有権者の優先順位は以下のように分けられる:
有権者の42%
(メンフィスに近い)有権者の26%
(ナッシュビルに近い)有権者の15%
(チャタヌーガに近い)有権者の17%
(ノックスビルに近い)
メンフィス
ナッシュビル
チャタヌーガ
ノックスビル
ナッシュビル
チャタヌーガ
ノックスビル
メンフィス
チャタヌーガ
ノックスビル
ナッシュビル
メンフィス
ノックスビル
チャタヌーガ
ナッシュビル
メンフィス
有権者が、2つの好みの候補に投票し、テネシーの住民が100人だとすると、結果は次のようになる: 単記非移譲式投票では似通った候補(クローン候補
メンフィス: 42 総票
ナッシュビル: 68 総票(勝利)
チャタヌーガ: 58 総票
ノックスビル: 32 総票
性質
クローン独立性
戦略投票との関連
ギバード・サタースウェイトの定理によると、投票者の選好(候補者に関する好みの順序)を集計して1名の当選者を決めるルールは、全候補者に当選の可能性がありかつ特定の1名の投票者の選好のみによって結果が来まるようなものでない限り、戦略投票が有効になる可能性を排除できない。
一方、approval voting においては、承認できる候補をあえて承認しなかったり、承認できない候補をあえて承認することによって投票者にとってより望ましい結果が生まれることはない。すなわち、正直に投票することが各投票者とって常に最善の戦略となる。 approval voting では、1人の投票者が各候補者に行う投票(是認か否認か)の選択は、候補者毎に独立している。つまり、別の候補者で自分が投票した内容を考慮せずに行うことが出来る。よって、投票者にかかる負担は候補者数に比例する。 各候補者を一覧するだけでも候補者数に比例する手間はかかるため、 approval voting は、投票者への負担が最も少ない選挙制度の1つであるといえる。 実際に、approval votingを取り入れた投票方式は歴史上利用され、また現在も使用されている。 approval voting は、当選人数が複数の場合にも応用できる。もっとも単純なのは是認票を得た数が多い順に当選とする方法であるが、これは完全連記制と同様に、各党が定数分のクローン候補
投票者にかかる負担を最小限に抑える
使用
13世紀頃、ヴェネツィア共和国がドージェを選出することになる委員を選ぶのに、approval votingの複雑な制度とくじによる抽選を使用したのが、確認できる最古[3]。
国際連合での事務総長の選出における調査投票
Instant-runoff voting に似た方式の、Bucklin voting
approval voting(賛成/反対)は、英語版ウィキペディアの裁定委員会の委員を選出するのに用いられている。実際の選出はジミー・ウェールズの判断でなされるが、信任票がコミュニティの支持に関する情報を集めるのに使われる[5]。
2018年には、ノースダコタ州ファーゴ市議会はアメリカ合衆国史上初めて、市議会議員選挙にapproval votingを導入した[6]。
比例代表への拡張
Proportional approval voting (PAV)
2001年にForest Simmonsによって提案された。選挙結果に対する投票者の「満足度」を定義し、各投票者の「満足度」の総和を最大化する候補者の集合として当選者を決定する。
是認した候補者のうち n {\displaystyle n} 人が当選した投票者の「満足度」は s n {\displaystyle s_{n}} と定義される。 s n {\displaystyle s_{n}} は任意の増加列にとれるが、Simmonsの提案では s 0 = 0 , s n = 1 + 1 2 + ⋯ + 1 n ( n = 1 , 2 , … ) {\displaystyle s_{0}=0\ ,\ s_{n}=1+{\frac {1}{2}}+\dots +{\frac {1}{n}}\quad (n=1,2,\dots )}
であった。これはドント方式の類推であると見なせる。
PAVの当選者決定はNP困難である[8]。つまり、大規模な選挙においては現実的な時間で当選者の決定を行うことが不可能であると予想されている。
PAVの例を次に示す。候補者はA,B,C,Dの4人でこのうち2人が当選するとする。満足度は s n = 1 + 1 2 + ⋯ + 1 n {\displaystyle s_{n}=1+{\frac {1}{2}}+\dots +{\frac {1}{n}}} によって定義されるとし、投票は次のようであったとする。
是認する候補の集合ABACBCD
投票数108764
当選者の組み合わせとしてありうるのはAB,AC,AD,BC,BD,CDの6通りで、それぞれについて「満足度」の総和は次の表のようになる。
当選者
ABACADBCBDCD
満足度AとBを是認した投票者15101010100
AとCを是認した投票者8128808
Bのみを是認した投票者700770
Cのみを是認した投票者060606
Dのみを是認した投票者004044
全投票者の合計302822312118
よってBとCが当選となる。
Sequential proportional approval voting (Sequential PAV)
トルバルド・ティエレが20世紀初頭に発明し、スウェーデンで1909年以降の短期間だけ使用されていた選挙制度である。
この方式だと票の重さは当選を出す度に w n = 1 + 1 2 + ⋯ + 1 n {\displaystyle w_{n}=1+{\frac {1}{2}}+\dots +{\frac {1}{n}}} で逓減されいくと定義される。
Sequential PAVの例を次に示す。候補者はA,B,C,Dの4人でこのうち2人が当選するとし、投票は次のようであったとする。
是認する候補の集合ABACBCD
投票数108764
1人目の当選を決めるスコアはA, B, C, Dそれぞれ
A 10+8=18
B 10+7=17
C 8+6=14
D 4
であるから、最初に当選するのはAである。2人目の当選を決めるスコアはB, C, Dそれぞれ
B 10/2+7=12
C 8/2+6=10
D 4
であるから、2人目の当選はBである。よってAとBが当選となる。
またこの手続きはOWAを用いた分析によると、前項のPAVにおける「満足度」の総和を最大化する問題の近似アルゴリズムになっていて、近似比は 1 − 1 e {\displaystyle 1-{\frac {1}{e}}} であるとする見解もある[9]。 2010年にSteven Brams
Satisfaction approval voting (SAV)
SAVの例を次に示す。候補者はA,B,C,Dの4人でこのうち2人が当選するとする。
是認する候補の集合ABACBCD
投票数108764
本項にあるPAVを応用した表にすると、それぞれ次のようになる。
当選者
ABACADBCBDCD
満足度AとBを是認した投票者1055550
AとCを是認した投票者484404
Bのみを是認した投票者700770
Cのみを是認した投票者060606
Dのみを是認した投票者004044
満足度の総和211913221614
よってBとCが当選となる。
また「満足度」の相加について、このような表にすることもできる。
ABCD approval voting に用いる投票用紙の形式はいくつかのバリエーションがある。 もっとも単純な形式は白紙の投票用紙で、支持する候補者の氏名をすべて自書する。また、あらかじめ候補者の氏名が記載されており、氏名に隣接する空欄にYes/Noのような単語を書き込む形式や、マークシート形式の投票用紙とすることも考えられる。
AとBを是認した投票者5500
AとCを是認した投票者4040
Bのみを是認した投票者0700
Cのみを是認した投票者0060
Dのみを是認した投票者0004
全得票の合計912104
投票用紙の種類
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