画したり都市伝説や呪いのメールに首を突っ込んだりするトラブルメーカー。クラスでは「他人の顔色を顧みない姿勢が奴の強さ」と評される。彼のイベントや行動に巻き込まれて立樹と森羅が事件に立ち向かう羽目に陥ることも多々ある。よく水差(みずさし、「Op32:夏草」にて名前判明)と行動を共にしている。
ヒヒ丸
「Op.30:老婆と猿」から登場するマントヒヒ。前の飼い主が事件に巻き込まれて死亡し、その事件を森羅が解決したのが縁となって森羅に引き取られ、ペットとして飼われることになった。猿でありながら口語の日本語を難なく解し、ボディーランゲージで意思疎通を行えるほど知能が高い。そのため普段は森羅博物館の雑用や客対応などをしており、ペットというよりも使用人のような立場となっている。
森羅の両親
三賢者
C.M.B.の3つの指輪の一つを受け継いでいた者達で森羅の3人の義父達。
レイ・ブラック
「Op.29:封泥」にて初登場。快活で豪快な性格で、(森羅の自覚は薄いものの)昔から森羅を危険なことに巻き込んでいたため、母・春菜は「レイとは付き合うな」と森羅に注意しており、立樹にも危険視されるようになる。立樹には森羅を一人にさせている放任主義的傾向に反感を抱かれているが、自らの意思で自分達『三賢者』の元を去った森羅の意思を尊重し、森羅を一人の信頼できる人間として扱っている。
スタン・ベルヌーイ
「Op.41:スタン」にて初登場。一見するとメガネをかけた穏やかな常識人だが、「虚仮の一念、岩をも通す」を地でいくとてつもなく頑なな意思の持ち主で、目的を果たすためならどんな障害があろうとも、絶対に自分から身を引かない粘り強い性格。その姿勢は、健康や安全をも省みないほどで、周囲を辟易させている。自身は森羅を親元に引き留めたいと考えているが、亡き春菜がそれを望んでいないと考え、そのことに関しては例外的に身を引いている。
モーリス・ランド
「Op.60:犀の図」にて初登場。オランダの国立博物学研究所の所長。直感型の天才であり、必要以上に必要なことしか喋らず、そうでないことは全く口に出さないスタンスの持ち主。他者との会話も最低限の言葉でしか交わさず、時に理由も言わずに行動を起こすため、かえって言葉足らずで誤解を受けることがままある。だが、そうした言動にも彼なりの真意があるため、決して意味のない行動を取っているわけではない。
榊 春菜(さかき はるな)
森羅の母。森羅が幼い頃に病没し、既に故人。当時、三賢者であったレイ、スタン、モーリスの三人が愛した女性。考古学者であった以外で人となりを知るシーンは少ないが、生前、川に森羅とレイと共に川に遊びに来ていた時、森羅を危険な目に合わせたレイに対して、レイの顔面に真空飛び膝蹴りを直撃させた。
Q.E.D.の登場人物「Q.E.D. 証明終了#主要人物」を参照
燈馬 想(とうま そう)
森羅の母方の従兄。森羅からは「想兄ちゃん」と呼ばれ、慕われている。その経歴(MIT卒後、日本の普通高校に再編入した)から森羅をして「変わった人」と言わしめ、立樹からは「こいつ(森羅)の一族はこんなんばっかりか」と呆れられた。森羅の過去ひいては森羅の本当の父親の情報を知る重要人物として立樹に注目されている。Op.27では水原とともに「森羅博物館」へ来る(森羅は七瀬の祖父の家へ行っていたため「本日休館日」の看板があった)描写がある。
水原可奈(みずはら かな)
想の友人。体を使うことならば何でもござれの「人五倍」元気の有り余る健康優良女子高生。出会ってすぐに立樹と意気投合し「お互い大変よね」と慰め合った。Op.10では、エジプトで立樹と2人で盗賊団を片っ端から夜空の星とし、砂漠の砂に這わせている。
捕まえたもん勝ち! の登場人物
七夕菊乃(たなばた きくの)
警視庁捜査一課の警部補。元アイドルで、その時代運営委員会に騙されていたことをきっかけの一つに国立大学法学部を経て国家公務員試験に合格。警視庁に配属された新人。経歴を見ればエリート官僚だが、警察学校でアイドル時代のダンス経験をいかして逮捕術の授業の際、教官を蹴り倒したことから警視庁や霞が関で名が知られることになった。更に名前の菊乃からのもじりもあって「キック」のあだ名が付けられた。元々は小説「捕まえたもん勝ち! 」シリーズの人物。Q.E.D.にもiffから登場している。
用語
3つの指輪
大英博物館がその収蔵品の収集や調査のために選抜した優秀な調査官兼学者である、知の守護者『三賢者』の証。


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