C-2_(航空機・日本)
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この項目では、日本の輸送機について説明しています。

アメリカ合衆国の艦上輸送機「C-2 グレイハウンド」については「C-2 (航空機・アメリカ)」をご覧ください。

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川崎 C-2



用途:輸送機

分類:輸送機

製造者:川崎重工業

運用者: 日本航空自衛隊

初飛行:2010年1月26日

生産数:16機[注 1] (22機を予定)

運用開始:2016年6月30日

運用状況:配備中
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C-2は、日本航空自衛隊が保有する輸送機

C-1の後継機として防衛省技術研究本部川崎重工業C-Xの計画名で開発し、川崎重工業が製造する。配属先の美保基地では Blue Whale (シロナガスクジラ) の愛称が付与されている[2][3]
概要

C-2は、C-1の後継として2000年平成12年)に「第二次C-X」として計画され、防衛省技術研究本部と川崎重工業によって開発が進められた、ターボファンエンジン双発の大型戦術輸送機である。2010年(平成22年)1月26日に初飛行した。初飛行に際して、試作機に対しXC-2の型式名称が与えられた。

当初の計画では2014年(平成26年)度末に美保基地に配備する予定であったが、開発途上で機体の強度不足が発覚したことなどにより配備が予定より遅れ2017年3月27日に開発完了し[4]、C-2として正式採用、部隊使用承認された。2017年3月28日に3機、2018年度末までに8機配備される見込みである[5][6]。開発総額は2016年時点で約2,610億円とされる[7]
導入経緯
開発までの推移.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}置換え対象のC-1。当初仕様のままの航続距離が要件の変化に対応できなくなった。現行の主力C‐130H

防衛庁(現防衛省)では、国産のC-1(25機)と輸入したC-130H(16機)を戦術輸送機としているが、C-1が耐用飛行時間を迎えるため、後継が検討された。日本国内の航空産業の技術育成の観点から、2000年平成12年)末に中型戦術輸送機の国産化を決定、MPA/P-X(P-1固定翼哨戒機)と同時に開発し、一部部品や治工具の共用によって両機種あわせた開発費を抑えることとされ[8]、その額は両機合わせて3,400億円と見込まれた[9]

平成13年度予算の要求53億円は満額が認められ、2001年(平成13年)初めよりエンジンの選定を開始、また防衛庁技術研究本部(技本)によって研究が行われた。5月25日に航空メーカーを選定する旨を官報にて告示、30日まで希望メーカーを募集した。応募した8社を招いて31日に説明会が開催され、7月31日午後5時を期限として、仕様の提出を行わせたが、1社は希望を撤回した。

主契約では川崎がP-X・C-Xの両機製作を希望、富士重工業が両機製作の新会社設立を提案、三菱重工業はどちらか一方(C-Xを希望)とした。分担生産では、川崎が主翼水平尾翼、富士が主翼・水平尾翼・垂直尾翼・翼胴フェアリング・C-Xのバルジ、三菱が中胴・後胴・垂直尾翼、さらに新明和工業日本飛行機昭和飛行機ジャムコが各部品を希望、計7社が参加を表明した。11月26日に防衛庁は主契約企業に川崎を選定したと発表、「次期輸送機及び次期固定翼哨戒機(その1)」(以下C-X/P-X)契約が締結され、三菱・富士を筆頭に各社が分担生産することとなった。平成14年(2002年)度予算の要求410億円が承認され、開発が開始された。

なお、このとき一部で国産旅客機YSX」と共通化させると報じられたが、2001年末に防衛庁と川崎は共同で否定している。しかし、自社で計画中の125席クラスジェット旅客機(2007年に実現を最終決定)では、P-Xの主翼技術を利用するとしている。また、日本航空機開発協会(JADC)では、平成14年(2002年)度よりP-XおよびC-Xを民間旅客機(100席?150席クラス)へ転用するための開発調査を行っている。
機体開発

開発計画は、設計が平成13年度?16年度、試作が平成15年度?21年度、試験が平成18年度?23年度(2012年3月まで)、契約は毎年度ごとに「その1」から「その7」まで7段階、総開発費は若干増額されて3,450億円とした。三菱が中胴と後胴、富士重工が主翼と垂直尾翼の開発・分担製造を担当している。中型機2機の同時開発と部品共通化は世界的にも珍しい。

2001年(平成13年)度に防衛庁と川崎は「P-X/C-X(その1)」契約を締結し、川崎は社内に大型機設計チーム・MCET(MPA and C-X Engineering Team)を設置、三菱・富士・日本飛行機などの出向を含め約650名によって設計作業を開始した。基本図は技本による技術審査にまわされ、2003年(平成15年)6月12日に「妥当」と判断された。これにより、三面図と性能諸元が想定できるエンジンの範囲内で確定した。翌日からは細部設計の段階に移行し、製造図を2004年(平成16年)に完成させた。また、6月には岐阜県岐阜工場に自社最大規模のハンガーが竣工、C-Xの製造をここで行い、将来の旅客機製造も視野に入れている。12月2日に岐阜工場内でP-X/C-Xの実大模型を公開した[10]

地上試験用の2機(#01・#02号機)と飛行試験機2機(1・2号機)をまず製造、2003年(平成15年)度の「C-X/P-X(その3)」により、静強度試験用機体(#01号機)の製造が開始された。2005年(平成17年)には富士重工から#01号機用の主翼が納入、川崎で組み立てられた#01号機は2006年(平成18年)3月15日に防衛庁に引き渡された[11]。#01号機は空自岐阜基地の第2補給処内に新設された強度試験場で再組み立ての後、耐久試験が行われていた。この静強度試験において、防衛省は2007年(平成19年)7月30日に、C-Xの水平尾翼の変形、主脚及びその付近の胴体構造の一部に変形及び接触、胴体の床構造の一部にひび・変形といった不都合事象が複数発生したと公表した[12]。このため、各部の改設計が行われることとなったが、三菱が担当した中部胴体の改善に予想外の時間がかかったことから、その後の計画に遅れが生じた[13]

2004年(平成16年)度契約の「C-X/P-X(その4)」により、飛行試験機1号機(機体番号:08-1201)の製造が開始され、2007年(平成19年)3月6日にロールアウト、地上での整備と試験を経て、同年夏に初飛行予定であった。しかし直前の2月に、輸入した米国製のリベット(長さ13.5mm)に強度不足が判明し、使用箇所の確認(数千箇所)と交換、再検査をする必要があるためロールアウトは延期された[14]。防衛省航空機課が6月7日に発表した調査結果によれば、交換が必要なリベット数は3663点に上り、ほとんどのリベットは川崎によって交換され、369カ所の交換不能な不適合リベットについては、周囲のリベットをより強度の大きいファスナー類に交換することで処置。別の手段を用いた補強が37カ所、あて板を用いた補強個所が2カ所で、航空機課ではこの改善処置により、機体強度の問題点は解消されたとしている[15]白地に赤いストライプの塗色が特徴の試作1号機量産機と同じ塗色の試作2号機

2007年(平成19年)7月4日にロールアウト(完成披露式典)が行われたが[16]、静的強度試験機の不都合発生により、一日の作業量を増やすなどして9月中に繰り下げて行う予定だった初飛行は、早くて12月とされたが、年内の飛行は達成できなかった。また2008年(平成20年)3月31日に防衛省へ納入される予定であったが、不具合箇所が広範囲に及ぶため、初飛行は早くて同年夏以降とされた。C-X量産機の調達開始は2008年度予算では見送られ、事前に1年繰り下げたため(後述)、スケジュールには余裕があるが、防衛省では川崎に対し違約金の請求を検討するとしていた。開発の遅れにより、2009年(平成21年)度予算での調達も見送られた。

2005年(平成17年)度契約の「C-X/P-X(その5)」により、疲労強度試験機(#02号機)の建造が開始された。2006年(平成18年)度契約の「C-X/P-X(その6)」では飛行試験機2号機が建造される他、空中受油機能と暗視装置対応機器が新たに追加される。2007年(平成19年)度の「C-X/P-X(その7)」が最終契約となり、一連の開発は冒頭の通り、2012年(平成24年)3月の完了を予定していたが、試験の進捗により蓄積されたデータ等を踏まえて強度の再計算を行い構造上補強を要する部位が複数確認された。これを受けて所要の措置を施すために開発期間を1年間延長し平成26年度までとすることが決まった。

2010年1月26日、試作初号機の初飛行が行われ、3月30日に防衛省へ納入された。

2014年1月7日、岐阜基地で機体の強度を確認する地上試験中に貨物扉が脱落する不具合が発生。機内の圧力を、通常の運用で想定される上限よりも1.5倍にまで高めようとしたところ、1.2倍に加圧した段階で機体後部の貨物扉が破損し、一部が脱落したという[17]

2014年7月4日、防衛省は加圧試験中に扉が外れた原因について、試験機後部のフレーム強度が不足していたことを発表。再度試験のため平成26年度末に予定していた部隊配備を2年間延期することを発表した。再試験には400億円の追加予算が必要とされた[18]

2014年11月以降、1月の機体構造地上試験中に発生した不具合対策として、試作1号機に対し量産機と同じ胴体への交換作業を実施[19]

2015年10月。機内の圧力を通常の運用で想定される上限よりも1.35倍まで高め、強度に問題ないことが確認された[20]

2016年2月24日、胴体交換作業完了により、防衛装備庁が川崎重工業岐阜工場において防衛装備庁のロゴをまとった試作1号機を受領。今後は岐阜基地において性能確認試験等を実施する予定[19]

2016年3月、正式採用される見込みであることが報じられた[6]

2016年5月17日、C-2量産初号機「68-1203」が岐阜基地で初飛行に成功した[21]

2016年6月30日、川崎重工は同社岐阜工場で航空自衛隊向けC-2輸送機量産初号機「68-1203」を、防衛省に納入したと発表した[22]
開発完了と部隊配備

防衛省は2017年3月27日、C-2の開発を完了したと発表した[4][23]。3月28日には鳥取県美保基地第3輸送航空隊 第403飛行隊にC-2が3機配備され、3月30日には配備を記念した式典が行われた[24]。2018年9月まで運用試験を実施し[25]、2022年4月現在、美保基地の第403飛行隊に10機、入間基地の第402飛行隊に3機の量産機が配備され、人員や物資の航空輸送など各種任務に使用されている。
年表2000年(平成12年)

次期輸送機(C-X)・次期固定翼哨戒機(MPA/P-X)の国内開発を決定。
2001年(平成13年)

5月25日 - 防衛庁が官報にて、30日まで契約希望メーカーを募集すると告示。


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