Apple A9とはAppleが設計した64ビットARM SoCである。Appleの64ビットアーキテクチャーのモバイルCPUとしては第3世代目にあたる。
2015年9月9日(現地時間)に発表されたiPhone 6s・iPhone 6s Plusに搭載され、2016年3月22日(現地時間)に発表されたiPhone SE (第1世代)にも搭載された。iOS 16においてサポートが終了されたが、iPadOS 16では引き続きサポートされている。
Appleは前世代のApple A8と比較して70%のCPU、90%のGPUの向上を発表している[6]。また、この世代からHEVCのハードウェアデコーダー(エンコーダーは次世代のApple A10から)を搭載している[7]。 動作クロック周波数は2.23GHzでデュアルコア、性能面ではシングルコアだけでApple A7に相当する性能を持つ。また、L2 Cacheが3MBと大幅強化されており、Apple A8の1MB、Apple A8Xの2MBを上回る。内蔵のRAMもA7?A8で採用されていた1GB(LPDDR3)から2GB(LPDDR4)へと変更された。このA9以降から、A8以前まで外部にあったモーションコプロセッサがSoCに内蔵される形へと変更された。また、ARKitもこの世代から対応する。 製造はサムスン電子とTSMCが分担している。CPUの処理性能を測るベンチマークではどちらも誤差といった範囲だが、バッテリ持続時間ではTSMC製を搭載したiPhoneの方が長持ちするといった報告が複数上がっている(中にはサムスン電子製の方が長持ちするといった結果もある)。この結果についてAppleは性能の差は認めたものの、「様々な部品の違いを考慮に入れても、わずか2?3%の範囲内である」と述べている[8][9]。サムスン電子は「14nm LPEプロセス」、TSMCは「16FF」と公称されているFinFETのプロセスルールを用いている。両社には全く違うパターンが必要で設計は二度手間になるのでこうした委託の仕方は珍しいものとされている。ちなみにサムスン版は面積が96平方ミリメートル、TSMC版は104.5平方ミリメートルとされている。これらのため、同一モデルの機種であっても個体によって搭載されているチップが異なる。詳細は「iPhone 6s#CPU Gate 問題」を参照
採用製品
Apple A9
iPhone 6s (2.23GHz)iPhone 6s Plus (2.23GHz)iPhone SE (第1世代) (2.23GHz)iPad (第5世代) (2.23GHz)
設計
問題
関連項目
Apple A9X
Appleシリコン
出典[脚注の使い方]^ “ ⇒Phone 6s のA9プロセッサは最大2.23GHz、L2キャッシュ3MB、メモリ容量は2GB仕様”. MACお宝鑑定団 (2015年9月22日). 2015年11月23日閲覧。
^ “Revealed:Geekbench3 - Apple A9
^ Joshua Ho (2015年9月28日). ⇒“iPhone 6s and iPhone 6s Plus Preliminary Results” (英語). ANANDTECH. ⇒http://www.anandtech.com/show/9662/iphone-6s-and-iphone-6s-plus-preliminary-results
^ a b c “ ⇒Inside the iPhone 6s”. Chipworks (2015年9月25日). 2015年9月26日閲覧。
^ “ ⇒Apple A9 / PowerVR GT7600”. notebookcheck (2015年9月25日). 2015年9月27日閲覧。
^ ⇒iPhone 6sには新世代チップ「A9」64bitプロセッサが搭載。これまでの70%速くなる! : ギズモード・ジャパン
^ Inc., Apple. “Introducing HEIF and HEVC - WWDC 2017 - Videos - Apple Developer
^ ⇒A9 is TSMC 16nm FinFET and Samsung Fabbed 。Chipworks
^ ⇒“Apple曰く、新iPhoneのA9チップのバッテリー性能差はわずか2?3%”. TechCrunch Japan. (2015年10月9日). ⇒http://jp.techcrunch.com/2015/10/09/20151008apple-says-battery-performance-of-new-iphones-a9-chips-vary-only-2-3/