Ask.com
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Ask.com
URL ⇒www.ask.com
種類子会社
言語英語
タイプ検索エンジン
Q&Aサイト
設立1996年6月3日 (27年前) (1996-06-03)
(Ask Jeeves)
本社所在地 アメリカ合衆国
カリフォルニア州オークランド[1]
運営者IAC
設立者Garrett Gruener
David Warthen (創設者)
Douglas Leeds (CEO)
登録任意
現在の状態運営中

Ask.com(アスクドットコム)は、検索エンジンQ&Aサイトを提供する、ポータルサイトである。
概要

Ask.comはインターネットの黎明期から存在する検索サービスである。かつてはAsk Jeeves社(アスク・ジーブス)が運営していたが、2005年以降は雑誌ニューズウィークなどを所有するコングロマリットのIACが運営している。検索サービスは寡占化が進んでいるためシェアは数パーセントに過ぎないが、アメリカ合衆国では5社中4位のデスクトップ検索サイトである[2]。利用者は4160万人/月に半減したが、アメリカ合衆国で第15位のデスクトップ・ウェブサイト(2015年12月)でもある[3]。かつては独自の検索エンジンを開発し、日本向けにカスタマイズも行っていた。しかし2009年にAsk.jpが終了し、2010年には検索エンジンの開発も終了した。2011年にQ&Aサイトを開始して独自のコンテンツを確保すると共に、IACグループの広告枠を1億2500万ドルでGoogleに販売して収益をあげている[4]。検索サービスも継続しており、現在でもwww.ask.jpで日本語検索を行うことが出来る。
機能

英語版には、検索サイトとコミュニティ型のQ&Aサイトがある。検索サイトではウェブ検索の他に画像検索やニュース検索、動画検索を行うことが出来る。また地図と連動した地域情報の検索(AskCity)やQuixey社が提供するモバイルアプリケーション情報など、他社のサービスを独自のユーザーインターフェースで検索するサービスも提供している。Q&Aサイトでは、コミュニティに対して質問を投稿することができる。またトップページには四つの選択肢の中から正解を選ぶ、クイズ形式の「Question of the Day」があり、Q&Aサイト検索に誘導している。日本語版は検索サイトのみで、ウェブ検索を行うとQ&Aサイトも検索して、結果を表示する。かつては日本語版でも動画検索やブログ検索が可能だったが、現在は画像検索のみに対応している。
ツールバー

Ask.comはウェブブラウザ用のツールバーを提供しており、javaインストール時や他社のフリーソフトと共にインストールされる場合がある[5]。ツールバーをインストールすると、Internet Explorerのホームページとデフォルト・サーチエンジンが変更される[6]。これはツールバーをアンインストールしても、自動的に元には戻らないので、Internet Explorerの「ツール」メニューから「インターネットオプション」を開いて、手動で変更しなければならない[7]。アンインストール時のエラー対策には、ToolbarUtilityTool.exeが用意されている[7]
Microsoftの対応

マイクロソフトでは2015年6月1日以降、ユーザーの予期せぬ動作を行うツールバーをマルウェアとして検出するように自社セキュリティ製品の検出評価基準を変更。その結果Ask Toolbarはマルウェアとして扱われる事となった。

なおAsk Toolbar ver.12.28.1.1402では問題点が修正されたため、マルウェアとしては検出されない。[8]
歴史
1990年代

AskJeevesは1996年にギャレット・グルーナーややデイビッド・ウォーヘンらが設立した会社である。Mr.Jeeves(ミスター・ジーブス)とは、イギリスのユーモア小説「比類なきジーヴス」に登場する有能な執事のことである。AskJeevesの検索エンジンはグレイ・シェヴスキーが設計した質問応答システムを基に開発され、キーワード検索だけでなく質問文による自然語検索にも対応していた[9]。そのため「わからないことがあったらジーブスに聞いてみよう、ジーブスは何でも知っている」[10]という社名になったと言う。AskJeevesは人気を得て、1999年にNASDAQに上場した。
2000年代前半

AskJeevesの検索エンジンは、Teoma(テオマ)というブランド名で語られる事もあるが、これは2001年に買収したTeoma社の検索エンジンに由来する。TeomaはGoogleと同じようにページランクに基づいて検索を行うだけでなく、検索語の主題を理解して、その主題に関係するウェブページから検索を行う「サブジェクト・スペシフィック・ポピュラリティ」(Subject Specific Popularity)と言うアルゴリズムを採用していた。当時のGoogleで「原子爆弾」を検索すると、「原子爆弾」から「原子爆弾並みに美味しいお菓子」まで原子爆弾と書いてあるウェブページは何でも検索対象とし、その中からリンク数の多いウェブページを一覧表示した。これに対してTeomaはウェブページをグループに分けて「原子爆弾並みに美味しいお菓子」を検索対象から除外して、「水素爆弾」や「第二次世界大戦」などを検索対象に加える。また爆弾に関するグループ(コミュニティ)の中から評価の高いウェブページを「エキスパート」として抽出し、そのページからリンクされているウェブページに高い評価(オーソリティ)を与えて一覧表示した[11]。このアルゴリズムは「検索クエリのテンプレートを用いることで関連度の低い情報を排除する方法」として特許登録されており、2000年代前半の検索分野における重要特許の1つだと言われている[12]。また他社と比べるとインデックスしているページ数が少ないものの、1990年代には不可能だと思われていた、SSPを使ったリアルタイム検索を実装した点でも評価が高かった[13]。TeomaはGoogleキラーとして期待され[14]、2001年頃はAbout.comやiWon、MSNLycos[14]や企業向けの検索システム[15]で利用された。2004年にはExciteの親会社を買収してポータルサイトフリーメールサービスを手に入れて、ヨーロッパや日本に進出した。
2000年代後半

InterActiveCorp社はアメリカ合衆国のテレビショッピング会社のHome Shopping Networkの放送部門が、1986年に分社化して出来た会社である。その後、バリー・ディラーが経営権を握り、200x年代前半にはTicketmaster(チケット会社)やMatch.com(出会い系サイト)、Expedia(旅行サイト)など多数のインターネットサービスを所有するコングロマリットになっていた。IAC社はGoogleなどのインターネット検索によって、自社のポータルサイトのコンテンツ配布機能が脅かされていると感じていた[16]。そのため2005年にAsk Jeevesを買収して、検索業界に参入した。Ask Jeeves社の社名はその後「IAC Search & Media」となり、マスコットキャラクターのMr.Jeevesは姿を消した。米国版ではオプション指定により表示する方法があったようだが、2013年現在は使用不能である。一方、イギリス版では復活し[17]、2013年現在も健在である。

2004年から2008年頃はWeb 2.0時代で、ブログやブログ・メディアが流行した。AskJeevesはフィードリーダーとして有名なBloglinesを買収した。Ask.comはリアルタイム性を重視したブログ検索エンジンを開発して、ブログを投稿してから数秒で検索できるようにした[13]。2000年代中盤は動画共有サイトが始まった時代でもあった。Ask.comは動画検索エンジン[18]や高品質な画像を探すことが出来る画像検索エンジンを開発した。またテレビ広告を積極的に行って知名度を高め[19]、欧米で利用者を急増させた[20]。しかし結局、検索市場でシェアを伸ばすことは出来なかった[21]

2008年、親会社のIACは子会社を再編し[22]、Ask.comのCEOを交代させ[21]、リストラを実施した[23]。またGoogleに広告枠を売って収益を改善した[24]。Ask.jpは2009年に終了して、日本独自の開発を終了した。2010年には米国でも検索エンジンの開発を終了し、Bloglinesのサービスも停止した。2011年からは知名度の高さを生かしてQ&Aサイトを開始し[25][26]、モバイル分野に注目している[27]
2010年代前半

2013年のAsk.comはシェアは数パーセントに過ぎないが、アメリカ合衆国で第4位の検索サイトだった[28][注釈 1]。利用者は1億809万人/月に達し、アメリカ合衆国で第8位のウェブサイト(2012年11月)でもあった[29]
沿革
Ask Jeeves時代


1996年 - Ask Jeeves社を創業

1997年4月 - AskJeeves.comを開始
[30][注釈 2]

1999年7月 - NASDAQに上場[30]

2001年9月 - 検索エンジンのTeoma社を買収[14]

2003年1月 - Teoma 2.0で「Advanced Search」機能を強化し[31]、5億ページをインデックスした。 バーナー広告を廃止[32]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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