この項目ではGoogleが開発した、スマートフォンやタブレットに代表されるモバイル機器向けのオペレーティングシステムであるAndroidのバージョンおよびリリース履歴について扱う。
一部の例外を除き、Android DevelopersやGoogleから発表されている標準のAndroidについて記述する。サードパーティー(メーカーまたはキャリア)が独自に追加・改変した機能は含まない。
歴代のコードネームのうち、1.5 Cupcakeから9 Pieまでは頭文字がバージョンの発表順にCからのアルファベット順で始まる菓子の名前が付けられており、マスコットのAndroidロボットが各コードネームの菓子に扮していた[1]。また、コードネームがエンドユーザー向けの製品別名として使われることもあった。Android 10からはこのようなコードネームが廃止され、また色覚障害者にも見やすいようにロゴの変更とマスコットの色味の変更が行われた[2]。ただし開発者向けのプレビュー期間中は、依然としてQやRなどのアルファベット1文字によるコードネームが使われており、またGoogle社内ではQuince TartやRed Velvet Cakeのようなコードネームが使われていた[3]。Android 13以降では、Tiramisuのようなコードネームが開発者向けにも再び公開されるようになっている。Android SDKおよびAndroid NDKには、コードネームに対応したAPIレベルのエイリアス定数も用意されている[4][5][6]。
コードネームバージョンリリース日(現地時間)APIレベルシェア[注釈 1]
(コードネームなし)[9]サポート終了:1.02008年09月23日01(計測対象外)
(コードネームなし)[9]サポート終了:1.12009年02月09日02
Cupcakeサポート終了:1.52009年04月27日03
Donutサポート終了:1.62009年09月15日04
Eclairサポート終了:2.0 - 2.12009年10月26日05 - 07
Froyoサポート終了:2.2 - 2.2.32010年05月20日08
Gingerbreadサポート終了:2.3 - 2.3.72010年12月06日09 - 10
Honeycombサポート終了:3.0 - 3.2.62011年02月22日11 - 13
Ice Cream Sandwichサポート終了:4.0 - 4.0.42011年10月18日14 - 15
Jelly Beanサポート終了:4.1 - 4.3.12012年07月09日16 - 180.4%
KitKatサポート終了:4.4 - 4.4.42013年10月31日191.0%
4.4Wサポート終了:4.4W - 4.4W.22014年06月25日20
Lollipopサポート終了:5.0 - 5.1.12014年11月12日21 - 223.0%
Marshmallowサポート終了:6.0 - 6.0.12015年10月05日233.9%
Nougatサポート終了:7.0 - 7.1.22016年08月22日24 - 255.0%
Oreoサポート終了:8.0 - 8.12017年08月21日26 - 2711.6%
Pieサポート終了:92018年08月06日2816.2%
Qサポート終了:102019年09月03日2923.9%
Rサポート終了:112020年09月08日3028.3%
Sサポート中:122021年10月04日316.7%
Sv2サポート中:12L2022年03月07日32(調査時点で計測対象外)
Tiramisuサポート中:132022年08月15日33(調査時点で未リリース)
Upside Down Cake現行バージョン:142023年10月04日34(調査時点で未リリース)
Vanilla Ice Cream[5]最新プレビュー版:15-35[6](調査時点で未リリース)
凡例サポート終了サポート中現行バージョン最新プレビュー版将来のリリース
Androidの各バージョンには、明確なサポート期間が設けられていない。また、Androidオープンソースプロジェクト(AOSP)に対して、セキュリティ脆弱性(セキュリティホール)を修正するパッチがGoogleによって導入されたとしても、サードパーティーの各ベンダーがそれを取り込んだセキュリティパッチを自社デバイス向けに配信するとは限らない。上記の表では、最新のセキュリティと更新に関する公開情報に対象バージョンが含まれているかどうかを基準にしてサポート状況を記載している[10][11][12][13]。 Androidの各バージョンには対応する「APIレベル」が規定されている。APIレベルは使用可能なアプリケーションプログラミングインタフェース(API)すなわち機能を定めるものである。新しいバージョンのAndroid OSで追加されたAPIを使用するには、アプリケーションのビルドに新しいバージョンのAndroid SDKを使用する必要があるが、アプリケーションが動作できる最小のAndroid OSバージョンを決めるプロパティである「最小SDKバージョン」(minSdkVersion[14])を超えるバージョンのAPIを使用するには、実行環境のAPIレベルに応じて動的に分岐するか、リフレクションを使用してサポート有無を判断する必要がある。 Androidアプリケーションは「ターゲットSDKバージョン」(targetSdkVersion[15])のプロパティを持つ。Androidは旧バージョンのOSの動作仕様を模倣する互換性モードを備えており、新しい仕様変更にはターゲットSDKバージョンに左右されるものとされないものがある[16][17]。例えばアプリケーションのターゲットSDKバージョンが30のとき、Android 12上ではAndroid 11互換の動作が有効となる。アプリケーションのターゲットSDKバージョンを31に変更すると、Android 12本来の仕様に基づいて動作するようになる。ただし、セキュリティ向上などの観点から、新しいバージョンのOS本来の仕様に基づいて動作することが望ましい。2018年以降、Google Playストアでは、新しいアプリやアプリのアップデートは最新のAndroid APIレベルをターゲットに指定することが義務づけられるようになった[18]。この要件は毎年改訂・更新されている[19][20][21]。 Androidの開発は、2003年にAndroid Inc.によって開始された。Android Inc.は、2005年にGoogleに買収された[22]。 ベータ版のリリース前に、Google内部向けに少なくとも2つのリリースが行われている[23][24]。Astro BoyおよびBenderのコードネームが、これらプレリリース段階の中間目標に対して内部的に用いられていた[9]。 Dan Morrillによって最初のマスコットロゴが作成されたが、現在のAndroidのロゴはIrina Blok Androidのベータ版は、2007年11月5日よりリリースした[26][27]。また同年11月12日より、ソフトウェア開発キット(SDK)をリリースした[28]。11月5日はAndroidの誕生日として広く祝われている[29]。SDKのベータ版のリリース歴は以下の通りである[30]。
APIレベルとターゲットSDKバージョン
正式リリース前のバージョン
アルファ版
ベータ版
2007年
11月12日:m3-rc20a[31]
11月16日:m3-rc22a[32]
12月14日:m3-rc37a[33]
2008年
2月13日:m5-rc14[34]
3月3日:m5-rc15[30]
8月18日:0.9 Beta[35][36]
Size:110 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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