Au_4G_LTE
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au 4G LTE(エーユー フォージー エルティーイー)は、auブランドを展開するKDDI、および沖縄セルラー電話LTEFDD-LTE)を使用した携帯電話タブレット・データ通信端末向け通信サービスのブランド名称。2012年9月21日iPhone 5の発売と同時にサービスが開始された[1]。以下、本稿では特に注記しない場合、「4G LTE」は本サービスを指すこととする。なお、KDDI、および沖縄セルラー電話は2014年10月27日、同年12月12日より「4G LTE」を利用した音声通話サービス「au VoLTE」(エーユー ヴォルテ(ボルテ))を順次開始すると公式発表した。本稿ではこれについても便宜上記述する。
概要

通信規格には3.9Gに属する技術であるLTEが採用されている。かつて、KDDIではCDMA 1X WIN(のちCDMA 1Xと共に2012年11月2日よりサービス名をau 3Gに改称)の後継となる通信規格としてLTEとほぼ同等の性能を有するUMBの採用を予定していたが、主要各国のCDMA事業者がLTE採用を表明したことを受けて、2008年にLTEの採用を正式に決定した[2]

他キャリアのLTEサービスに存在しない独自技術として、音声着信時にLTEから3Gに回線を約4秒で切り替える高速なCSフォールバックである「eCSFB」(enhanced Circuit Switched Fallback)がサービス開始当初から導入されている[3]

約款上は、携帯電話(スマートフォンガラホ)が「LTEデュアル」、データ通信端末・タブレットが「LTEシングル」であり、デュアル契約は第1種と第2種が、シングル契約は第1?4種が存在する。

4Gを「ハイスピード」と呼ぶ場合に、比較上、「ハイスピードプラスエリア」のモードと呼ぶ場合がある(モバイルWIFIサービスなど)。
展開
使用周波数帯auのピコセル(小型基地局)

2014年4月時点では、800MHz帯(Band 18)10MHz幅×2・1.5GHz帯(Band 11)10MHz幅×2・2.1GHz帯(Band 1)20MHz幅×2の計40MHz幅を用いてサービスを提供している。2015年1月より700MHz帯(Band 28)10MHz幅×2でのサービスも順次提供した。
エリア展開

サービス開始当初は、Android・データ通信端末(800MHz帯・1.5GHz帯)とiOS端末(2.1GHz帯)で使用周波数帯が分離されていたため、それぞれの周波数帯でエリアを十分に整備していく必要があった。しかし、800MHz帯を主力とする当初からの整備方針や、電波の性質上、低周波数帯であるAndroid・データ通信端末専用の800MHz・1.5GHz帯のエリア拡大の方が比較的スムーズに進行し、各種メディアの記事にもその傾向が記されていた。

2013年夏モデルより、800MHz帯・1.5GHz帯・2.1GHz帯の3つの周波数帯に対応したAndroid端末の提供が開始された。また、2013年9月からは800MHz帯・2.1GHz帯の2つの周波数帯に対応したiOS端末iPhone 5sおよびiPhone 5cの提供が開始され、Android・データ通信端末とiOS端末の間のサービス提供エリアの差は小さくなっている。

2012年度末(2013年3月)までの実人口カバー率96%の実現を目標としエリア整備を行うとされていたが、これは800MHz帯とその補完バンドである1.5GHz帯のエリアである。また、2014年にはこのエリアの実人口カバー率が99%以上になるとの見通しが、2013年1月28日の決算発表の場での社長インタビューで明らかにされた。その後、2014年3月14日付で800MHz帯によるau 4G LTEの実人口カバー率99%を達成した[4]

2014年4月21日のキャリアアグリゲーションに関する発表の場で、2.1GHz帯のエリアも順次拡大していき、2014年3月末時点で85%である2.1GHz帯の実人口カバー率は、2015年3月末には90%を超える予定だと発表した[5]。その後、2.1GHz帯の実人口カバー率は、2014年6月末時点で90%[6]、2014年7月末時点で91%[7]、2014年9月末時点で92%を達成した[8]

800MHz帯・1.5GHz帯のエリアマップはホームページ上に掲載されているが、2.1GHz帯に関してはエリアマップが提供されておらず、利用可能な市町村名が公開されているのみである。ただし、地下鉄エリアは800MHz帯と同等のエリアに達している。
2013年 au 4G LTEの人口カバー率の案内に関する問題

2013年3月15日、auの総合カタログ、法人向け総合カタログ、サイト上でのau 4G LTEの人口カバー率に誤記があると発表した[9][10]。誤記内容は、「iPhone 5が対応しない周波数帯(800MHz帯・1.5GHz帯)において、下り最大75Mbpsでの実人口カバー率を2013年までに96%を達成する」という内容を「iPhone 5を含む」と記載したというものである。

KDDIは同年5月21日に消費者庁から、これらの広告の内容について、不当景品類及び不当表示防止法第6条の規定に基づく措置命令を受け、同時に記載内容に問題のあったau 4G LTE(iPhone 5が唯一対応する2.1GHz帯)での下り最大75Mbpsエリアの実人口カバー率が14%であることを明らかにした[11]。なお、2013年5月21日時点では下り最大37.5Mbpsでの実人口カバー率は公開されなかったが、同年6月10日に同年5月末現在の実人口カバー率が71%であることを公表した[12]
通信速度

サービス開始当初は800MHz帯・1.5GHz帯・2.1GHz帯のすべてにおいて、下り最大75Mbps(10MHz幅)でのサービスが提供されていた。なお、2.1GHz帯の多くのエリアでは下り最大37.5Mbps(5MHz幅)での提供であった。これは他社の高速通信サービスと同様に、4G LTE非対応端末の収容のために3Gの周波数帯を十分に残す必要があったためである。

2013年5月20日の2013年夏モデル発表会の場で、2.1GHz帯における下り最大100Mbps(上り最大15Mbps)のサービスの開始が正式に発表された。なお、基地局の仕様では下り最大112.5Mbpsまで対応しており、対応端末が発売され次第、同速度でのサービス提供の開始が可能となっていた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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