BANANA_FISH
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BANANA FISH


ジャンルクライム、アクション、ハードロマン
サスペンス青年漫画
漫画
作者吉田秋生
出版社小学館
掲載誌別冊少女コミック
レーベルフラワーコミックス
フラワーコミックススペシャル(番外編)
小学館文庫(文庫版)
発表号1985年5月号 - 1994年4月号
巻数全19巻(フラワーコミックス)
「PRIVATE OPINION」全1巻(番外編)
全12巻(文庫版)
全4BOX(全20巻)(復刻版BOX)
アニメ
原作吉田秋生
監督内海紘子
シリーズ構成瀬古浩司
キャラクターデザイン林明美
音楽大沢伸一
アニメーション制作MAPPA
製作Project BANANA FISH
放送局フジテレビほか
放送期間2018年7月 - 12月
話数全24話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『BANANA FISH』(バナナフィッシュ)は、吉田秋生による漫画作品。『別冊少女コミック1985年5月号?1994年4月号にて連載された(1994年6月号、8・9月号、1995年1月号にて番外編掲載)。2018年6月時点で累計発行部数は1200万部を突破している[1]

また、本作を元にしたラジオドラマも制作され、2005年2009年にはアクサル(Axle)により舞台化、2012年には磯村洋祐(劇団EXILE)と竹内寿のW主演で舞台化され、2018年には吉田秋生の40周年記念プロジェクトの一環としてフジテレビノイタミナ枠でアニメ化された[2]

絶版になっていたコミックスはアニメ化に伴い、2018年に復刻版BOXが番外編1巻を収録して全20巻(1BOXにつき5巻セットで全4BOX)となって刊行された。
あらすじ

この項では「BANANA FISH」全19巻を6つに区分して解説する。

Part 1:単行本の01巻:プロローグ

Part 2:単行本の01-06巻:「BANANA FISH」の謎解き

Part 3:単行本の07-11巻:アッシュの反撃

Part 4:単行本の12-14巻:ゴルツィネの復権

Part 5:単行本の15-18巻:最後の戦い

Part 6:単行本の18-19巻:エピローグ

Part 1:プロローグ

1973年ベトナム戦争の最中、アメリカ軍兵士グリフィン・カーレンリースが突然、同じ分隊の兵士たちに自動小銃を乱射して死傷させる。その場に居合わせたマックス・ロボは彼の足を狙撃し取り押さえる。そのとき、グリフィンは「バナナ・フィッシュ」という謎の言葉[3]をつぶやく。
Part 2:「BANANA FISH」の謎解き

ダウンタウンのストリート・キッズのボスとして君臨するアッシュは、コルシカ・マフィアのボス ゴルツィネの指示で銃撃された男から、「バナナ・フィッシュ」という言葉と「カルフォルニアの住所」を伝えられるとともに、小さなロケットペンダントを受け取る。

「バナナ・フィッシュ」は廃人となった兄のグリフィンがしばしば口にしている言葉であり、アッシュは調査を開始する。ゴルツィネは「バナナ・フィッシュ」により中米でクーデターを発生させ、南米からのヘロインルートを手に入れようと米国の政治家や軍人とともにプロジェクトを進めており、アッシュの調査を阻止しようとする。

日本人の大学生・英二は取材を通じてアッシュと知り合う。アッシュの周囲で起こる血生臭い事件に遭遇した英二は、アメリカに残り、アッシュと「バナナ・フィッシュ」を巡る陰謀に巻き込まれていく。

殺人の冤罪で刑務所に収監されたアッシュは、兄グリフィンのベトナム時代の友人であり「バナナ・フィッシュ」の調査を続けているマックス・ロボと出会い、行動を共にすることになる。

カリフォルニアのドースン博士の家でアッシュとマックスは「バナナ・フィッシュ」が複数のアルカロイドを含む薬物であり、完全なる薬物暗示が可能な物質であることを知らされる。

彼らはゴルツィネの屋敷で「バナナ・フィッシュ」を投与されたショーターが、暗示により英二を殺害しようとしている姿から自我を完全に破壊する薬物であることを目撃する。アッシュはショーターの「殺してくれ 自由にしてくれ」という言葉により彼を射殺する。
Part 3:アッシュの反撃

月龍の助けによりゴルツィネの屋敷を脱出したアッシュは反撃に出る。ゴルツィネはコルシカ人財団の理事をしており、アッシュはコンピューター操作により、その表向きの会社の株価操作と収益源の一つであるGOOSEから6000万ドルを搾取する。これよりゴルツィネは、マフィアのテーブルに着かざるを得なくなり米国を後にする。

その間にアッシュはマンハッタンの高級アパートを買い、そこを隠れ家としてオーサーに恐怖支配されたダウンタウンを取り返すため、オーサーの息のかかったボスを次々と殺害し、たまりかねたオーサーとボスの座をかけて決闘となる。

アッシュは勝利するが傷を負い、コルシカ人財団が経営母体となっている国立精神衛生センターに搬送される。ほどなくして、テレビではアッシュ死亡のニュースが流される。しかし、アッシュは米国に戻ったゴルツィネの目の前でセンターから脱出する。
Part 4:ゴルツィネの復権

「バナナ・フィッシュ」を使用して月龍は、華龍を廃人にして自分が彼の後見人となる。月龍は華龍の名前でゴルツィネを招待し、交換条件を持ち出し手を結ぶ。月龍はコルシカ人財団の理事を次々と殺害し、ゴルツィネは財団で復権を果たす。一方、ゴルツィネは華龍を除く李一族をすべて殺害し、月龍が事実上の華僑の支配者となる。

月龍は「アッシュの最大の弱点は英二である」と見抜いており、ゴルツィネに「バナナ・フィッシュ」の情報漏洩を防ぎ、アッシュをゴルツィネの元に戻す提案をする。ゴルツィネはかつてのアッシュの指導教官であったブランカを呼ぶ。ブランカはアッシュの隠れ家を突き止め、警告のため英二を狙撃する。

ブランカが敵に回ったことを知ったアッシュは、マックスたちの収集した資料をゴルツィネに手渡し、自らはゴルツィネに捕らわれる。ゴルツィネはアッシュを再び「神の器」に仕立て上げ、中米における軍事作戦のプランを立案させ、新しい政界と軍部のパートナーとの会議で披露させる。
Part 5:最後の戦い

アッシュの能力を再確認したゴルツィネはアッシュの養子縁組を進めるが、アッシュは籠の鳥の生活に精神的な拒食症に陥る。養子縁組披露パーティーの会場から脱出したアッシュは、シンのグループとともにゴルツィネや月龍の配下と戦闘状態となり、多くの仲間が捕虜となる。アッシュは自然史博物館で月龍を捕え、交換条件として捕虜を解放させる。また、捕らわれたシンの仲間も救出する。

アッシュ、シン、ケインの仲間とともに、ゴルツィネの雇った傭兵のフォックス大佐の部隊と戦闘状態となり、なんとか撃退したものの仲間の一部は捕虜となる。国立精神衛生センターにおける最後の戦いで、ゴルツィネとフォックス大佐、マナーハイムは炎の中で死亡し、「バナナ・フィッシュ」の資料も焼失する。
Part 6:エピローグ

「バナナ・フィッシュ」の秘密は公表されなかったものの、秘密クラブにおける少年の性的濫用については政府関係者も逮捕され、一大スキャンダルに発展する。スマイルズとゴルツィネの関係について証言する者も出てくる。マックスはジェシカと再び結婚し、このニュースを一つの区切りとして聞いている。

シンは月龍を訪ね、二人きりになったところで銃を突きつける。シンはブランカから李一族における月龍の生い立ちを聞いており、殺害する気にはならずもう憎んでいないと語り、月龍を補佐してチャイナタウンの再建に乗り出す。

月龍のことを気にかけるブランカに対して、アッシュやシンは月龍を殺せないし、自分もわざわざ出かけて行って彼を殺す気はないと語る。英二が明日帰国すると話すブランカに対して、アッシュは見送りにはいかない、自分は英二の人生に関わりをもってはいけない人間なんだと説明する。

出発間際に英二がシンに託した手紙は、ニューヨーク市立図書館にいたアッシュに手渡される。英二はアッシュがどうして空港に姿を見せないのか、その理由を理解しており、「君は一人じゃない、ぼくがそばにいる。ぼくの魂はいつも君とともにある」と自分の気持ちを手紙にしたためていた。手紙を読んだアッシュは、感極って市立図書館の外に出た際にラオに刺されてしまう。自分はもう助からないことを悟ったアッシュは、図書館に戻り手紙を読み終えながら意識を失う。その顔には満足そうな微笑みが浮かんでいた。
登場人物
主人公とその友人たち

声の項はラジオドラマ版 / テレビアニメ版、演の項は舞台版のキャストを示す(ラジオドラマ版は第1期?第3期まであり、第1期と第2期で放送時間に間があったため、一部のキャストが変更されている)。
アッシュ・リンクス(Ash Lynx)
声 -
古澤徹 / 内田雄馬[4]塙真奈美(幼少期)
演 - 柄谷吾史(2005年、2009年版)、永井樹(幼少期 2005年版)、磯村洋祐(2012年版)、水江建太(2021年版)本作の主人公。17歳(初登場時)?19歳(最終回)。「アッシュ(灰)・リンクス(山猫)」は通称であり、本名はアスラン・ジェイド・カーレンリース(Aslan Jade Callenreese、物語中盤でディノ・ゴルツィネとの間に養子縁組が成立し、以降の姓はゴルツィネになった)。1968年8月12日生まれ。17歳@;身長:5フィート9インチ(約175.26cm)、体重: 135ポンド(約61.235kg)(フラワーコミック版7巻72頁1コマ/警察資料の記述)、17歳A;身長:5フィート11インチ(約180.34cm)、体重: 135ポンド(約61.235kg)(フラワーコミック版8巻5頁4?5コマ)、18歳時;身長:5フィート11インチ(約180.34cm)、体重: 150ポンド1/2オンス(約68.053kg)(フラワーコミック版16巻6頁1コマ)、マサチューセッツ州ケープコッド出身。母は幼い頃に失踪し、父は実家で小さなダイナー酒場を営んでいる。ニューヨーク・ダウンタウンのストリートキッズグループを統括するボス。金髪、緑の瞳の並外れて整った容姿とIQ180以上(マナーハイムの調査では210)の頭脳、人の上にたつ圧倒的なカリスマ性を持ち、運動神経も抜群。戦闘に関しても、射撃の腕は一流でナイフの扱いにも長けている。兄グリフィンを廃人同然にした「バナナフィッシュ」の謎を追ううちに、自らを男娼としていたディノと敵対することになる。孤独と幼少時からの精神的外傷(作中では、7歳の時に最初の性犯罪の被害に遭っている。)、自己嫌悪、罪悪感に苛まれながらも配下・敵の前では常に冷酷非情とも取れる強い態度を崩さない。英二と出会い無償の愛を知ることで、心が癒され救われていく。しかし英二を命懸けで守ろうとするが故に、英二の存在が最大にして唯一の弱点となる。好きな食べ物はアボカドエビが入ったサラダ、日本食も食べられるが納豆が苦手。また太ると言う理由からアメリカ人にしては珍しくハンバーガーが嫌い。アッシュの容姿のモデルは、初期は元テニス・プレイヤーのステファン・エドベリ。シリーズ途中からは俳優のリヴァー・フェニックスに変更されている。アニメ版では若干キャラクターのデザインが変更されている。
奥村 英二(おくむら えいじ)
声 - 井上和彦 / 野島健児[4]
演 - 斎藤准一郎(2005年版)、宮下雄也(2009年版)、竹内寿(2012年版)、岡宮来夢(2021年版)カメラマン助手として伊部と共にストリートキッズの取材をした際アッシュと知り合った大学生。アッシュより2歳年上だが、元々目の大きな童顔なのに加え、東洋人であるためアメリカではミドルティーンに見られる。初登場時、ジェンキンス達に「小学生かと思った」と内心で思われ、また後に20歳になってからも、精神衛生センター脱出後に英二を探すアッシュが「20歳になっているはずだが、14,5歳にしか見えない」と英二の特徴を説明している。尚、この時点で身長は「5フィート6,7インチ(約170cm)と説明されている」。ただし「Fly boy,in the sky」では「187cmの水野に対して15cm背が低い」と説明があるため、17歳時点で172cmが正しいと思われる。アッシュが信頼し唯一心を許す人物。アッシュの最も大切な存在として敵に狙われることも多く、彼の弱点ともなってしまうが、英二もアッシュを真に理解し救いたいという意思を持ち、その一心から行動を共にする。アッシュとは対照的に明るく穏やかな性格だが、無鉄砲で頑固な面もある。島根県出雲市出身。実家には両親ときょうだいに妹が一人いる。高校時代はインターハイで2位になるほどの実力を持つ棒高跳の選手であったが、怪我のため跳べなくなった。本作より前に発表された短編「Fly boy,in the sky」に既に登場しており、この時点では島根県在住の高校2年生であった。本編の最終話から7年後を描いた後日談「光の庭」ではマンハッタンでカメラマンとして独立。その後を描いた「New York sense」では、26歳で永住権を取得、28歳で個展を開催し成功を収め、人気カメラマンとなっている。また英二の写真は「優しさがある」と評論家達の評価を受けている。定期的に個展を開くなどかなりの売れっ子となっている。英二の容姿のモデルは、俳優の野村宏伸。作者がアニメ映画『ボビーに首ったけ』(1985年)でキャラクターデザインを担当した際、ボビー役の声優を務めた野村と雑誌対談したのがきっかけ。「Fly boy,in the sky」(1984年/20巻収録)時点では、英二のモデルは野村ではなかった。
伊部 俊一(いべ しゅんいち)
声 - 池田成志松本保典 / 川田紳司[5]
演 - 山本健史(2005年、2009年版)、柳憂怜(2012年版)、冨田昌則(2021年版)英二と同じく短編「Fly boy,in the sky」で初登場。この時点では美大の3年生であったが、英二をモデルとしたキヤノン A-1の広告写真で認められてその後、プロのカメラマンとなった。本作にはカメラマンとして登場。マックスとは友人同士。怪我のせいでスランプに陥っていた英二を伴ってニューヨークに取材のため訪れたことから事件に巻き込まれる。英二の兄貴分で、多少過保護な面も見られる。
マックス・ロボ(Max Lobo)
声 - 生瀬勝久佐戸井けん太 / 平田広明[4]
演 - 松木賢三(2005年版)、田中照人(2009年版)、比佐一平(2012年版)、内田朝陽(2021年版)本名はマックス・グレンリード。兵役中はアメリカ陸軍軍事顧問団第3部隊第7小隊に所属、後にニューヨーク市警警官を経てフリージャーナリストとなる。アッシュの兄グリフィンとはベトナム戦争での戦友であったが例の事件の後顔を合わせる事はなかった。その事を後に出会ったアッシュに責められるが本人も気に病んでおり、単身事件に関する情報を集めていた。刑務所で知り合ったアッシュと共にバナナフィッシュを追い、作品の途中から『ニューズウィーク』の契約記者となる。アッシュの良き理解者となり、父親のように彼に接する。自身の著述に関してはアッシュから「ルポよりコラムの方が面白い」と評されており、本人はやや不本意としている。
グリフィン・カーレンリース(Griffin Callenreese)
声 - 橋本じゅん / 布施川一寛
演 - 武原広幸(2005年、2009年版)、田中稔彦(2012年版)アッシュの年の離れた兄。物静かで大人しい詩人タイプの人間だったため、凄惨を極めるベトナムの戦場に耐えられずドラッグに手を出した。それがエイブラハム・ドースンがもたらした「バナナ・フィッシュ」であったため精神を破壊され廃人同然となってしまう。その後入院していた病院からアッシュによって連れ出され、彼の看護を受けながら十年間後遺症に苦しむが、一時的に匿われていた町医者の元を訪れた英二を尾行してきたエイブラハムに発見され動揺した彼に撃たれて死亡する。のちに自らドラッグに手を出したわけではなく、エイブラハムの動きに気付いてしまったためにドラッグを打たれたことが語られた。
ジョージ・スコット(George Scott)
声 - / 稲垣拓哉マックス・ロボの友人であり、弁護士。マックス・ロボと元妻ジェシカ・ランディの息子マイケル(声 - 富田美憂)の養育権争いでマックス・ロボの弁護を担当している。マックス・ロボからアッシュ・リンクスの保釈手続きを依頼される。黒髪で顔一面に髭を生やした男性。
ジェシカ・ランディ(Jessica Randy)
声 - 若葉ひろみ / 深見梨加マックスの元妻で雑誌記者。マックスと一度離婚し、彼との間に生まれた一人息子のマイケルを育てている。非常に気丈な上タフで、ある事件から精神・肉体共に大きな傷を負うも、後には武器を手に戦闘に加わる。アッシュらと共にバナナフィッシュを追ううちにマックスとの愛情を再確認し復縁する。
ジェームズ・カーレンリース(James Callenreese)
声 - 大谷亮介 / 星野充昭アッシュとグリフィンの父。通称ジム(Jim)。ケープコッドでダイナー兼酒場を営んでいる。3度結婚している。当初は久々に帰郷したアッシュを邪件にして追い出そうとしたが店がゴルツィネからの追手に襲われたときに人質にされ負傷。アッシュが追手の一人を射殺した時はアッシュから銃を取り上げて指紋をふき取るなどして父親らしくアッシュ達を庇った。
ジェニファ(Jennifer)
声 - / 釘宮理恵ジムの3人目となる内縁の妻。グリフとアッシュの事実上の継母にあたる。グリフを除いた身内では、アッシュが唯一好意的に接した優しい性格の持ち主。ゴルツィネからの追手に襲撃された際、流れ弾に被弾して絶命してしまう。彼女を撃った追手の一人はアッシュによって射殺される。
コルシカ・マフィア
ディノ・フランシス・ゴルツィネ(Dino Francis Golzine)
声 -
川久保潔 / 石塚運昇[4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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