BDZ
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この項目では、Blu-ray Disc レコーダーについて説明しています。その他の用法については「BDZ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
BDZ-FT1000(2018年)

BDZ(ビーディーゼット)は、ソニーソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ)が日本国内で発売するBlu-ray Discレコーダーの共通型番である。「BD」はBlu-ray対応、「Z」はデジタルチューナー搭載を表す。ブランド名とされる場合もあるが、ブランドは設定しておらず、下記のように「ソニーのブルーレイ」で統一している。
概要

2003年に当時世界初のBDレコーダー「BDZ-S77」を発売した。以降、全てのBDレコーダーの型番が「BDZ」で始まる。同社のDVDレコーダースゴ録のようなブランド名を付けていないのはBlu-ray Disc光ディスクを一般へ認知させることを優先するためである。公式サイトやCMでは「ソニーのブルーレイ」の名称を用いる。

本製品は量販店やソニーショップのみならず、日立チェーンストールにも供給されている(日立ブランドの薄型テレビ及びBDレコーダー「Wooo」が国内販売を終了した2018年10月以降は、「ブラビア」や「BDZ」を含む全てのソニー製品を日立系列店で販売開始)。

2012年以降製造機種よりアナログAV出力端子は全廃され、TV受像機とはHDMI接続のみ可能。また2016年以降製造機種からは光・同軸デジタル出力端子も(トリプルチューナー・4Kチューナー搭載の上位機種含め)全廃された。さらに2021年以降製造機種からはアナログAV入力端子も全廃され、従来型アナログ再生機器からのダビングができなくなっている。シングルチューナーモデルの生産は2019年限りで終了し、現行モデルは全てWチューナーおよびトリプルチューナー搭載となっている。

500GB以下容量のHDD搭載機種は2018年発売「BDZ-FW500」を最後に生産終了となり、現行モデルは下位機種でも1TB容量のHDDを搭載している。また4Kチューナー搭載モデルは「A-CASチップ」を本体に内蔵しているためB-CASカード不要。4Kチューナー非搭載モデルに付属のB-CASカードはフルサイズカードを用いる。またHDMIケーブルは全機種別売りとなっており、「4Kハイスピードに対応したソニー純正品・または市販品を別途購入する」よう指示されている。

全機種「同軸アンテナ線」が1本付属されているが径が細いため、取説では「付属アンテナ線は地デジ専用としてBDZ・ブラビア相互間の地デジアンテナ入出力端子をつなぐためだけに用い、BDZとブラビア相互間をつなぐBS・110度CSアンテナ線と・壁面アンテナコンセントと本機をつなぐアンテナ線およびBS/地デジ分波器については、4K/8K対応の市販品を別途用意する」よう指示されている(アンテナ線接続器具は「外れにくく外来ノイズや振動にも強い金属製のF型接栓またはプラグ」を推奨。アナログ時代の樹脂製アンテナプラグは外来ノイズや振動に弱く外れやすいため、画面や音声が途切れる場合あり)。

姉妹品として販売しているポータブルBDプレーヤーのうち、ワンセグチューナー付き機種「BDP-Z1」は2017年限りで生産終了。これによりソニーはポータブルTV生産より撤退し、ポータブルBDプレーヤー現行モデルは全てチューナーレスになると共に、薄型テレビ「ブラビア」現行モデルは据置型のみとなっている(2020年に国内大手メーカーで初めて4K非搭載テレビの生産を完全終了し、現行モデルは全て4Kチューナー内蔵。ただしBDレコーダー一体型ブラビアは非生産)。

ソニーブランド乾電池は2019年7月限りで販売終了となったため、現行モデルのリモコンに組み込まれるお試し用乾電池はパナソニックマクセルなどの他社より供給されている。
機能の特徴
x-おまかせ・まる録

同社のチャンネルサーバーCoCoonやDVDレコーダーのスゴ録シリーズから受け継いだ「x-おまかせ・まる録」機能(あらかじめ登録した条件やキーワードに合致する番組をEPGから探し出し自動録画する)などが特徴。また、プロ野球などのスポーツ中継が延長になっても後の番組を正確に録画できるスポーツ延長予約を最初に導入したメーカーである。また、放送時間が予約時と異なることになっても電子番組表のタイトル名から追跡して録画時間を変更する機能、放送内容の情報を検出しCMの前後や場面変換時にチャプターを挿入する機能なども最初に備える。

2008年秋モデルでは登録キーワード以外にも、現在流行のキーワードをテレビ情報誌風にユーザーに提案する「x-おまかせマガジン」を搭載した。
MPEG-4 AVC圧縮

2007年11月発売のBDZ-X90/L70/T70/T50以降のモデルではMPEG-4 AVC形式で映像圧縮する機能を搭載している。XR(15Mbps)・XSR(12Mbps)・SR(8Mbps)・LSR(6Mbps)の4モードはハイビジョン画質に対応。標準モードとなっているSRは地上デジタル放送(約17Mbps)の約1/2のビットレートで、画質劣化を抑えながら2倍の長時間記録が可能となる。LR(4Mbps)・ER(2Mbps)は標準解像度のみ対応していた。

しかし、2008年9/10月発売モデルからはLSRモードのビットレートが5Mbpsとなるのと同時にLRモードが、そして、2010年春に発売されたRX105/RX55/RX35/RS15のモデルでは、ERモードも、ハイビジョン画質に対応した。結果、BDZ-AT300S/AT500/AT700/AT900/AX1000/AX2000以降のモデルでは、各モードのビットレートはXR(16Mbps)・XSR(11Mbps)・SR(8Mbps)・LSR(4Mbps)・LR(3Mbps)・ER(2Mbps)であり、全てのモードにおいてハイビジョン画質に対応する。

HDD・BDへのリアルタイム圧縮記録が可能。HDDにMPEG-2 TS(DRモード)で録画したものを圧縮してBDにダビングできるが、HDD→HDDの圧縮ダビングはできない。カット編集等もMPEG-2 TSと同等に行える。

音声は長らくAACを直接記録するのではなく、ドルビーデジタルに変換されていた。ただし、x000シリーズを除く2012年以降のモデルではMPEG-2 AACで記録される。この音声形式の違いもあって、上記モデルにてDR以外のモードでBDに直接録画したもの、あるいはDR以外のモードで録画したタイトルをBDに高速ダビングしたものをそれ以前のモデルで再生すると、モード表示がDRになってしまう現象が発生する[1]。なお5.1chサラウンド音声もそのまま記録できる。

MPEG-4 AVCエンコーダ搭載を発表したのはソニーの方が先であったがパナソニックDIGAの同世代製品の方が発売が1週間早かったため、「世界初」の座はDIGAに譲った。

パナソニックはMPEG-4 AVCのHigh ProfileとフルHD(1920×1080)に対応、東芝VARDIA RD-A301もフルHDに対応するがソニーは当初Main Profileを採用し、最大解像度は1440×1080にとどまっていた。地上デジタル放送の解像度は1440×1080のため地デジを録画する限り支障はないが、フルHDで放送される一部のBSデジタル放送を圧縮すると解像度が悪化することになる。しかし、2008年秋モデルでHigh Profile・1920×1080に対応し、他社と遜色ない性能となった。

パナソニック(AVCREC)と東芝(HD Rec)が採用したDVDへのハイビジョン記録には対応していない。これらのハイビジョンで録画されたDVDを再生するには対応したプレーヤーが必要など利用制限があることや、DVDからBDへの完全移行をコンセプトとしているため過渡的な機能は切り捨てた形である(ソニーがBDZにブランド名を設定していないのと同じ理由)。
各DVD規格への対応

DVD-RAMについては2006年モデルのBDZ-V7/V9では再生のみ可能。2007年11月発売のBDZ-T50/T70/L70/X90、2008年4月発売のBDZ-A70/T90ではスゴ録と同様に再生すら対応していない。しかし2008年秋モデル以降の機種では再び再生に対応した。

2006年以降のモデルは、スゴ録と同様に主要メーカーでは唯一DVD+R・DVD+RWの記録再生に対応する。DVD+R/+RWとDVD-RAMの規格争いについては「DVD」・「DVDレコーダー」を参照。

DVD-R DL(2層DVD-R)の録画は不可能で再生のみ対応(2006年モデル以降)。
i.LINK(TS)端子

2003年のBDZ-S77にはi.LINK(S200)端子が搭載されている。BDZ-S77間の転送とソニー製の一部デジタルチューナー(DST-BX500(BS・110度CS)、DST-TX1(地上・BS・110度CS)、DST-MS9(スカイパーフェクTV!用)など)・デジタルチューナー搭載テレビからのストリーム録画に対応する。ただし地上デジタル/110度CSデジタル放送への対応には有償アップデートが必要だった。

2006年以降のモデルには、他社のBD/HD DVDレコーダー(一部機種除く)と異なりi.LINK(TS)端子が搭載されていない。そのため、既存のデジタルレコーダーで録り溜めたハイビジョン映像のデジタルダビングは不可能である。
ビデオカメラとの連携

BDZ-V7/V9以降のモデルは全てAVCHD再生に対応。同社は一般向けで多くのメディアに対応したビデオカメラを販売していることから、レコーダーとの連携機能は非常に充実している。特に最大のライバルであるパナソニックは2008年モデル以降USB端子を搭載するなど連携機能が増えてきたが、現在のところ公式にはHDVからの取り込みに対応していないため事実上使用不可となっている(HDVモデルを生産していないため)のに対し同社は対応しているのが最大の違いと言える。

BDZ-T50/T55/T70/T75/T90はUSB端子などを備えないエントリーモデルのため8cmDVD/BDからの取り込みのみの対応。

BDZ-A70/A750/A950/L55/L70/X90/X95/X100はUSB端子やi.LINK(HDV)端子を備え、MPEG-2 PS/MPEG-2 TS/MPEG-4 H.264/Hi8/Digital8/HDV/AVCHDなどの記録方式やテープ/DVD/BD/HDD/メモリーカードなどの記録メディアを問わずほぼ全てのビデオカメラからBD/DVDへのダビングに対応するモデルである(MICROMVSD・SDHCメモリーカード除く)。

また、BDZ-L95は上記の機能に加え同社としては初めてメモリースティック(動画・静止画)/SD・SDHCメモリーカード(動画・静止画)/コンパクトフラッシュ(静止画のみ)対応のメモリーカードスロットを前面に備え、BDレコーダー業界初のメモリースティックとSDカードの両対応モデルである(かつてメモリースティックスロット搭載のDVDレコーダーは数機種発売された)。

なお、2006年モデルのBDZ-V7/V9はスタンダード画質モデル及びHDVモデルのみの対応である。

各種メディア取り込み対応表メディア/機種V7/V9T
シリーズA/X
シリーズL
シリーズRS10/RX30
RS15/RX35RX50/RX100
EX200
RX55/RX105AT/AX
シリーズ
SKP75E/EW/ET
シリーズ
EX3000ZW/ZT
シリーズFW/FT/
FBW/FBT
シリーズ
Digital8
(Hi8含む)○×○○○○○○○(※1)○(※1)
DVテープ
(HDV含む)○×○○○(※3)○○(※5)○(※6)○(※1)○(※1)
8cmDVD
(AVCHD含む)○(※1)○○○○○○○○○
8cmBD×○○○○○○○○○
HDD
(AVCHD含む)○(※1)×○○○(※3)○○○○○
SDメモリーカード
(AVCHD含む)×××○(※2)×○(※4)○(※5)○(※6)○(※7)○(※7)
メモリースティック
(AVCHD含む)××○○○(※3)○○○○(※7)○(※7)
内蔵メモリー


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