いずれの券種ともデザインは人物肖像や風景などの図柄は無く表面・裏面ともに唐草模様と彩紋模様のみで構成されており、寸法が同じ券種についてはほぼ同じ図案となっている[6]。
表面には日本語と英語で「軍票」「MILITARY CURRENCY」、裏面には日本語と英語で「軍事布告に基き發行す」「ISSUED PURSUANT TO MILITARY PROCLAMATION」という文言が記載されており、B型軍票であることを示す「B」の袋文字が表面に大きく印刷されている[注 1][6]。また額面表記は英語表記、漢字表記、アラビア数字表記の3種類の表記となっている[6]。発行者や兌換保証、製造者を示す表記は一切無く、発行権者の印章や署名等の記載もない[4]。
記番号については、千円券以外の券種はいずれも英字1文字+アラビア数字8桁+英字1文字の形式となっており、千円券のみ英字1文字+アラビア数字6 - 7桁+英字1文字である[11]。弐拾円券以上の券種は2箇所、拾円券以下の券種は1箇所に黒色で印字されている[6]。 券面の寸法はアメリカ合衆国ドル紙幣[注 2]と類似した規格のものとなっている[6]。透かしは入っていないが、これも当時のアメリカ合衆国ドル紙幣と同様である[6]。 使用色数は、千円券以外の券種はいずれも表面5色(内訳は輪郭1色、文字1色、地模様2色、記番号1色)、裏面2色(内訳は輪郭1色、地模様1色)となっており[6]、千円券に限り表面5色(内訳は凹版印刷による輪郭・文字1色、地模様3色、記番号1色)、裏面2色(内訳は輪郭1色、地模様1色)となっている[12]。百円券以下の券種については、表面の文字色を除き同じ刷色で印刷されている[6][12]。 明治以降第二次世界大戦末期まで、本土地域と同じく日本円の通貨(紙幣・硬貨)が用いられていた[14]。しかしながら沖縄への米軍進攻開始以降、米軍占領下の沖縄県や鹿児島県奄美群島(トカラ列島含む)では世界的にも例のない27年間に5回もの頻度で通貨切替と通貨制度の変更が行われることとなった[15]。本項ではB円を中心に前後の通貨制度の変遷も含めて記述する。 沖縄本島周辺では沖縄戦による甚大かつ壊滅的な被害と社会基盤の荒廃が原因で経済活動が完全に破壊されて消滅していたため、1945年4月以降のアメリカが占領した直後にはいずれの通貨も流通せず、アメリカ軍による無償の配給と物々交換による取引が行われていた(無通貨時代)[8]。
用紙・透かし
版式刷色
沖縄県、奄美群島とB円
無通貨時代
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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