BLAME!
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BLAME!
ジャンル
SFアクション
漫画
作者弐瓶勉
出版社講談社
掲載誌月刊アフタヌーン
レーベルアフタヌーンKC
KCデラックス アフタヌーン
(新装版)
発表号1997年3月号 - 2003年9月号
巻数全10巻
全6巻(新装版)
OVA:BLAME! Ver.0.11
原作弐瓶勉
監督井之川慎太郎
脚本関島眞頼
キャラクターデザイン渡辺明夫(第1・2話)
長野伸明(第3 - 6話)
音楽小野川浩幸(第1・2・4 - 6話)
KIYOSHI(BORN'S)(第3話)
アニメーション制作グループ・タック
製作e-RECORDS
発売日2003年
アニメ:BLAME! 端末遺構都市
原作弐瓶勉
監督瀬下寛之
脚本瀬下寛之
キャラクターデザイン中村郁美
音楽高橋哲也
アニメーション制作ポリゴン・ピクチュアズ
製作東亜重工動画制作局
放送局毎日放送ほか
放送期間2015年5月30日 - 同日
その他『シドニアの騎士 第九惑星戦役
第8話「再会」内でショートアニメ
として放送
映画
原作弐瓶勉
監督瀬下寛之
脚本村井さだゆき
キャラクターデザイン森山佑樹
音楽菅野祐悟
制作ポリゴン・ピクチュアズ
製作東亜重工動画制作局
配給クロックワークス
封切日2017年5月20日
上映時間105分
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『BLAME!』(ブラム!)は、弐瓶勉による日本のSFアクション漫画作品。月刊アフタヌーン講談社)にて1997年3月号から2003年9月号まで連載された。話数カウントは「LOG-○」または「LOG.○」。
概要

弐瓶勉による初の長編連載作品であり、『月刊アフタヌーン』1995年10月号に掲載された短編作品『BLAME』(ブラム、「!」が付いていない)を元に、同誌1997年3月号[注 1]から2003年9月号まで連載された[注 2]

弐瓶いわく、一番こだわったものは建物であり、全体像がわからないほどの巨大建築物を中心に据え、誰が見ても初めての作品を作ろうとしたという。スケール感を出すために人物を小さく描き、ある意味、『BLAME!』の主人公は建物かもしれないと述べている。また、情報は最小限にとどめ、後は読者に想像してもらう方がリアルだとしている。当作品の話は、大きな世界の片隅で起こった小さなエピソードであり、あの世界では日常的に起こっている事件の一つだという。[1]

2017年現在までに、様々なメディア展開がなされている。
世界観

遥か超未来、都市は複雑高度に階層化され、都市環境は堅牢な『超構造体』に内蔵された『システム』により支えられていた。コンピュータ・ネットワークは極限まで発達し、『統治局』により管理された一大ネットワーク社会『ネットスフィア』は、実社会と同じか、それ以上へと拡大し、ネットワークへの正規アクセスを可能にする『ネット端末遺伝子』の保有そのものが市民権と同義となる。人類の生存圏はネットワーク・スペースへと置き換わり、仮想空間の事象を現実世界へ反映させるなど、理想の世界を構築した。

しかし、『災厄』によりネットスフィアは機能不全に陥り、『珪素生物』による感染症の蔓延により人々からネット端末遺伝子が失われたことで、ネットワーク社会は崩壊する。制御が失われた『建設者』により際限なく拡張され続ける都市構造物は、やがてその惑星系すら内部に取り込み、不安定な連結がネットのカオスを加速させる。ネットスフィアの防御機構である『セーフガード』は、管理規定にのっとりアクセス権のない人類を不法居住者として排斥し続け、珪素生物はネットの機能回復を阻止すべく人類を襲撃する。人々は繁栄の記憶を忘れ、全てが壊れた世界の片隅で短い生を生きる。人類の黄昏の世界が舞台である。

主人公の『霧亥(キリイ)』は、正常な『ネット端末遺伝子』を持つ人類を探すべく、ネットスフィアの機能不全を維持しようとする珪素生物の襲撃を退けながら巨大な階層都市を探索し続ける。
登場人物
主要人物
霧亥(キリイ - Killy)
本作の主人公。感染前のネット端末遺伝子を求めて探索を続ける人物。成人男性の容姿を持ち、自覚的には人間であり成長した記憶もあるが
[2]、入出力インターフェイスを身体に持つなど高度にサイボーグ化されており[3]、人間を遥かに凌駕する身体能力や戦闘力を持つ。ほぼ確実に不老不死であり[3]、不死身[4]。寡黙で無表情ではあるが、不屈の精神力を持ち、身を呈して人を助ける様も見せる。1000年以上は生きているとされるが、その自覚というか「記憶」はなく[3]、物語序盤では網膜表示情報の理解といった「機能」も失われていた。序盤では、敵を挑発する、感情を昂らせて銃を乱射し息を弾ませる、危機的状況で焦燥感を見せるといった常人に通じる描写も多いが、サナカンとの戦闘時に針状の射出物でナノマシンを打ち込まれ、機能の「修復」によって物事のスキャニングができるようになってからは、表情は更に乏しくなり口数も極端に少なくなる。また、同時期から容姿の変化も大きくなり、物語中盤以降の姿は、序盤よりかなり頭身が高くなり四肢も長くなっている。統治局によれば正体はセーフガード以前の「システムの密使」であり、システム内に組み込まれている「安全装置」との関連があるという[5][2]。セーフガードにも情報が引き継がれ登録されており、ネットスフィアが完全に機能していた時代には警察官のような仕事をしていたのだろうとされ、後に珪素生物となる犯罪者達をはじめ、ネットを悪用する者達と酷く対立していたという[3]。そのため作中でも珪素生物には容赦がなく、敵対する者はもちろん、空間観測を行っていた交戦の意思を示さないものも躊躇なく射殺している。ネットスフィア崩壊前は脳の記憶容量の限度をカバーするために、何かしら記憶を残す手段を取っていたとされるが、作中ではそれが使えず、ゆえに記憶がないという[6]。この世界のシステムそのものと身体データ/エネルギーのやり取りが可能で[4]、レベル9セーフガードユニットの攻撃により身体質量の40%を損失した際にも、長い期間をかけ自己修復し復活する[4]。また、修復がスタートする前の作中の映像は霧亥が見た「夢」であり、人間から最初の「戦闘用改造」ないし、それ以後に「生まれ変わった」時の記憶だという[2]。珪素生物、セーフガードとの決戦を経て、レベル9が生成した「胚」を手にし、さらに遠大な旅の果てに、物語の終幕でネットスフィアを救う存在の守り手となる。霧亥の銃「重力子放射線射出装置」はセーフガードの武器であるため、OS的にはネットスフィアに依存しており、通常は霧亥経由でエネルギーを得ているが、手元を離れた際には内蔵ストックのエネルギーにより射出される[7]。また、エネルギー供給順位は相当に高いために、気にすることなく撃てるのだという[7]
シボ(Cibo)
序盤で霧亥と出会い、その後行動を共にする女性。元は「塊都」の企業「生電社」の主任科学者。かつて、ネット端末遺伝子の合成実験によりネットスフィアへの接続を試みるも失敗し、その責めを負って生電社の地下に腐敗するまで幽閉されていた。生電社の頭取と対立しており、霧亥に助けられて以降、行動を共にするようになる。人格はデータ化されており、初登場時は半ばミイラ化し損壊した死体の姿で登場するが、作中で三回にわたって体を乗り換える(生電社のサイボーグ体→サナカンの構成体→「異なる世界線」から来たもう一人のシボのサイボーグ体)。生電社脱出時は長身痩躯でプラチナブロンドの髪を持つ女性サイボーグ体を使用し、体格の異なるサナカンの構成体に乗り換えてもその姿を模した。高い情報処理技術と知識を兼ね備えており、未知の体への理解も早く、霧亥を電子的にサポートする。科学者として強い知的好奇心を持つ一方、良心や優しさも持ち合わせており、危機に陥った人々を助けようと尽力したり、非人道的な装置を見て表情を歪める姿も見受けられる。非公式階層にて、セウの遺伝子情報サンプルを用いてネットスフィアへの仮接続を試みるダフィネを止めるべくハッキングした際、自身にサンプルの遺伝子データをコピーしていたため、ダフィネが死に際に奪取した最上位セーフガードユニット(レベル9)のデータのダウンロード先となり、身体はレベル9の素材となって溶解、自我もほぼ消失してしまう。レベル9にシボとサナカンの遺伝子情報を元にした「胚」が生成されていたことで、ネットスフィアを救う存在を産み出す鍵となる。
セーフガード「#用語:セーフガード」も参照
サナカン(Sanakan)
女性型の上位セーフガード(レベル6)。黒髪の成人女性の姿をしているが、初登場時は一般セーフガードに近いスキンヘッド、2度目の登場時は少女の姿に偽装して霧亥達に接触した。右腕に腕一体型の重力子放射線射出装置を装備しており、強大な戦闘能力を誇る。左手には攻撃を無効化および受け流すことができるレンズ状のパーツが装着されており、重力子放射線射出装置の射線を逸らすこともできる。シボに体を乗っ取られてからも、シボの隙を突いて表出することがあった。物語終盤、統治局の代理構成体としてレベル9(シボ)の探索及び護衛のために基底現実に派遣されることになる。そうなった経緯としては、上位セーフガードゆえにある程度の「個性」が付与されてはいたが、シボとの10年の共生により、通常の上位セーフガードとは異なる更なるパーソナリティを獲得したことで、セーフガードからはオーバースペックとしてお払い箱になる一方、シボのパーソナリティが残っているレベル9の探索には適しているということから、統治局に呼び出され、派遣される流れになったという[8]。ゆえに、終盤におけるサナカンには当初とは異なる人間らしい「個性」が備わっていることが垣間見える。最後の戦いにてサナカンがセーフガード時と同じ戦闘体を取ったのは、機能的な理由だけでなく、本人的にもあれが本来のダウンロード体と思っているのかもしれないと言われている[8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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