BBC
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

「BBC」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「BBC (曖昧さ回避)」をご覧ください。

英国放送協会
British Broadcasting Corporation
ブロードキャスティング・ハウス(本社所在地)
種類公共放送兼国営放送
略称BBC
本社所在地 イギリス
ロンドン
設立1922年(ラジオ)
1932年(テレビ)
業種情報・通信業
事業内容テレビ、ラジオ、インターネットでの情報提供
代表者ティム・デイビー(会長)
外部リンクbbc.com
テンプレートを表示

英国放送協会

運営英国放送協会
設立1922年
在籍国 イギリス
所在地ロンドン
外部リンクbbc.com
BBC One
放送媒体地上テレビ放送
放送チャンネル番号1
番号1
開局1936年11月2日
放送対象国 イギリス
放送対象地域イギリス全土
BBC Two
放送媒体地上テレビ放送
放送チャンネル番号2
番号2
開局1964年04月21日
放送対象国 イギリス
放送対象地域イギリス全土

英国放送協会(えいこくほうそうきょうかい、: British Broadcasting Corporation)は、ラジオテレビ一括運営するイギリス公共放送局。略称はBBC(ビービーシー)。
歴史BBCの本館

1922年11月 - 「英国放送会社」(British Broadcasting Company)として放送開始。

1927年1月 - 国王ジョージ5世勅許状に基づき、公共放送「英国放送協会」(British Broadcasting Corporation)に組織変更。

1932年12月 - エンパイアサービス(国際放送)開始。

1936年11月 - 世界初のテレビ定期試験放送開始。

1967年7月 - カラーテレビ放送開始(方式はPAL)。

1974年9月23日 - 世界初の文字多重放送「シーファックス」(Ceefax)を開始。

1998年9月 - 世界初の地上デジタル放送開始。

2012年10月23日 - 「シーファックス」サービス終了。

2013年3月31日 - BBCテレビジョンセンターを閉鎖。

設立の背景
最初のラジオ放送

1920年1月、郵政庁GPOより許可を得たマルコーニ無線電信会社はチェルムスフォード工場よりラジオ放送をはじめた。同年6月15日にはオペラ歌手ネリー・メルバ夫人のライブ番組が欧州大陸へ向けて三ヶ国語で放送され、初の国際放送として注目を集めたが、イギリス空軍の無線に混信妨害を与えていることが判明し、同年秋には停波させられてしまった。詳細は「英国放送協会のラジオ放送#英国ラジオの黎明期」を参照

一方米国では1920年11月2日、ウェスティングハウス電気製造会社のフランク・コンラッドらにより、世界初の商業ラジオ放送局(呼出符号KDKA)が誕生している。
ラジオ放送の再開

やがてKDKAの評判がイギリスにも届くようになると郵政庁GPOにラジオ放送の再開陳情が繰返され、1922年2月14日よりマルコーニ科学機器社のライトル局(呼出符号2MT)がラジオ放送を再開した。同年5月11日にマルコーニ科学機器社はロンドンに第二局(呼出符号2LO)を開局。さらに同年5月16日にはマンチェスターメトロポリタン=ヴィッカース社(元:英国ウェスティングハウス社)が郵政庁GPOより呼出符号2ZYを得て、不定期ながらもラジオ放送をはじめている。
政府の提案

しかし英国では商業ラジオ局が無秩序に急増し、周波数不足が問題化しており、これを危惧した郵政庁GPOは無線機メーカーが共同でラジオ放送会社を設立して、ラジオ受信機の販売促進をはかり、そのかわり政府は外国との販売競争から業者を保護することを提案した。主要無線機メーカーがこの提案を飲み、1922年10月18日、イギリス放送会社BBCが設立され、政府はBBCに受信機販売と放送の事実上の独占権を与えた。マルコーニ科学機器社のロンドン2LOと、メトロポリタン=ヴィッカース社のマンチェスター2ZYは呼出符号をそのままでイギリス放送会社BBCに移管された。

1926年、放送調査委員会が放送は公共企業体が実施すべきだと政府に勧告。翌年イギリス放送会社にかわり、ジョージ5世国王の特許状(en)にもとづく公共事業体イギリス放送協会BBCを設立し、現在に至っている。
放送系統
テレビ放送

BBC One - 主要番組

世界最古のテレビチャンネル


BBC Two - 知的・教養番組など

BBC Three - 若者向け娯楽番組。

2016年2月16日よりオンライン配信を開始、翌月末にデジタル放送を停波しオンラインに一本化されたが、2022年2月1日にデジタル放送を再開した。


BBC Four - ドキュメンタリー

CBBC - 児童向け編成

CBeebies - 幼児向け編成

同名の国際放送チャンネルは、国内向けとは編成番組が異なり、児童にもターゲットを拡大しており、海外番組を編成しない替わりにCBBCの人気番組も編成されている。


BBC News (旧BBC NEWS 24) - ニュース専門放送局

BBC Parliament - 議会中継、討論番組など

BBC World News国際放送

BBC Arabic - アラビア語放送

BBC Persian - ペルシャ語放送

ラジオ放送詳細は「英国放送協会のラジオ放送」を参照
アナログ・デジタル両方

Radio 1 - 若者向け(BBCで2番目に聴取者が多い)

Radio 2 - Radio 1より高い年齢層(BBCで最も聴取者が多い)

Radio 3 -
クラシック音楽ジャズワールドミュージック実験音楽など

Radio 4 - ニュース・教養・討論・コメディ、インテリ向け

Radio 5 Live - ニュース・スポーツ中継・トーク番組

World Service - 国際放送(そのうちの英語版)

スコットランドウェールズ北アイルランドではそれぞれ地元言語と英語による放送を実施。イングランドでは県あるいは都市ごとに地域放送を実施
デジタルのみ

Radio 1 Xtra -
ブラックミュージック全般

Radio 6 Music - オルタナティブクラシック・ロックボブ・ディラン・ショーなど

Radio 4 Extra(旧Radio 7) - コメディ・ドラマ・子供向け番組

Asian Network - 主にインドパキスタンバングラデシュ出身の南アジア系移民(アジア系イギリス人)向けの娯楽・音楽番組など(元々はバーミンガム局などのアナログ放送で、現在も一部でアナログ放送継続)

Radio 5 sports extra - Radio 5 liveで放送できなかったスポーツ中継(通常期は放送されない)

インターネット/オンデマンド放送

BBC iPlayer経由で、英国内でテレビ・ラジオ共にライブストリーミングおよび過去7日間(BBC Threeについては5ヶ月間)の見逃し視聴が可能。さらに、BBCが制作したドキュメンタリーやBBCが権利取得した動画が視聴可能。だたし、権利等の制限によりイギリス国外から接続することはできない(ジオブロッキング)。

BBC Sounds経由で、英国内外でライブストリーミングおよび過去14日間の聞き逃し聴取が可能となっている。

BBC Radio 1 Dance(英語版) - 若者向け。BBC Radio 1とBBC Radio 1 Xtraの姉妹局。ディスコミュージックダンスミュージックが主。2020年10月9日(英国標準時)開局。

BBC Radio 1 relax(英語版) - 若者向け。BBC Radio 1とBBC Radio 1 Xtraの姉妹局。メディテーションミュージック(英語版)やアンビエントミュージックが主。2021年4月22日(英国標準時)開局。

主なテレビ番組

BBCニュース

ドクター・フー

空飛ぶモンティ・パイソン

テレタビーズ

トップ・ギア

歴代ロゴ

1958-1963

1963-1971

1971-1988

1988-1997

1997-2021

2021-present

受信料と中立性

テレビ受像機所有者から徴収する受信料制度である。もっとも、イギリスでは「TVライセンス制度」を設け、テレビやビデオデッキなどを所有するために許可証を購入するというシステムを採っており、「受信許可料」と呼ぶこともある。視聴者郵便局で1年間有効の受信許可証を145.50ポンドで購入するという仕組みで、この許可証が無いと、イギリスの販売店でテレビ受像機が買えない。BBC受信料は月単位での購入も可能である。収納率は約98%であり[1]、75歳以上は免除される。無許可受信者には法令により、最高1,000ポンド罰金が課される。

BBC受信料は物価の変動などを考慮して、イギリス政府が決定する。なお、国際放送の財源は、全額が国庫からの交付金。テレビ放送などBBCワールドワイド運営に関しては、視聴料と広告料で運営。この制度により、伝統的に戦争報道について政府から独立した立場をとることで知られている。これは王立顕章でその独立性について規定されているためである[2]イギリス政府や企業の力に屈しない公正な放送を行えるとされ(BBC自身もニュースの合間にそのようなCMを流している)、第二次世界大戦フォークランド紛争中もイギリス軍を「我が軍」とは呼ばず、アメリカ同時多発テロ事件を「テロ」でなく「攻撃」、2023年のパレスチナ・イスラエル戦争でもハマスを「テロリスト」とは呼ばずに「武装組織」「過激派」などと放送した[2][3]。ガイドラインでも戦争について「戦争、紛争、テロ行為などの報道において、BBCは英国民及び国外の視聴者に特別の責任を持つ。世界の人々は、BBCに対し、文脈分析、幅広い種類の視点や意思の提供を期待している」と定め、さらに『テロリスト』という言葉自体が理解を助けず、妨げになることもある。何が起きたかを描写することでテロ行為の十分な結果を示すべきだ。攻撃者、戦闘員など加害者の具体的な行動を表す言葉を使うべきだ』と記述している[2]

イギリス首相であったマーガレット・サッチャーが、BBCの放送内容について「お願い」と称して、BBCの報道内容にクレームを付けたが、BBCは逆に「サッチャー首相がBBCについて、この様に申し上げました」と、サッチャーのクレーム内容全てを、番組内で暴露し放送した。

ただし、イギリス軍とアメリカ軍との連合軍によって開始されたイラク戦争を(イギリスの存在を消した)American invasion of Iraq(アメリカのイラク侵攻)と言い換えて報道したり、インドムンバイ同時多発テロ事件では「テロリズム」と報道したりした点から、その立場は一定ではないと見なされている。

また 、視聴率などの市場経済の流れに影響を受けず、教育放送や福祉放送などが行えるということで、この考えは世界中に広まり、イギリスに倣って『受信料制度』を採用している国も多い(日本のNHKやフィンランドのYLEなど)。

中立性をうたう一方で国際放送については「イギリスの利益を代表し、自国の侵略行為・犯罪を正当化するためのプロパガンダをおこない[4]、イギリス政府の代弁機関と化している」とも批判されている。マレーシアマハティール・ビン・モハマド元首相は「BBCは生まれつきの嘘吐きである」と批判している[5]

災害報道については、政府発表前に一切報道しないという原則を持っていると言われている[6]

2019年12月12日投開票の総選挙を前にして、ボリス・ジョンソン首相は受信料制度の廃止を検討することを表明した[7]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:72 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef