BD
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BD-RE記録面の耐久性が改善され、ベアディスクが実現したBD-RE Ver.1.0ディスク 25GB BD-RE Ver.1.0ディスク 50GBBD-RE Ver.2.1ディスク
(パッケージ)
左:25GB、右:50GB(2層)

BD-RE(Blu-ray Disc Rewritable)は、書換え型ディスクである。相変化記録技術方式を採用し、上書き可能回数は理論上、1万回以上とされている[注 12]
BD-RE Ver.1.0

メディアはカートリッジ付きのみ。記録速度は1倍速のみ。

メディアの記憶容量は、23.3GBまたは25GB(Single Layer) / 50GB(Dual Layer)

ファイルシステムはBDFS

アプリケーション規格はデジタル放送録画用のBDAV規格。

著作権保護技術はBD-CPSを使用。
BD-RE Ver.2.0

ハードコート技術を前提とした表面の強度の規定が追加されたため、ベアディスクが基本となる[注 13]

記録速度は1 - 2倍速に対応。

ファイルシステムはUDF 2.5に変更。

アプリ規格はVer.1.0と同じBDAV規格。

著作権保護技術はAACSに変更。
BD-RE Ver.2.1

物理規格、ファイルシステム、著作権保護技術はVer.2.0と同じ。

アプリ規格はVer.2.0と同じBDAV規格に、録画時間を延長するためMPEG-4 AVC High Profileのビデオ圧縮技術が追加されたもの。
BD-RE Ver. 3.0

物理規格、ファイルシステム、著作権保護技術はVer.2.0と同じ。

アプリ規格はBD-ROMのアプリ規格であるBDMVを使用して、PCで編集したコンテンツやカムコーダで録画したコンテンツを格納することが可能。

BD-RE Ver. 3.0対応のBlu-ray DiscプレーヤではBlu-rayカムコーダで録画したBlu-ray Discの再生が可能。
BD-ROM

BD-ROM(Blu-ray Disc Read Only Memory)は、読み出し専用ディスクである。
BD-ROM Ver.1.0

物理規格はベアディスクが基本。再生速度は1.5倍速。

ファイルシステムは、UDF 2.5。

アプリ規格は映画コンテンツを格納するためのBDMV規格。

著作権保護技術にはAACSを使用。

2006年3月に失効した。
BD-ROM Ver.2.0

RPC(Region Playback Control)を採用。

アプリ規格はBDMVに加え、BD-J規格がともに採用される。

ファイルシステムは引き続きUDF 2.5である。
派生規格
BD・DVDコンビネーションROMディスク

BD・DVDコンビネーションROMディスクとは、日本ビクターが開発した、BD1層+DVD2層の計3層構造のディスク[発表 12]。BDドライブ、DVDドライブどちらでも読み込みが可能。

日本ビクターの技術をもとに、共同テレビジョンとインフィニティ・ストレージ・メディアが開発した、BD1層・DVD2層ディスクが、2009年2月に製品化される[12]。光の波長によって透過率が異なる半透明の金属膜を使用し、BDドライブで再生するとDVD層は認識されない。このため、既存のBD機器で特別な対処をすることなく再生できるとしている。
AVCREC詳細は「AVCREC」を参照

AVCRECは、BDAVを応用してDVDにハイビジョン規格映像を記録する技術規格。直接にはBD9とはまったく無関係だが、技術的なコンセプトやアプローチは、BD9と同じ軸上にある。関連する規格としてAVCHDも存在する。
Blu-ray 3D

Blu-ray 3Dは、2009年12月に発表された、3D映像をBDに収録するためのハードウェアとソフトウェアの双方の規格である。Blu-ray Disc Associationにより策定された[発表 13]

規格としてH.264/MVC(マルチビュー符号化)を採用する。従来のサイド・バイ・サイド方式などとの互換性がないため、Blu-ray 3D 方式に対応したプレーヤー/レコーダーが必要である。テレビとの間はフレームパッキング方式により伝送するため、その方式に対応した3D対応テレビ、そして伝送帯域が従来より広がるため、HDMI1.4a以降対応(いわゆるHDMI 3D対応)のケーブルが必要になる。

2010年4月23日にはパナソニックから対応BDレコーダー(DMR-BWT1000・2000・3000)[13]、BDプレーヤー(DMP-BDT900)[発表 14]が発売された。

他社もこれに追従し、シャープは2010年7月30日にBD-HDW70/700を発売し[14]ソニーは2010年9月25日(BDZ-AX2000のみで、ほかのモデルは10月22日)にBDZ-AX1000/2000、BDZ-AT300S/500/700/900を発売した[15](ソニーは全モデル3D対応)。東芝からは2010年8月下旬にBDプレーヤーのSD-BDT1、2010年11月下旬にレコーダーのRD-X10(RD-BR600・BZ700・BZ800はバージョンアップで対応)が発売された[16]

ブルーレイ録画、再生、Blu-ray 3D対応テレビでは、2010年8月27日にパナソニックがTH-P42/46RT2Bを発売した[17]三菱電機はLCD-40/46/55MDR1を2010年10月21日に発売した[18]ソニーはKDL-40/46/55HX80Rを2010年12月5日に発売した[19]

ソニー・コンピュータエンタテインメントは2010年9月21日にPlayStation 3をシステムソフトウェアの更新にてBlu-ray 3Dに対応させた[注 14]

2017年、販売の低迷から3Dモニターおよび3Dテレビの新規製造を各社中止[20][21]。2018年現在販売されている3D対応機種は在庫品のみ。また、そのほとんどが4K対応テレビであり20万円から100万円という実売価格である。そのため、新規にBlu-ray 3D視聴環境を整える事が困難となっている。なお、Oculus RiftHTC ViveWindows Mixed Realityに代表されるバーチャルリアリティヘッドマウントディスプレイではBlu-ray 3Dの映像を直接視聴することができない。

2019年現在、もっとも安価なBlu-ray 3D視聴環境は、3Dプロジェクター、もしくはPlaystation 4[注 15]とPlaystation VRの組み合わせだけである。前者は映像を投影する壁やスクリーンが必要であり、後者はヘッドマウントディスプレイをかぶることにより複数人で視聴できないというデメリットがある。そのため、3D対応テレビのような手軽さはない。
4K ULTRA HD Blu-ray詳細は「Ultra HD Blu-ray」を参照

4K ULTRA HD Blu-ray(Ultra HD Blu-ray、UHD BD)は4Kに対応する、BDの上位規格。BD-ROMとディスクの外見が全く同じであるが、書き込み規格が変更された。また、ウルトラHDブルーレイにはR/RE規格が存在しない。
BDXL

BDXL(Blu-ray Disc Extra Large)はBDの一種ではあるが、記録層が3層や4層となっている[発表 15][22]。BDXL対応でないBD対応機器では動作しない[発表 15]。2010年6月に規格が策定され、3層で100GBのBD-R TL・BD-RE TLと4層で128GBのBD-R QLが製品化されている[23]
未製品化規格
BD9

BD9はワーナー・ブラザースが提案したDVDメディアにBDのアプリケーションフォーマットで圧縮映像を入れる規格。同様のコンセプトでHD DVD側に策定されたHD DVD9とともに3x DVDという総称でも呼ばれる。

この規格は、DVD-Videoの3倍の帯域幅を持ち、MPEG-2の代わりにVC-1やH.264といったより高圧縮のコーデックを用いることで、ハイビジョン規格の映像をDVDメディアに保存することを可能とするものである。DVDメディアであるため、記録容量がBDに比べ少なく、記録時間や画質の面ではBDに劣る。また、一般的なDVD-Video規格とはまったく異なるため、DVDプレイヤーで再生することはできず、再生にはBDプレイヤーが必要である。

当初にワーナー・ブラザースが想定していたものは、片面2層8.5GBのDVDへ平均ビットレート8Mbpsで120分のハイビジョン映像を収録することにより、3x DVDに対応した青紫色半導体レーザーを用いないDVDプレーヤーで再生可能にすることであった。

BD9は製品化がなされていない。なお、AVCRECが類似したコンセプトで開発されている。
Total Hi Def「第3世代光ディスク#Total Hi Def」も参照

2007年1月ワーナー・ブラザースは片面にHD DVD、もう片面にBDを収めた両面ディスク「Total Hi Def」を発表した。この時点では2007年後半発売予定とし、2規格が店頭に並び混乱を生じることへの解決策として製品化が進められたが2007年秋に開発中止され、さらに2008年1月のワーナーのBD一本化発表により必要性がなくなったため、結局製品化はなされなかった。
用途
ホームシアターなど映像フォーマットとしての用途
BDMV 採用コーデック詳細は「BDMV」を参照

BDMVは読み出し専用型BD(BD-ROM)で採用されている記録フォーマットである。解像度は最大1080i(または1080p)/60、720p/60である。
動画圧縮/伸張技術


MPEG-2Moving Picture Experts Group

H.264/MPEG-4 AVC High Profile

VC-1 Advanced Profile

H.264/MPEG-4 AVCとVC-1などの新圧縮技術は一般的な既存のDVD(DVD-VideoおよびDVD-VR)や現状の日本で行われているデジタル放送地上デジタル放送およびBSデジタル放送)で使われているMPEG-2よりも圧縮能力に優れているが、H.264/MPEG-4 AVCはもともと携帯電話などの小さな画面を主体に開発された技術のため、そのままではHD映画の画質再現に問題があり、当初ハリウッド企業は新コーデックの採用に積極的ではない会社も多かった。そのため、最初に発売されたBDビデオソフトはDVDと同じMPEG-2をコーデックに採用せざるをえなかったが、そのことから初期に発売されたBDビデオソフトは画質が必ずしも満足できるものではないとの指摘もあった[注 16]。その後、HD映像用に新たにパナソニックハリウッド研究所(PHL)[24][25]により開発されたMPEG-4 AVC High Profileが制定され、このHigh Profileを使えばHD映画の画質をMPEG-2以上に向上させられることがハリウッド企業でも確認された。


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