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CDMA 1X WIN(シーディーエムエー ワン〈いち〉エックス ウィン)は、auブランドを展開しているKDDIおよび沖縄セルラー電話がかつて展開していた第3.5世代移動通信システム(3.5G)サービス。通称WIN。 2003年(平成15年)10月22日に発表され、同年11月28日よりサービスが開始された。以来、従来のCDMA 1Xに代わってauの主力サービスとなっていたが、次世代サービスであるau 4G LTEの普及に伴い2018年11月7日をもって新規受付を終了し、2022年(令和4年)3月31日を以ってサービスを終了した。 データ通信にCDMA2000 1x EV-DO Rel.0方式[1]を使い、携帯電話で初めてパケット定額制を導入した。通信速度が下り最大2.4Mbps (Rel.0) または最大3.1Mbps(Rev.A)、最大9.3Mbps[2] (MC-Rev.A) と、NTTドコモのmovaなどのPDCや、auのCDMA 1X(Aシリーズ全機種、および2013年冬モデルのあんしんGPS KYS11など)で採用されたCDMA2000 1x MC (CDMA2000 1xRTT) と比べて通信速度の向上を図った。音声通話、およびごく一部のエリアはCDMA 1X同様、CDMA2000 1x MCを用いる。 定額・高速というメリットを生かし、その名のとおり曲をフルコーラスのままダウンロードし端末で聞けるEZ「着うたフル」を筆頭に、「EZチャンネル」や大容量かつ高速で動作するアプリケーション「EZアプリ (BREW) 」などのサービスを提供している。2004年までは、サービス・端末ともにCDMA 1Xが主流であったが、2005年春以降はWINを同社の主力サービス・商品としている。 WIN端末は、CDMA2000 1xMC方式のエリアでも利用できるため、音声通話と下り最大144Kbpsのデータ通信 (CDMA2000 1xMC (CDMA2000 1xRTT) ) のみ可能なエリアもある。また、他社(他キャリア)の3Gサービスと異なり、2013年4月現在、N800MHz帯(新800MHz帯・CDMA Bandclass 0 Subclass 2)を主体に利用している。 2012年7月24日までに総務省が行う電波周波数の再編を受けて、新たな電波帯域である2GHz帯 (CDMA Bandclass 6) およびN800MHz帯を整備しており、au ICカード非対応機種(2005年以前の全モデルと2006年・2007年の一部モデル)の新規受付も2010年8月8日をもって終了した。 その後、2012年7月22日をもってcdmaOne、およびCDMA 1Xの各サービスと同時にau ICカード非対応機種のサービスを終了し、au ICカード対応機種でN800MHz帯非対応機種についても、ほとんどのエリアで通話・通信サービスが終了したが、一部のエリア(2GHz帯エリアと思われる)で引き続き利用できる場合があるとしている[3][4]。 2012年9月21日より同キャリアによるLTEサービス「au 4G LTE」が開始されたのに伴い、従来の3G(3.5G)サービスとなったCDMA 1X WINは同年11月2日よりサービス名を「au 3G」(エーユー スリージー)に改称したため、現在では一部のサービス(「EZ WIN」「WIN HIGH SPEED」など)を除き、ほとんど使用されていない(正式名称が変更された訳ではない)。 2015年1月30日発売のAndroid搭載スマートフォンの「miraie KYL23」、同年2月20日発売のAndroid搭載フィーチャーフォンの「AQUOS K SHF31」(両者ともにデータ通信のみau 4G LTEにも対応)をもって対応機種の新規開発をすべて終了した[5]。 なお、2017年10月現在の時点において、同サービス専用機種で、なおかつ新品として入手(購入)可能な機種はmamorino3 (KYY05) のみ(既に生産終了済みで在庫対応分のみの販売扱い)となっていたが、2018年2月をもって販売終了となった。iPhoneについても、iPhone 7、およびiPhone SE(第1世代モデル)までは本サービスを利用可能だったが、iPhone 8、およびiPhone SE(第2世代モデル)以降の端末よりCDMA2000に非対応となったため利用できなくなった。ただし、iPhone 6s、およびiPhone 7、iPhone SE(第1世代モデル)、GRATINA 4G KYF34はいずれもVoLTEによる4G音声通話サービスに対応しているため、2022年4月1日以降もVoLTEによる4G音声通話サービスを利用する事で端末が寿命を終えるまで使用可能となる。 KDDIと沖縄セルラー電話の各auブランドは、NTTドコモに次いで日本で2番目の第三世代携帯電話であるCDMA 1X(CDMA2000 1x MC方式)を開始した。高速・低価格が特徴であったが、最大通信速度は144Kbpsに限られ、大容量データの配信にはさらなる高速化・効率化が必要であった。また、通信機能の発達によりデータ通信を多用するユーザーが増え、データ通信定額制も求められていた。そのため、KDDIと沖縄セルラー電話は、auブランドで2003年11月28日に日本初の第3.5世代携帯電話(CDMA2000 1x EV-DO Rel.0方式)である、CDMA 1X WINを開始した。 定額制の対象は、端末単独でEZwebやEメールを利用する場合であり、パソコンや携帯情報端末に繋げて利用するデータ通信が定額となるのは、トラフィック制御機能を備えた一部の機種に限られる。 WINの名称は「We Innovate the Next」の略であり、他にはキャリア、ユーザー、コンテンツプロバイダ、端末納入メーカーなどの「WIN-WIN」の関係を築く、「ドコモにWIN(勝利する)」等の意味も込められているとされる。 以下本項目全体において、日本国消費税法の規定に基づき、価格表記は原則として消費税課税後の価格を記載する。 CDMA 1X の課金体系は旧IDO地域と旧セルラー地域で異なっていた[12]が、CDMA 1X WIN の課金体系は全国共通となった。なお、CDMA 1X に比べCDMA 1X WIN はパケット通信料金は値下げされたが、通話料金は料金プランの無料通話額が減ったために実質値上げされている。ソフトバンクモバイルが仕掛けた「料金戦争」の結果、ソフトバンク、NTTドコモとの差は小さくなった。 「無料通話分」は通話料金の先払い分であり、プランごとの単価に基づいて通話料金が精算され、無料通話分を使い切った後利用料金の加算が開始される。なお、通話料単価は、プランLLが1分あたり、ほかは30秒あたり。 料金プラン基本料金通信・通話料単価備考 備考プラン体系の名称が同一であるNTTドコモの新料金プランとの差は次のとおり。
概要
沿革
2003年04月30日 - 2GHz帯での1xEV-DO Rel.0によるデータ通信試験サービスを開始。
2003年11月28日 - CDMA 1X WIN開始。
2004年08月01日 - EZフラットをダブル定額に変更。
2005年05月01日 - パケット割WINをダブル定額ライトに変更。
2005年11月01日 - 基本料金を改定。
2006年12月13日 - 1xEV-DO Rev.A によるデータ通信サービスを開始。
2009年11月09日 - 無料通話なし、Eメール無料の料金プラン「プランE」を追加。
2010年08月08日 - au ICカード非対応機種の新規申込受付を終了。
2010年11月05日 - 1xEV-DO MC-Rev.A (1xEV-DO MC) による「WIN HIGH SPEED」データ通信サービスを開始。
2011年09月28日 - 無料通話なし、au宛通話が定額制の料金プラン「プランZシンプル」を追加。
2012年07月22日 - L800MHz(旧800MHz・CDMA Bandclass 3/JTACS)帯によるCDMA 1X WINサービスを終了[3]。
2012年11月02日 - CDMA 1Xと統合される形でau 3Gのサービス名とする。ただし正式名称はCDMA 1X WINのまま。
2018年07月20日 - 同年11月07日をもって新規契約を終了する旨を発表[6][7]。
2018年11月16日 - 本サービスを2022年(令和4年)3月末に終了する旨を発表[7][8][9]。巻き取り本格始動。
2022年03月31日 - サービス完全終了、および停波[10][11]。
WIN開始の背景
課金体系
料金プラン
フルサポートコースシンプルコース無料通話分音声テレビ電話等の
デジタル通話料
プランE3,240円1,560円なし21円37.8円2009年11月9日から
プランSS3,780円1,961円1,050円21円37.8円2005年11月1日から
プランS4,935円3,255円2,100円16.8円29.4円
プランM6,930円5,250円4,252円14.7円26.25円
プランL9,975円8,295円6,615円12.6円22.05円
プランLL15,750円14,070円12,600円15.75円28.35円分単位課金。
2005年2月14日から
プランW6,640円4,960円2,480円(国際電話専用)21円37.8円
プランZ(シンプルコース専用)1,961円なし21円37.8円auあての通話が午前1時から午後9時まで無料
プランSSはドコモと同一である。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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