この節では、Android Developers
から発表されている標準のAndroid(AOSP)について記述する。サードパーティーが独自に追加(カスタマイズ)した機能は含まない。Androidのユーザーインターフェース(UI)はサードパーティーの端末メーカーによるカスタマイズが許可されており、通例メーカーごとに独自のUIが搭載されている。カスタマイズが施されていない標準のAndroidは通称AOSP版と言われ、Android Open Source Projectのソースコードから直接ビルドしたものを指す。また、メーカーやサードパーティーが開発したものはカスタムROMと言われている。
Androidの基本操作はタッチインターフェースとなっており、指を使って直感的な操作ができるようになっている。表示されたボタン類を押すタップ、長押しタップ(つまむ)、画面端からタップスライドしてメニュー類を表示するスワイプ、マルチタッチによるピンチや回転などができるようになっている[21]。画面をタップした際に、ボタンを押したという感覚を起こさせるために、本体をバイブで振動させる機能を持ち合わせる。ジャイロスコープやGPS、加速度センサーなどのハードウェアをサポートしており[22]、アプリケーション側からそれらにアクセスして活用する事もある。ジャイロスコープは端末を縦向きから横向きに変更する際に使われる事が多い。ゲームの例ではレースゲームで車をハンドル操作する際、端末を傾けてハンドル操作に当てはめるものがある[23]。
ホームスクリーン上には、パソコンのデスクトップ画面のようにアプリケーションのアイコンが並び、アプリをインストールするとホームスクリーン上に自動的に配置される。また長押しタップでアイコンを移動したり、フォルダを作成して格納する機能を持つ。これに加えてウィジェットを配置できるようになっている。ウィジェットは、天気予報やニュースなどのライブ情報などがあり、ホームスクリーンから直接見ることができる。ホームスクリーンは画面外にも複数用意されており、画面を左右にスワイプすることで複数のホームスクリーン間を移動できる[24]。
画面上部にはステータスバーが配置されている[25]。ステータスバーは、通知やシステムの状態情報を表示するためのシステムUIである[26][27]。ステータスバーには通信状態やシステムサービス(Google Mobile Serviceなど)の稼働状況、バッテリー残量、時刻などが表示される。ステータスバーを下方にスワイプすることでクイック設定パネルが表示され、頻繁に使われる機能や各種システム設定(例えばWi-Fi/Bluetooth/機内モード/画面自動回転のON/OFFボタンなど)に素早くアクセスすることができる。クイック設定パネルの下部には通知ドロワーが表示され、通知の詳細を確認したり、各通知からのアプリ操作につなげたりすることができる[28]。通知はステータスバーにもアイコンとして表示され、例えば新着のメールやSMSを受信したりデバイスを接続したりしたときに、ユーザーに作業を中断させることなく知らせることができる。
画面下部には「戻る」ボタン/「ホーム」ボタン/「マルチタスク」(アプリケーションリスト)ボタンによる各操作を実行できるナビゲーションバーが、Android 3.x、および4.0以降から配置されている[29]。これ以前のバージョンでは、ハードウェアキー(物理ボタン)方式が主流であった。Android 9 Pieでは「ホーム」ボタンと「マルチタスク」ボタンが削除され、スワイプジェスチャーに置き換えられた[30]。ただし、端末メーカーによっては従来のナビゲーションバーを採用しているものや、設定によって従来のナビゲーションバーを利用できるようになるものもある。Android 10では「戻る」ボタンも削除された[31]。 Androidには文字入力のためのIMEを搭載しており、テキストボックスや検索ボックスなどの入力エリアをタップするなどしてフォーカスを当てると画面上に仮想キーボードが表示される。この仮想キーボードを、タップやスワイプ操作することによって文字を入力できるようになっている。IMEはサービスアプリケーションとして動作し、エンドユーザーが自由にサードパーティー製のIMEをインストールすることも可能になっている。IMEとハードウェアが対応していれば、BluetoothやUSB接続の外付けキーボードを接続して入力することができる。また発声によって文字入力を行う音声入力システムも備える。Googleあるいはサードパーティー製の手書き入力アプリを利用して、指やスタイラスペンなどで書いた文字を認識させることもできる。 なお2018年現在、Android OSには標準で日本語入力用のIMEが搭載されていない。そのため、日本語入力を行うには、Google 日本語入力やATOKなどのサードパーティー製IMEをインストールする必要がある。日本国内で販売されている端末は、最初から日本語入力できるようにiWnn、POBox Touch、S-Shoin、ATOK、FSKARENなどが、メーカーによって搭載されている。一部のAndroidデバイスでは、Google純正の新たなIMEであるGboardが最初から搭載されており[32]、また2017年11月にはGboardが日本語に対応し、追加の言語およびキーボードレイアウトをダウンロードするだけで日本語入力ができるようになった。 Googleの認可を受けた端末には、アプリケーションマーケットとしてGoogle Play(旧 Androidマーケット)がインストールされている[33]。多くの端末では、このGoogle Playからアプリコンテンツをダウンロードして使えるようになっている。2019年9月時点のGoogle Play内では、280万本を超えるアプリケーションが提供されている[34]。 GoogleはGoogle Playを経由しないアプリ配布も認めており、APKファイルから直接インストールできるようになっており[35]、それらのアプリは野良アプリと呼ばれる。ただし一見普通のアプリに見える悪質なアプリ(マルウェア)も存在するため、公式マーケット以外からのダウンロードには細心の注意が必要である[36]。 Androidで表示されるホーム画面を表示させるアプリケーションのことはホームアプリと呼ばれる。たくさんのアプリが公開されており、ユーザーは好きなものを選ぶことができる。
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