BLOOD THE LAST VAMPIRE
ジャンルホラー、アクション
映画
原作Production I.G
監督北久保弘之
脚本神山健治
キャラクターデザイン寺田克也
メカニックデザイン松本淳
音楽池頼広
制作Production I.G
製作SPE Visual Works Inc.
I.Gプラス
ソニー・コンピュータエンタテインメント
通商産業省
配給ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
封切日2000年11月18日
上映時間48分
テンプレート - ノート
プロジェクト映画・漫画・アニメ・ゲーム
ポータル映画・漫画・アニメ・ゲーム
『BLOOD THE LAST VAMPIRE』(ブラッド ザ ラスト ヴァンパイア)は、2000年から展開されたProduction I.GおよびI.Gプラス共同制作のメディアミックス作品群。
「恐怖」をテーマにした物語となり、少女と怪物が繰り広げる戦いを描いたシリーズ初のホラーアクション作品である[1]。 映画監督の押井守が若手企画者育成のために開いた「押井塾」に参加した神山健治、藤咲淳一が提出した企画を起点とするメディアミックス作品[2]。2000年にアニメーション映画とゲーム、2009年に実写映画が制作されたほか、小説や漫画も発表されるなど、マルチメディア展開を果たしている[2]。2005年と2011年には世界観を共有するテレビアニメ(『BLOOD+』、『BLOOD-C』)も制作された。「少女」、「怪物」、「日本刀」を共通要素とするが、それ以外は各作品に繋がりは無い。 映画監督のクエンティン・タランティーノはアニメ映画のファンであり、代表作の1つ『キル・ビル Vol.1』(2003年公開)ではアニメパートの制作をProduction I.Gに依頼している。 BLOOD THE LAST VAMPIRE 2000年11月18日に劇場公開されたProduction I.G制作のアニメーション映画。監督は北久保弘之[3]。ベトナム戦争中の横田基地を舞台に、セーラー服姿で日本刀を手に怪物を狩る謎の少女・小夜の戦いを描いたアクションホラー作品[3]。キャラクターデザインを寺田克也、脚本を神山健治が手掛け、押井守が企画協力で参加している[3]。 経済産業省が情報処理振興事業協会(IPA)を通じ、マルチメディアコンテンツ振興協会(MMCA)に委託した「先導的コンテンツ市場環境整備事業」で採択された事業の一つとして制作されており、製作費の一部を国が負担している[4]。 Production I.G初のフル・デジタルアニメ制作の作品[2][5][注 1]。日本のアニメのデジタル制作のブレイクスルーにあたる作品のひとつで、2Dアニメの中で3DCGを活用する流れの発端となった[2][7]。一見2Dアニメでありながら、それまでにないカメラワークを取り入れた、実写顔負けのリアルな質感と空間を感じさせる新しい映像となっている[2][8]。また、画面設計の江面久と原画マンおよびビジュアルエフェクト担当の一人として参加した磯光雄[注 2]が、本作品で導入されたAdobe After Effectsを用いて実写並みの照明効果や空気感を活かした様々な視覚効果を開発している[7]。 ストーリーはあってないようなもので、「少女がただひたすら日本刀で化け物をぶった切る」という作品であるが、デジタルエフェクトを駆使した実験映画的な側面やクオリティの高い映像を生み出した美術・演出が高く評価された[2][3]。また、「セーラー服姿の女子高生が日本刀で怪物を斬る」というビジュアル的インパクトは話題を集め、海外からも大きな反響を得た[3]。中でも、本作を気に入ったクエンティン・タランティーノが、2003年公開の映画『キル・ビル Vol.1』において、栗山千明演じるセーラー服姿の殺し屋「ゴーゴー夕張」を生み出し、アニメパートの制作をProduction I.Gに依頼したという話は有名である[2]。 舞台が横田基地であることから登場キャラクターの多くがアメリカ人であり、台詞は英語が基本で、そこに日本語字幕が付いている[2]。 物語の舞台は1966年秋の日本。ベトナム戦争真っ最中の米軍・横田基地の周辺では、不審な自殺が相次いでいた[11]。その原因は、人間社会に身を潜める"翼手"と呼ばれる吸血鬼であった[2]。そんな中、地下鉄・銀座線の浅草行最終電車内で中年の男が一人の少女の存在に気付き、逃げようとする[11]。セーラー服にお下げ髪、手にはその姿には似付かわしくない大振りの日本刀を握る彼女こそ、翼手を狩ることを宿命付けられた、組織が「唯一のオリジナル」と呼ぶ少女・小夜(SAYA)であった[2]。中年の男に擬態している「翼手」を倒した少女は、横田基地への潜入を命じられる。 同作品は、1996年にProduction I.Gに押井塾が結成された事に端を発する[12]。押井塾は、人を育てた事が無い押井守が、暇つぶしと恩返しを兼ねて結成したとaniplex社のインタビューにて神山健治が答えている。同塾には、押井作品に携わった制作チームとProduction I.Gの将来有望な若手が集った精鋭部隊と化した。 毎回提示されるテーマにそって企画の提出が課題とされ、第八回の8月22日に提示された課題は「吸血鬼」であり、神山が提出した企画が「LAST VAMPIRE Desmodus rotundus」であった。同塾の藤咲淳一はBLOOD THE LAST VAMPIREの世界観や設定は、神山が提出した企画に既に詰まっていたと証言している[13]。さらに、前出の藤咲淳一が第七回の課題に提出した月光鬼譚を元に物語り主人公の小夜が作られた。なお、この際に小夜の誕生日設定は、押井守の誕生日と同日に設定してあるという[14]。 9月11日のProduction I.G押井塾の第二回合宿の際に、神山が提出した当初企画と、藤咲が提出した月光鬼譚、さらに別途に神山が徹夜して書き上げたLAST VAMPIREらを元に、合宿に参加していた押井守と北久保弘之らで激論が交わされ構想が練られていった。この激論はほとんど徹夜であり合宿に参加していた藤咲は「あの場にいたら、押井さんと北久保さんに圧倒される」、神山は「喋りで、その隙間に入るのが、難しい」と証言するほど激しいものであった[15]。 当初、神山や藤咲およびその他大勢の押井塾若手らによって通常業務の合間を縫って製作される内部向け作品であったが、途中試作レビューにおいて極めて高く評価され、後に3年の年月と複数人の参加・協力を経て公開作品化される事となる。 BLOOD THE LAST VAMPIREジャンル
概要
アニメーション映画
監督北久保弘之
脚本神山健治
原作Production I.G
製作総指揮白川隆三、佐藤明、石川光久
音楽池頼広
撮影佐久間未希
編集奥田浩史
制作会社Production I.G、I.Gプラス
製作会社SPE Visual Works Inc.、I.Gプラス、ソニー・コンピュータエンタテインメント
配給ソニー・ピクチャーズ
公開2000年11月18日
上映時間48分
製作国 日本
言語日本語
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あらすじ(アニメ)
登場人物(アニメ)
小夜(SAYA)
声-工藤夕貴日本刀を手に翼手と呼ばれる吸血鬼と戦うセーラー服姿の少女。人間社会に潜む吸血鬼を倒すべく、ある組織が送り込んできた[8]。
デイビッド
声-ジョー・ロメルサ小夜をサポートする中年の白人男性。
保健医
声-中村佐恵美
ルイス
声-スチュアート・ロビンソン
シャロン
声-レベッカ・フォースダット
ママ
声-小家山晃
教師
声-トム・ファーン
SP
声-フィッツ・ヒューストン、スティーヴン・ブルーム
警官
声-千田光男
校長
声-ポール・カー
風俗嬢
声-大坂史子、高山佳音里
取調官
声-チャック・キャンベル
店員
声-星野亘、平田広明
客
声-北川勝博
ラジオアナウンサー
声-デイヴ・マロウ
地下鉄アナウンサー
声-小野健一
スタッフ(アニメ)
製作総指揮 - 白川隆三、佐藤明、石川光久
原作・企画 - Production I.G
企画協力 - 押井守(押井塾)
監督 - 北久保弘之
脚本 - 神山健治
演出・システム設計 - 高木真司
キャラクターデザイン - 寺田克也
メカニックデザイン - 松本淳
設定協力 - ねこまたや
作画監督 - 黄瀬和哉
作画監督協力 - 井上俊之、西尾鉄也
画面設計・エフェクト作画監督 - 江面久
美術監督・照明効果 - 竹田悠介
美術設定 - 加藤浩
色指定 - 井上佳津枝
3D監督 - 木船徳光
特殊効果 - 村上正博
撮影 - 佐久間未希
編集 - 奥田浩史
音響監督 - 百瀬慶一
音楽 - 池頼広
プロデューサー - 長崎行男(SCEI)、三本隆二(PRODUCTION I.G)
アシスタントプロデューサー - 森下勝司
制作 - Production I.G、I.Gプラス
制作協力 - IPA、MMCA
製作 - SPE Visual Works Inc.、I.Gプラス、ソニー・コンピュータエンタテインメント、通商産業省
企画(アニメ)
関連商品(アニメ)
映画公開時:メイキングDVD
『Making of BLOOD THE LAST VAMPIRE』
2000年11月:サウンドトラックCD
2001年4月:DVD-BOX、DVD通常版、VHS
DVD-BOXは、通常版Disk、デジタルリマスター版Disk、特典Diskの3枚セット
2001年11月:デジタルリマスター版DVD
2009年5月:Blu-ray Disc(アニプレックスより発売)
評価(アニメ)
第4回(2000年度)文化庁メディア芸術祭アニメーション部門 大賞受賞。
第55回 毎日映画コンクール 大藤信郎賞 受賞。
第15回 高崎映画祭特別賞
カナダ ファンタジア国際映画祭 観客賞受賞。
第29回 2001年 アニー賞 映画部門 作品賞 ノミネート。
コンピュータゲーム
アドベンチャー
ホラー
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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