このページ名「C-Jun N末端キナーゼ」は暫定的なものです。(2022年5月)
「分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ」も参照
mitogen-activated protein kinase 8
識別子
略号MAPK8
他の略号JNK1, PRKM8
Entrez
mitogen-activated protein kinase 9
識別子
略号MAPK9
他の略号JNK2, PRKM9
Entrez(英語版)5601
HUGO6886
OMIM602896
RefSeqNM_002752
UniProtP45984
他のデータ
遺伝子座Chr. 5 q35
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mitogen-activated protein kinase 10
識別子
略号MAPK10
他の略号JNK3, PRKM10
Entrez(英語版)5602
HUGO6872
OMIM602897
RefSeqNM_002753
UniProtP53779
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c-Jun N末端キナーゼ(英: c-Jun N-terminal kinase、略称: JNK)は、c-Jun(英語版)に結合し、その転写活性化ドメイン内に位置するセリン63番と73番をリン酸化するプロテインキナーゼとして同定されたタンパク質である。JNKはMAPKファミリーに属し、サイトカイン、紫外線照射、熱ショック、浸透圧ショックなどのストレス刺激に応答する。また、T細胞の分化やアポトーシス経路にも関与している。JNKはキナーゼサブドメインVIIIに位置するThr-Pro-Tyrモチーフのスレオニンとチロシンが二重にリン酸化されることで活性化される。活性化は2種類のMAPKK、MKK4(英語版)とMKK7(英語版)によって行われ、セリン/スレオニンホスファターゼとチロシンホスファターゼによって不活性化される[1]。 JNKは3つの遺伝子に由来する10種類のアイソフォーム(MAPK8
アイソフォーム
JNKは次のような組織分布を示す。 炎症シグナル、活性酸素種レベルの変化、紫外線照射、タンパク質合成阻害剤など、さまざまなストレス刺激がJNKを活性化する。ストレス感受性のプロテインホスファターゼの不活性化がJNKの活性化の方法の1つである可能性があり、通常時には特定のホスファターゼがJNK自身の活性やJNKの活性化に関連したタンパク質の活性を阻害している[4]。 JNK1はアポトーシス、神経変性、細胞分化、増殖、炎症、そしてRANTES、IL-8、GM-CSFなど、AP-1を介したサイトカイン産生に関与している[5]。 p75NTR 真核生物のDNAのクロマチンへのパッケージングは、DNAに基づく過程の中で、酵素を作用部位へリクルートする必要がある全ての過程にとって障壁となっている。一例として、DNA二本鎖切断の修復にはクロマチンのリモデリングが必要である[8]。クロマチン構造の緩和はDNA損傷部位で迅速に行われるが[9]、その最初期の段階ではJNKによるSIRT6のセリン10番残基のリン酸化が行われ、この段階は二本鎖切断の効率的な修復に必要である[10]。SIRT6のセリン10番のリン酸化はSIRT6の損傷部位への移動を促進し、SIRT6はPARP1を損傷部位へリクルートしてモノADPリボシル化する[10]。PARP1の損傷部位への蓄積は損傷後1.6秒以内に最大蓄積量の半量に達する[11]。PARP1による反応産物であるポリADPリボース鎖にはクロマチンリモデリング因子であるALC1が迅速に結合し[9]、おそらくALC1の作用によって10秒以内にクロマチンの緩和は最大値の半値に達する[9]。その結果DNA修復酵素MRE11のリクルートが可能となり、13秒以内にDNA修復が開始される[11]。 転写共役ヌクレオチド除去修復(TC-NER)の過程におけるDNAの紫外線反応産物の除去は、JNKによるDGCR8 ショウジョウバエDrosophilaでは、JNKシグナル伝達を強化する変異体は酸化損傷の蓄積が少なくなり、野生型よりも長寿となる[13][14]。
JNK1とJNK2は全ての細胞や組織に存在する。
JNK3は主に脳に存在するが、心臓や精巣にも存在する[3]。
機能
DNA修復
老化