BLACK_BIRD_(漫画)
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BLACK BIRD
ジャンル
少女漫画恋愛漫画ファンタジー漫画
漫画
作者桜小路かのこ
出版社小学館
掲載誌ベツコミ
レーベルフラワーコミックス
発表号2006年8月号 - 2013年1月号
発表期間2006年7月 - 2012年12月
巻数全18巻
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『BLACK BIRD』(ブラックバード)は、桜小路かのこによる日本少女漫画。『Betsucomi』(小学館)にて2006年7月から2012年12月まで連載された。

人間と妖怪との恋愛(異類婚姻譚)をテーマとした物語。物語は4部構成となっており、第一章では主人公と初恋の人である妖怪・天狗の青年との出会い、第二章では主人公と天狗が仲を深める過程、第三章では主人公と天狗が結ばれた後に発生した新たな問題、最終章では主人公と天狗の身に起こった最後の問題とその結末がそれぞれ描かれる。
単行本は全18巻、累計350万部を突破している[1]2009年、第54回(平成20年度)小学館漫画賞少女向け部門受賞。

2009年1月21日に『今様天狗綺譚 BLACK BIRD』のタイトルでドラマCDが発売された。

同年8月4日に英語版の第1巻がビズメディアから刊行された(ISBN 1-4215-2764-2)。
あらすじ

――ずっと待っていた初恋の人は、妖だった…。

幼い頃から、妖怪が見える原田実沙緒。そんな彼女をいつも守ってくれたのは、初恋の人・鳥水匡。

「いつかまた迎えにくるから…」月日は流れ、子供の時に交わした約束どおり、16歳の誕生日の前日に実沙緒は匡と再会する。しかし、そこで実沙緒は自分が「仙果の娘」と呼ばれる特殊な人間だということを知らされる。「仙果の娘」とは妖に力を与えるという特殊な女性で、16歳を境にその力が発現し、仙果の血を妖が飲めば寿命が延び、肉を喰べた妖には不老不死を与え、花嫁に迎えればその一族に繁栄をもたらすと言われていた。そして、いつも実沙緒を守ってくれていた初恋の人・匡の正体は、実沙緒を狙う妖「天狗」だった。

実沙緒と匡は、実沙緒を狙う他の妖達との争いの中で少しずつ絆を深め、遂に結ばれる。しかし、幸せを掴んだ2人をさらなる試練が待ち受けていた。
登場人物

声はドラマCD版 / 演は舞台版のキャスト。
主人公
原田 実沙緒(はらだ みさお)
高橋美佳子 / 演 - 朝倉ふゆな本作の主人公。100年に一度生まれる「仙果の娘」と呼ばれる特殊な人間で、幼い頃から普通の人間には見えない妖怪が見えていた。高校生で、年齢は16歳-17歳(物語開始当初から終盤まで。最終話では23歳)。157cm。9月26日生まれ[2]。16歳の誕生日の前日に、自分の学校に教師としてやってきた初恋の人・烏水匡と再会するが、そこで自分が「仙果の娘」であることと匡が妖怪だったという事実を知らされる。初めは強引な匡を拒絶していたが、仙果である自分の運命や匡の想いを知るうちに匡とともに生きる決意を固める。幼い頃に隣の屋敷に住んでいた烏水兄弟と出会っているが、匡に関するすべての記憶は祥の暗示によって封印されていた。物語後半で匡と結ばれた後、祥に幼少時の記憶を戻してもらった。お酒を飲むとキス魔になる。八大天狗やあやめからは「姫様」と呼ばれている。物語の後半で渡辺頼光が起こした事件の際に、重傷を負った匡の命を助けるために彼に抱かれることで自分の力を分け与えることを決意。匡に「幼い頃の約束(=大きくなったら自分と結婚してほしい)を守って自分を嫁にしてほしい」と自ら頼み、彼と結ばれた。終盤で匡の子供を懐妊したことが判明し、それを期に高校を中退し匡と結婚。しかし、自分を狙ってきた妖怪・鵺から「妊娠した仙果の娘はお腹の子供に精気を吸われ、最終的に出産と同時に死ぬ」事を知らされる。そのため実沙緒を死なせたくないと願っていた匡に子供の堕胎を嘆願され、一時彼と対立してしまったが、「子供を堕胎すれば周囲の妖怪達を敵に回し、匡や八大天狗達にも危害が及ぶかもしれない」と考えたことから子供を産むと決意した。その後は匡に延命の方法を探してもらっていたが、匡が自分だけを生かそうとしていること・彼が自分を想うあまりに死の原因となる子供を憎んで実沙緒の後を追おうとまで思い詰めている事を知り、再び匡と対立してしまう。そのことからストレスを抱えて倒れてしまうが、その際に夢の中で自分の子供に出会い、同時に匡が自分をどれだけ大事に想っていたかを知った。その後、匡に「二人で一緒に生きたい」と自分の想いを打ち明け、彼と和解することが出来た。翌年の春、出産予定日から数日後に匡の子供を出産する。その際生死の境をさまようが、匡が実沙緒から「預けられた」仙果の力を実沙緒に口移しで与える(実沙緒に力を返す)ことで蘇生した。その後遺症か足が不自由になったが、6年後には歩ける程度に回復。その後もリハビリに通い続けており、匡に支えられていることが語られた。
烏水

烏天狗の一族。天狗は高等な妖。長の親衛隊的存在である八大天狗(はちだいてんぐ)は、臣下の中から実力の優れた者を選出する。それぞれ役職名が付けられている。また、男性の天狗には全て「う」で終わる名前,女性には「花」の名前がついている。

役職名は「天狗経」に登場する八大天狗から取られている。
烏水 匡(うすい きょう)
声:子安武人 / 演:松村優烏水一族の長。20歳(最終話では28歳)。183cm。1月9日生まれ[2]。次男で、幼い頃は正式な嫡男・祥の臣下に下ることになっていたが、実沙緒との約束を守り、10年かけて、当主になった。幼い頃兄の祥に傷つけられる実沙緒を守りたいと思い、血のにじむような努力の末に実沙緒のために長になった。実沙緒の学校では副担任であり数学教師。渡辺頼光に調伏されかかって重傷を負った事件がきっかけとなり、頼光の調伏に耐える力を身につけるため実沙緒を抱く決意をする。そして実沙緒と結ばれ、「最強の妖」となったが、それによって他の妖怪達が人間への無差別攻撃を開始する事態を招き、更に反魂の術で蘇った兄と争うこととなり、その末に自らの手で兄を討った。祥との戦いに決着をつけた後、実沙緒の妊娠を知ったのを機に彼女と結婚。しかしその後、実沙緒を狙ってきた妖怪から「仙果の娘は出産と同時に死ぬ」事を聞かされ、実沙緒を死なせたくないと願うあまり彼女に子供を堕胎するよう嘆願したが、実沙緒の強い決意を知って考えを改め、彼女を延命させる方法を探すこととなる。実沙緒を大切に思うあまり彼女だけを生かそうとしており、終盤で父から聞いた「保存の術」を実沙緒にかけて彼女を生かそうとする。更には実沙緒の死の原因になり得る自分達の子供に憎しみを抱き、実沙緒の死後は彼女の後を追って死ぬと決めていた。しかし、後に実沙緒がストレスにより倒れた際に彼女から夢の中で子供に会ったことを打ち明けられ、同時に「バラバラの時間を生きるのではなく二人で一緒に生きたい」と伝えられる。それにより考えを改め、子供が生まれるときまで実沙緒のそばにいる事を決めた。実沙緒の出産後、生死の境をさまよった彼女を助けるために口移しで実沙緒から「預かっていた」仙果の力を返し、その結果実沙緒の命を繋ぐことに成功する。その後は足が不自由になった実沙緒に寄り添い続け、彼女のリハビリにも付き添っていることが語られた。
烏水 祥/僧正(うすい しょう/そうじょう)
声:櫻井孝宏 / 演:神田聖司八大天狗の一人で匡の兄。22歳。180cm。烏水一族の嫡男。弟の匡を凌ぐ力の持ち主だったが、太郎達三兄弟の事件で臣下の心が離れ、跡継ぎの座を追われる。蠱術を得意とする。実沙緒には特別な感情を抱いており、幼い頃によく彼女を傷つけていた。臣下に下ったのちも二度にわたって実沙緒を襲う。後にある事件により僧正の位を剥奪されて蔵に幽閉されることとなった。その後、蔵が崩壊した際に実沙緒をかばって蔵の下敷きになり命を落とすが、何故か遺体は見つからなかった。実は彼の支持者である琅が反魂の術をかけたことにより、生前をしのぐ大きな力を持って蘇生していた。後に匡と実沙緒が結ばれると妖怪を指揮して人間への無差別攻撃を行い、その後匡達がいる天狗の郷に帰還すると同時に自分の支持者達を率いて匡との争いを繰り広げた。その争いの最中に実沙緒に自分の想いを伝え、今までのけじめをつけるべく自分の支持者に「今後は匡に仕える」ことを約束させて弟との一騎討ちに挑んだ。最後は一騎討ちの末に敗北したが、その直後かえでがかけた反魂の術により暴走。実沙緒によって一時的に暴走が止まった後、匡に討ち取られて二度目の死を迎えた。その後は天狗一族に逆らった逆賊と見なされ、死後は墓を作ることも許されなかったことが語られている。実は「仙果録」の結末を知っており、実沙緒を延命させるための方法を独自に探していた。その過程で「仙果の娘は夫となる妖怪にエネルギーを分け与えるのではなく『預ける』のであり、夫が仙果の娘から預かり保存していたエネルギーを返せば仙果の娘は生き長らえることが出来るのではないか」という推測を独自に行っていた(このことは生前祥が書き残していたメモにも記されていたが、断片的な内容だったこともあって匡や楊は「保存」を「保存の術」のことであると間違えていた)。
烏水 楊(うすい よう)
匡と祥の父親で先代当主。51歳。182cm。5年前に姿を消し、音信不能になっていたが匡の屋敷に姿を現した。祥の残虐性を知ったことから彼を次期当主の座から外し、次男の匡を次期当主に推そうとしていた。しかし協力者を募っていた際に偶然にもそのことを知ったゆりが長老達に密告したため計画が露見、当主の座を追われてしまう。その後、妻の行いを知って彼女に手を上げてしまい、数日後に妻の自殺を知って責任を感じ、天狗の郷から姿を消していた。物語の後半で匡達の下へ戻り、実沙緒にはゆりの死の経緯を、匡には妖怪と手を組み人間を襲っていた黒幕が天狗の中にいることを教えた。その後匡と祥の一騎討ちの際に彼らの間に入り、片腕を失う。物語終盤では実沙緒の延命の方法を探す匡に対し、保存の術のことを教えた。また、この段階で実沙緒の母・陽子と面識があることが明かされている。
烏水 ゆり(うすい ゆり)
匡と祥の母親で楊の妻。故人。庇翼院で育ちここで初めて楊と出会った(庇翼院については下記を参照)。出会ったときはゆりは7歳、楊は18歳と年は11歳離れていたが、10年後楊の妻になった。その後は二人の子供を授かり幸せに暮らしていたが、ある時楊が祥ではなく次男の匡を次の当主にしようとしていたことを知り、その事を天狗の長老達に密告し楊が当主の座を追われる原因を作ってしまう。そのため夫が当主の座を追われたことに責任を感じ、服毒自殺してしまった。
令/相模(りょう/さがみ)
声:石田彰 / 演:太田将熙八大天狗の一人。24歳。181cm。正式な名前は「令」。唯一の既婚者で匡のいとこ・あやめの夫。伯耆(悠)の兄でもある。実はかなりの愛妻家。いつも落ち着いており、匡に適切な意見を述べる。最終章では仙果録の結末を知って実沙緒だけを生かすことを考えていた匡を諫め、彼に「実沙緒との子供は彼女が生きていた証、その子を諦めてはならない」と助言した。匡と実沙緒が無事結婚し幸せな家庭をつくれるようにとの願掛けから髪を伸ばしており、最終回では実沙緒が助かった後その髪を切ってショートヘアになった。6年後も弟・伯耆と共に変わらず匡に仕えている。
悠/伯耆(ゆう/ほうき)
声:宮田幸季 / 演:正木郁八大天狗の一人。15歳。170cm。正式な名前は「悠」。相模の弟。相模曰く「善悪の区別がつかない」らしい。最終話では6年後も兄の相模と共に匡に仕え続けていることが語られた。
剛/前鬼(ごう/ぜんき)
声:吉野裕行 / 演:碕理人八大天狗の一人。20歳。175cm。匡の嘘で一時期、実沙緒にシスコンだと思われていた。大阪生まれで、関西弁で喋る。兄弟は20人。すみれという妹がいる。本名は「剛」。最終話では庇翼院の院長になるべく修行を積んでいることが語られた。
丈/豊前(じょう/ぶぜん)


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