Appleの歴史
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Appleの現行ロゴマーク

本項では、多国籍テクノロジー企業 Appleの歴史(アップルのれきし)について記述する。Appleは1976年4月、スティーブ・ジョブズスティーブ・ウォズニアック、およびロナルド・ウェイン(英語版)によって、マイクロコンピュータの「Apple I」を販売するために創業された。1977年1月に法人化された後、同年に発売された「Apple II」が大ヒットしたことでAppleは急成長を遂げ、1980年に新規株式公開を果たすとジョブズやウォズニアックは億万長者となった。その後、Appleは革新的なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を備えるコンピュータの開発に向かい、1984年には初代「Macintosh」を発売した。1985年、ウォズニアックは会社を去り、その後社内で失脚したジョブズもまたAppleを離れ、新会社「NeXT」を設立した。1990年代に入ると、AppleのコンピュータはインテルのプロセッサとMicrosoft Windowsを搭載するPCに対して市場シェアを失い、業績も悪化した。

1997年、オペレーションシステム (OS) 開発に失敗したAppleは、有望なOSを持つNeXTの買収を決定し、その結果ジョブズが会社に復帰した。AppleのCEOに任命されたジョブズは、1998年に「iMac」を成功させた後、2001年には「iPod」を発表し、Apple製品の地位を再び引き上げた。2007年1月、Appleがコンピュータ以外の電化製品に重点を移したことを反映し、それまでの「Apple Computer, Inc.(アップルコンピュータ)」から「Apple Inc.(アップル)」に社名が改められた。同年に発売されたApple初のスマートフォンiPhone」は大きな成功を収め、Appleに莫大な利益をもたらした。2011年8月、ジョブズは健康上の問題でCEOを辞任し、ティム・クックが後を継いだ。ジョブズは2カ月後の2011年10月5日に亡くなった。
1971?1983
創業までの経緯

1971年の夏、当時16歳のスティーブ・ジョブズと当時21歳のスティーブ・ウォズニアックは共通の友人ビル・フェルナンデスの紹介で知り合い、友人となった[1]。2人の商業的な協力関係は1971年の秋に始まり、ウォズニアックが雑誌記事を参考にオリジナルのブルーボックス(英語版)(電話回線を不正利用して無料での長距離電話を可能にする機械)を自作し、ジョブズが学生などを相手にそれを売り回った[1][2]。最終的に200台余りのブルーボックスが販売され、ジョブズとウォズニアックは大きな利益を上げたが、あるとき銃で脅されブルーボックスを奪われたことがきっかけとなり、身の危険を感じた2人は販売を止めた[3][4][5]。ジョブズはのちに、ブルーボックスで商売をした経験がなければAppleが誕生することもなかったのは「100パーセント確実」だと語っている[5]ウォズニアックが1970年代初頭に製作したブルーボックス

1975年までに、ジョブズはリード大学を中退してゲーム会社アタリに、ウォズニアックはカリフォルニア大学バークレー校を中退してヒューレット・パッカード (HP) に勤務していたが、ジョブズがウォズニアックを自分の職場に忍び込ませ、アタリのゲームを無料で遊ばせる代わりに仕事を手伝ってもらうなど、2人の交友関係は続いていた[4]。1975年3月5日には、シリコンバレーのコンピュータマニアによる「ホームブリュー・コンピュータ・クラブ (HCC)」の第1回会合がカリフォルニア州メンローパークで開かれ、ウォズニアックも参加した[6][7]。HCCで当時最新鋭の個人用コンピュータ「Altair 8800」に触れたウォズニアックは大きな刺激を受け、すぐに自作コンピュータの設計に取り掛かった[3]

1976年3月1日までに、ウォズニアックはプロセッサとして安価なMOS 6502を使用し、外部ディスプレイとしてテレビを、入力機器としてキーボードをつなぐことができる自作のマイクロコンピュータを完成させた[8]。ウォズニアックは、のちに「Apple I」と命名されるこのマシンをHCCの会合に持ち込んで披露し、大きな反響を得た[8]。ウォズニアック自身はApple Iの回路図を無料で配布することを望んでいたが、ジョブズはこのコンピュータの商業的可能性に興味を抱き、Apple Iの組み立てに必要なプリント配線板を製造販売するビジネスを2人で始めるべきだと訴えた[9][10][3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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