BBC_Micro
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BBC Micro:bit」とは異なります。

BBC Model A - Model B+128初期の BBC Micro
開発元エイコーン・コンピュータ
種別8ビットホビーパソコン
発売日1981年末
標準価格£375(1981年)
販売終了日1986年
CPUMOS 6502/6512(2MHz)

BBC Micro(ビービーシー マイクロ)は、エイコーン・コンピュータ英国放送協会の運営する BBC Computer Literacy Project のために設計・製造したマイクロコンピュータと周辺機器のシリーズである。教育用途を意図して設計され、頑丈で拡張性があり、オペレーティングシステムの高品質が特徴であった。BBC Microcomputer Systemとも。

Literacy Project で選定されたことから、イギリスでは1980年代に多くの学校で採用され、エイコーンは成長を遂げた[1]。高価ではあったが、イギリスではホビーパソコンとしてもそれなりの成功を収めた。その後継機の開発過程でARMアーキテクチャが生まれ、2008年現在では組み込みシステムで広く使われている。

シリーズとして12機種が生産されたが、"BBC Micro" といえば通常は初期の4機種(Model A, B, B+64, B+128)を指し、後期の8機種は BBC Master および Acorn Archimedes シリーズと呼ばれる。
背景

1980年代初め、BBC は後に BBC Computer Literacy Project と呼ばれるプロジェクトを開始した。プロジェクト開始の一因として、当時イギリスで大きな反響のあったドキュメンタリー番組 The Mighty Micro がある。イギリス国立物理学研究所の Christopher Evans は同番組の中で、コンピュータ革命が経済、産業、ライフスタイルに重大な影響を与えるだろうと予言した[1]

BBC は、プロジェクトの一環として1981年にテレビ番組 The Computer Programme を開始するにあたって、様々なタスクを実演できるマイクロコンピュータを必要としていた。題材には、プログラミングコンピュータグラフィックス、音響と音楽、文字多重放送、外部ハードウェアの制御、人工知能などが挙げられていた。マイクロコンピュータに限定し、かなり野心的な仕様で開発者を募った。

BBC はクライブ・シンクレアにも話を持ちかけたが、彼の提案した Grundy NewBrain はBBC側が却下した。BBCは他のイギリス国内のコンピュータ業者にも話を持っていき、その中にエイコーンがあった[1]

エイコーンは既存の Acorn Atom の後継機 Proton の開発を既に行っていた。Proton はグラフィックが改良され、より高速な2MHzの MOS 6502 CPU を採用していた。当時はまだプロトタイプしかなかったが、主に学生から構成されたエイコーンのチームはBBCに実働する Proton を見せるために夜を徹して作業した[2]。Acorn Proton は BBC の仕様を満足した唯一のマシンというわけではなかったが、ほとんど全ての面で最も優れていた[1]
市場への影響

マシンは BBC Microcomputer として1981年末にリリースされ、Beeb の愛称で親しまれた。イギリスでは特に教育市場を中心に人気となった。なお、1982年にはシンクレア・リサーチZX Spectrum をリリースして大成功を収めている。BBC Micro は最初の数ヶ月間、マシンを注文してそれが届くまでかなり待たされるという事態が生じた。アメリカ市場参入の試みは失敗に終わった。イギリスでの成功の要因は、「教育用」コンピュータとして認知されたためであった。BBC Micro はイギリスの多くの学校でコンピュータ・リテラシー情報技術スキルの教育に使われた[1]。インドなどのイギリス連邦諸国でも BBC Micro を使ったコンピュータ・リテラシー・プログラムが開始された[3]

それ以前は、Research Machines がイギリスでの教育用コンピュータ市場のリーダーだった。BBC Micro が教育市場で受け入れられた要因のひとつは、その頑丈さである。マシンのケースとキーボードは、ZX Spectrum に比べると非常に頑丈であり、児童が乱暴に扱っても壊れなかった。

Model A と Model B は当初それぞれ £235 と £335 で販売されたが、コスト増に伴ってすぐに £299 と £399 に改定された[4]。エイコーンは総販売台数を12,000台と予測していたが、最終的には150万台の BBC Micro が売れた[5]

BBC Micro のコストは ZX Spectrum などの競合他社製品に比べると高かったため、エイコーンはゲーム用を意図した廉価版 Acorn Electron を1983年にリリースした。ただしベースとしたのは 16KB RAM の Model A ではなく、32KB の Model B である。Electron 向けに開発されたゲームは Model B 上でも動作した。
詳細
ハードウェア: Model A と Model B後面。ポートは左から、UHF出力、ビデオ出力、RGB、RS423、カセット、アナログ入力、Econetの順

Model A のRAMは16KB、Model B は 32KBである。他の 6502 を採用したマシン(Apple II や コモドールのマシン)と同様、RAMはCPUの2倍のクロック(4MHz)で駆動され、CPUとビデオディスプレイが交互にメモリにアクセスできるようになっている。これによって BBC Micro は速度低下することなく完全に平坦なメモリアドレス構造を持つことができた。ビデオRAMをメインメモリに含める方式では、ビデオ回路の動作によってCPUの速度が低下することがよくあり(Amstrad CPC)、それを避けるためにCPUのアドレス空間とビデオRAMを分離する方式を採用する場合もあった(MSX)。

各種入出力インタフェースを備えている。

シリアルポート

パラレルポート(プリンタ用)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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