この項目では、ソフトウェアについて説明しています。その他の事物については「ブレンダー」をご覧ください。
Blender
Blender 3.3.0 LTS
開発元Blender Foundation
初版1998年1月1日 (26年前) (1998-01-01)[1]
最新版4.1.0[2]
Blender(ブレンダー)はオープンソースの統合型3DCG製作、2Dアニメーション製作、VFX向けデジタル合成、動画編集ソフトウェアである。
Blenderにはそれぞれの用途に特化したファイルテンプレートが用意されており、3DCG[注 2]では3Dモデリング、モーショングラフィックス、アニメーション、シミュレーション、レンダリング、ポストエフェクト(コンポジット内)などの、2Dアニメーション[注 3]ではベクターペイントや中割り[4]や撮影処理などの、VFX向けデジタル合成[注 4]ではキーイングやロトスコープ(マスキング画面)やマッチムーブなどの、動画編集[注 5]ではプロキシ編集などの作業が可能となっている。 Blenderは一般的な3DCGソフトウェアと比較すると軽量かつ多機能ながらライセンス料が無料なことから、アマチュア層にも普及している[5]。 操作面ではバージョン2.7x系までは「オブジェクト(個々の3Dモデル)は右クリックで選択」が基本という、他の大半のソフトウェアと異なる点が特徴の一つであったが、バージョン2.8x以降は「左クリックで選択・右クリックでサブメニュー」という、一般的なソフトウェアの操作が標準になっている[注 6]。 元々ネットワークドライブを使ったファイルの共有は可能となっていた(例えばWindows版ではUNCパス(「\\コンピュータ名\共有フォルダ名」)に対応[6])。 その後、3.0でアセットブラウザ機能が搭載されアセットの共有が容易となり[7]、3.1でアセットの索引付けが行われるようになってアセット一覧の読み込みが高速化された[8][9]。 また、マルチユーザー同時操作が可能な外部アドオンのUbisoft Mixerアドオン[10][11]やMulti-userアドオンなども存在している。 BlenderはWindows(バージョン8.1、10、11)、macOS(11.2以上)、Linux (glibc 2.28以上) など複数のOS環境上で動作する (クロスプラットフォーム)[12]。ダウンロード可能なバイナリにはポータブル版 (Windowsでは.zip、Linuxでは.tar.xz) 、インストーラー版、各ストア版(Microsoft Store/Snap Store/Steam)が用意されている。 Blenderはグラフィック向けワークステーションが必要なプロ向けソフトと比較すると負荷が低いため、一般向けのPCにビデオカードを追加する程度で始めることができる。動作には10年未満の新しいハードウェアが推奨されている (下記の最小動作環境参照)[12]。グラフィックカードについてはプロ向けの3DCGソフトウェアで推奨されるNVIDIA Quadroより、ゲーム向けであるNVIDIA GeForceの方が、世代は最新よりも1世代前の方がレンダリングが速いという結果もある[13]。 BlenderのUIは3ボタンマウス及びペンタブレットに最適化されている。2ボタンマウスやトラックパッドでは内蔵の3ボタンエミュレーション機能を使う必要がある[14][15]。またBlenderは3Dマウス (NDOFデバイス) にも対応している[15]。 部品最小動作環境[12]推奨動作環境[12] 2.83以降にはVR表示に対応するVR Scene Inspectionアドオンが搭載されている[16]。この機能にはOpenXR対応のヘッドマウントディスプレイ (HMD) デバイス (OpenXR#対応ハードウェア参照) が必要となる[17]。 3.0以降は入力デバイスによるナビゲーションにも対応したものの、2021年12月現在、オブジェクト操作にはxr-controller-supportブランチが必要となる。 3DCG業界やアニメ業界ではMayaや3ds Maxなどプロ向けのソフトが標準となっているが[18]、近年では機能が強化されたことで利用する動きもある[19]。
特徴
コラボレーション
対応ハードウェア及び推奨環境
CPU64ビット 4コア(SSE4.2対応)64ビット 8コア
DRAM8 GB32 GB
GPUVRAM 2GB、OpenGL 4.3以上またはMetal 2.2以上VRAM 8GB
ディスプレイFull HD(1920px×1080px)以上
ポインティングデバイスマウス、トラックパッド又はペンタブレット3ボタンマウス又はペンタブレット
VRVR Oculus Tram Station
スタジオにおける導入状況
アニメ制作会社・カラーと、その子会社であるプロジェクトスタジオQは、従来使用してきた3ds MaxからBlenderへの移行を進めており、2021年7月に公開終了(終映)した『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』においてもBlenderの「実地検証」を実施している[20]。また、両社はBlender財団への賛同と開発資金の提供を発表した[21][22]。
2018年公開のネクスト ロボではBlenderが全面的に使用された[23][24]。
Goodbye Kansa Studioは、Unity の Adam デモ、Walking dead season 8などでblenderを採用した[25]。
Ubisoft Animation Studio は2020年より社内の3Dソフトウェアを全面的にblenderに移行することを表明した[26]。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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