BONES -骨は語る-
Bones
ジャンル犯罪捜査
科学
原案ハート・ハンソン
『BONES -骨は語る-』(ボーンズ -ほねはかたる-、英語: Bones)は、アメリカ合衆国の1話完結型の犯罪捜査ドラマ。「ボーンズ」と呼ばれる女性法人類学者テンペランス・ブレナンを主人公に、現場に残された被害者の“骨”から証拠を見つけ、事件を解決に導いていく姿を描く。原案は法人類学者で作家のキャシー・ライクス(英語版)で、主人公のモデルでもある。
2005年9月13日、FOX系列で放送開始[1]。長期に渡って放送されてきたが、全12話構成のシーズン12(2017年放送)をもって放送終了することが決定し、[2][3]2017年3月28日に最終話となる246話が放送され完結した。[4]
日本では、スカパー!ほかのFOXチャンネルにて2006年7月に字幕版、2007年1月に吹替版を放送開始。地上波では第1シーズンが2008年12月よりTBSで、第2シーズンが2009年10月よりテレビ朝日で放送された(共に吹替版)。2012年3月からはDlifeにて吹替版と字幕版の放送が開始されている。
日本語版DVDおよびDlife、Disney+での邦題は『BONES -骨は語る-』である。
第3シーズンより、エンディング曲が変更されている。また、第8シーズンより、テーマ曲のアレンジが新たに変わっている。第11シーズンの第5話では『スリーピー・ホロウ』の第3シーズン第5話とのクロスオーバーエピソードが製作された。
スピンオフ作品として、『ザ・ファインダー 千里眼を持つ男(英語版)』が2012年よりFOX系列で放送を開始したが、シーズン1全13話で放送終了。本作では、第6シーズンの第19話にて登場している。
登場人物
メインキャラクター
テンペランス・ブレナン (Temperance Brennan) 博士
演 - エミリー・デシャネル、日本語吹替 - 湯屋敦子「骨から人物を特定すること」を専門とする、有能で高名な法人類学者。ワシントンD.C.にある合衆国最高峰の法医学研究所・ジェファソニアン研究所勤務。普段は遺跡から発掘された人骨やミイラの鑑定などを行っているが、変死体や白骨遺体が発見されるなどして遺骨の調査が必要な事件が起きると、FBIからの要請を受け、事件の現場に赴いたり遺体の鑑定を行ったりする。FBI捜査官のブースとコンビを組んで犯罪捜査にあたり、次第に良き相棒になってゆく。骨を見ただけで、年齢・性別・人種や病歴はもちろん、場合によっては生前に興じたスポーツや生前の持ち物まで判別できる。非常に明晰な頭脳と極端に科学者的な思考回路を持ち、論理で説明がつかない事をとことん嫌う。そのため、確固たる証拠を伴わない推測、主観、直感的な判断、及び非科学的なものや宗教などに対して、否定的な態度を取る事が多い。また、物事の事実だけを客観的に捉え、相手の感情などは無視して率直に言葉にする事が多く、仕事仲間以外の人間からは反感や理解を得にくかったりする事もある。自己主張も強く、自分の意見は絶対に曲げず場の空気を乱しがちである。劇中で明確に示されてはいないが、アスペルガー症候群である。これは製作総指揮のハンソンの知人で、実在の発症者をモデルにしている[5]。以上のような性格・性質から、ブレナンに理解のあるブースや研究所の仲間などが必死で周囲へのフォローにあたる事が多かったが、最近では本人もその欠点を自覚しており、自ら発言を訂正したり、人並みにジョークを飛ばしてみたりもするようになっている。特に彼女とは対照的な感情型のブースとコンビを組んだ事で、今までした事のなかった物の見方や初めて抱く感情に出会い、ブレナンが少しずつ変化していく様子が作品を通して描かれる。心理学も知識としては知っているものの、人間の心情というものが根本的に理解できていない。非科学的だからという理由で心理分析の有用性も認めずにいたが、それが結果として度々仲間を危機に陥れる事になってしまう。また心理学及び心理学者への否定的な言動は相変わらずであるが、第5シーズンでは心理学者に「既に苦しみから解放された死者の謎を解くよりずっと尊い仕事だと思う」と法人類学を否定するような言葉で言い返されてしまい、また精神病院の壮絶さを目の当たりにした事もあって、考えを少し改めている。外見は大変美しく素晴らしい骨格をしている。しかし、他人の容姿の醜美については客観的な判断はするものの興味はあまりないよう。そのためか美容整形を嫌悪しており容疑者の美容整形外科医に「貴方は彼女の個性を潰した」と罵っている。作中には彼女と"関係"のあった人物が登場する事も多い。武術にも長けており、単身のギャング相手なら圧倒するほどの腕前。そのため、犯人の手首を折ったりするなどをし、幾つかの件で暴行罪で訴えられている。全米ライフル協会の会員でもあり、ブースと現場に同行する際は、何かと銃を携行したがる。シリーズを通して幾度か犯人を銃撃および射殺している。また、ブースの制止をきかずに金属錠へ発砲し、跳弾で彼に怪我を負わせた事もある。作家としての一面も持ち、デビュー作の「BRED IN THE BONE」は30万部を売り上げるベストセラーとなり映画化の話も持ち上がったほど。そのため、一般の人々にも彼女の名前は認知されている。彼女の幼少期に一家は名前を変え、それに従い彼女もテンペランス・ブレナンと名前を改めたが、出生名はジョイ・キーナンである。両親のマシューとクリスティンは彼女が15歳のクリスマスに失踪。兄のラスは直後に就職したためにブレナンだけが里子に出される事になり、祖父に引き取られるまで里親の間を転々とし、養父母からいじめにも遭っていた。その事が原因で、自分は兄に捨てられたと感じたブレナンは以降ずっとラスを避け続けていた。第1シーズンの第22話「マルコとポーロの再会」で、母クリスティンの白骨化した遺体が自らが働くジェファソニアン研究所の身元不明者の遺骨保管庫に保管されていたことを知る。そして、両親が他人になりすました貸金庫専門の強盗だったという秘密が明らかになる。ブレナンは両親の失踪を兄のせいだと思い、自分たちの名前が偽りだと知っていて黙っていたラスを責めてしまう。然し、その言動に傷ついたラスに“お前は俺を捨てた”と言われ初めて自分の過ちを悟った。第2シーズンでは徐々に彼女の家族の現在と、失踪にまつわる謎が解き明かされていく。離婚歴が一度ある。そもそも結婚という制度の価値自体に懐疑的であり、結婚願望のあるブースとは意見が対立する事も。ある時テレビを持ち出そうとした元夫を泥棒と勘違いし、テレビを元夫ごとバットで殴って壊してしまう。それ以降、テレビを所有しておらず、以前に増して世間の話題やテレビ番組に疎い。第5シーズン終了後、発掘調査のためマルク諸島へ旅立つ。ブレナンの推薦状により調査団に入ったデイジーも一緒である。第7シーズン最終回にて殺人容疑をかけられ娘と共に逃亡生活を送る事になる。髪の色も名前も変え、娘と逃亡していたが、真犯人に繋がる新証拠があがると再び捜査に加わり、真犯人の逮捕とともに復帰した。
シーリー・ブース (Seeley Booth) 捜査官
演 - デヴィッド・ボレアナズ、日本語吹替 - 木下浩之FBIの殺人捜査班の特別捜査官。予備役軍人(陸軍曹長)であり、陸軍(第75レンジャー連隊)のスナイパーであった。フィラデルフィア出身(第4シーズンより)。ブレナンとは相棒関係にあり、客観的・合理的な彼女に対して、人間的な心情の重要さを説く事が多い。遺体の損傷が激しい事件を担当する際に、骨から証拠を得るためにジェファソニアン研究所の援助を求める。FBIからの公式連絡員としてジェファソニアン研究所のIDを所有している。科学者を「スクインツ(目を細めるやつら)」と呼ぶため、科学者たちから時々反感を買っている。ブレナンのことは「ボーンズ(BONES)」と呼ぶ事が多いが、重要なことを言う時などは稀に「テンペランス」と呼んでいる。2人で現場に出向くことも多く、幾多の事件やそれに伴う困難を乗り越えることで、互いに深い信頼関係で結ばれている。事件を目撃者や容疑者を通じて解明しようとする古いタイプの刑事だが、それゆえ直感的に人の本性を見抜く洞察力は鋭い。然し、相手がギャングなどの場合は、証拠などを調べることなく先入観で事件の犯人だと決めつけたり、情報を得る相手が不法移民の場合などは脅迫して情報を引き出そうとする面もある。軍隊にいた経験から、拷問にも耐えうる非常にタフな肉体と精神力を持っている。反面、自ら多くの人の命を奪い、戦場で仲間の最期を看取った事がトラウマとなり、突発的に非社会的な行動を取る事がある。特に、任務遂行中、自分が指示を的確にしなかったので部下のテディ・パーカー伍長(日本語吹替:浪川大輔)を死なせたのではないかと苦しんでいた。それは“墓堀人”に誘拐された折、幻覚となって現れたテディが「自分が死んだのは貴方のせいじゃない」と告げるまで続いた。また、ピエロ恐怖症であり、街中で発砲してしまった事もある。それを問題視した上層部から、精神科医ゴードン・ワイアット(日本語吹替:金子由之)のセラピーを受けるようにと命じられた。