Amazon_Web_Services
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Amazon Web Services
URLaws.amazon.com
タイプWebサービス
ジャンルクラウドコンピューティング
運営者Amazon Web Services, Inc.
設立者アンディ・ジェシー(CEO)
株主Amazon.com
営利性営利
開始2006年3月 (18年前) (2006-03)
現在の状態現行

Amazon Web Services(アマゾン ウェブ サービス、略称:AWS)とは、Amazon Web Services, Inc. により提供されるクラウドコンピューティングサービスである。2006年にサービス提供が開始され、IaaS における世界的シェアが39%で1位[1]。世界で数百万以上、日本国内においても数十万を超える顧客が AWS を利用している[2]

企業システムなどのインフラストラクチャとして用いられる IaaS で他サービスを圧倒的にリードしており、デファクトスタンダードである[3]ガートナー社が発行するマジック・クアドラントのクラウドインフラストラクチャとプラットフォームサービス (CIPS) において、12年連続でリーダーに選出されている[4]。顧客を起点に考える顧客中心のイノベーションアプローチが採用され、サービスや機能の90%以上が顧客要望をベースとして開発およびリリースしている[5]

AWS が提供する、コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワーク、セキュリティ、ハイブリッドクラウド、モバイル、分析/解析 (Analytics)、機械学習/人工知能 (ML/AI)、IoT、仮想現実/拡張現実 (VR/AR)、ロボット工学 (Robotics) といった様々な分野の様々なサービスを組合せることで、ユーザーが求める IT インフラストラクチャを速やかに構築することが可能。2004年Amazon Simple Queue Service(SQS)の提供開始から始まり[※ 1]、現在のサービス数は200を超える。最も有名なサービスとしては AWS のサービス提供開始と共にリリースされた Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) や Amazon Simple Storage Service (S3) がある。
全体アーキテクチャ

AWS は2023年1月現在、アメリカ東部(北バージニアオハイオ)、アメリカ西部(カリフォルニアオレゴン)、カナダ(中部)、南アメリカ(サンパウロ)、ヨーロッパ(アイルランドフランクフルトロンドンミラノパリストックホルム)、東南アジア(シンガポールムンバイ)、東アジア(東京大阪ソウル香港)、オセアニア(シドニー)、中東(バーレーン)、アフリカ(ケープタウン)など、31のリージョン(地域)で展開されている。世界中に400以上ものキャッシュポイント(PoP、Point Of Presence)を持ち、245の国と地域で安全かつ拡張性と信頼性の高いサービスを利用することができる[6]

データの保管や各種サービスが、利用者によって選択されたリージョンに在るサーバーで運用される。例えば日本国内で利用されるシステムに関しては、ネットワークレイテンシの観点や個人情報を日本国内に保管する必要がある等のデータ保管場所の取決めにより、東京リージョンもしくは大阪リージョンが選択されることが多いが、これは AWS が用意した関東地方もしくは関西地方に位置するデータセンター内にあるサーバーやストレージを利用することを意味している。データセンターの具体的な場所についてはセキュリティ上の理由から非公開[7][8]。なお、複数のリージョンで同時に障害が発生しないように、内部ネットワークやデータ領域など、それぞれのリージョンが疎結合となるように設計されている。

基本的に全てのリージョンを同一の AWS アカウントで利用することが可能。例外として、アメリカ政府専用の "GovCloud"、並びに中国(北京寧夏)の特殊なリージョンも存在し、これらについては当該リージョン専用のアカウントが必要となる。また、これらの特殊なリージョンについては、AWS 内部ネットワークも他の通常リージョンと隔離されている。

各リージョンは、複数のアベイラビリティーゾーン(AZ、エーゼット)を持つ[※ 2]。AZ は、1つ以上の独立したデータセンターで構成される。AZ 間は、停電や洪水、火災、地震[※ 3]などのリスクを避けるために物理的に意味のある距離(数 km から 100 km)が取られているものの、AWS 内部の通信により1?2ミリ秒のレイテンシで非常に高速な通信が可能。システム障害に備えたり規模を拡大したりするために、複数の AZ を利用したマルチサイトシステムを設計して実行することができる。オンプレミスでは構成や構築のハードルが高かった複数のデータセンターに跨る高可用性マルチサイトインフラストラクチャを、現地に足を運ぶこともなく GUI 操作のみで構築することが可能。なお、複数の AZ ではなく、東京リージョンと大阪リージョン、といった形で複数のリージョンを用いた構成を取ることもでき、多数のサービスが対応している。
代表的なサービスのアーキテクチャ

先述の通り、AWS では多数のサービスが提供されており、有名なサービスが多くあるが、特に有名なサービスとしては AWS がリリースされた2006年に利用可能となり長い歴史を持つ EC2 と S3 がある。ぞれぞれのサービスにおいて特徴的なアーキテクチャは以下の通り。
EC2

仮想サーバー(インスタンス)を提供する EC2 では、Nitro(ナイトロ)アーキテクチャが採用され、ネットワーク、ストレージ、セキュリティ/マネジメント/モニタリングといった仮想サーバーを提供するための周辺機能については AWS によって開発された専用ハードウェアにオフロードされて実行されている。これにより、CPU やメモリ処理のほぼ全てを顧客が利用する仮想サーバーに割当ることができ、高効率で高信頼な基盤が提供される。バージョンアップやセキュリティアップデートなど90%以上のメンテナンス処理が仮想サーバーを停止することなく実行され、それ以外のメンテナンスについても2秒以内に完了するため、稼働している仮想サーバーが中断されるケースがほぼ無い[9][10]
S3

オブジェクトストレージの S3 では、標準の設定でオブジェクト[※ 4]が自動的に3つの AZ にコピーして保管され、1年間に 99.9999999%[※ 5]もの耐久性と、99.99% の可用性が保障される[11]。低レイテンシかつ高スループットであるため、各種アプリケーション、ウェブサイト/コンテンツ配信(静的ウェブページ)、ビッグデータ分析など、幅広いユースケースに適する[12]。保存可能な容量は無制限だが、1つのオブジェクトのサイズは最大 5TB まで。バージョン管理やライフサイクル管理[※ 6]を行う機能を備える。
アーキテクチャ その他

先述の通り AWS では200を超えるサービスを提供しているが、オンプレミスと同様の仮想サーバー機能をクラウドでも利用したいといったシンプルな要件であれば、ごく一部のサービスの組合せのみで構成が完了する。その要件の場合、専用線を構成するサービスである AWS Direct connect (DX) を用いてオンプレミスと AWS を接続した後、仮想的なネットワークを構成する Amazon Virtual Private Cloud (VPC) で利用するリージョンや IP アドレス、セキュリティグループ[※ 7]を指定し、作成した VPC 内で EC2 インスタンスを起動する、といったイメージになる。他には、例えばファイルサーバーの機能を利用したければ、Amazon Elastic File System (EFS) や Amazon FSx、リレーショナルデータベースを利用したければ Amazon Relational Database Service (RDS)、といった形で、利用するサービスを追加していく。EFS や RDS は、AWS によってサーバーが管理され、ファイルサーバーやデータベースの機能のみを利用できる便利なサービス(これらはマネージドサービスと呼ばれる[13])であり、クラウド環境のメリットを多く享受できるため AWS 環境において採用されやすいが、もちろん EC2 の仮想サーバー上に自身でファイルサーバーやデータベースを構成しても良い。

サーバーレスサービスもあり、例えば AWS Lambda は、実行したいプログラムを記述することで、そのプログラムが動作(処理)している間だけ料金がかかる形で利用することができる。たまにしか実行しないアプリケーションのためにサーバーを用意する必要が無い。

オンプレミスからの移行にあたっては、AWS が考える 7R[14] によって整理され、それぞれの移行方式を実行するためのサービスが提供される。バックアップインポート方式でシンプルに移行する方法(VM Import/Export)もあれば、レプリケーション方式でダウンタイムを短くする移行方法(AWS Server Migration Service)もある。データベースを移行するためのサービス(AWS Database Migration Service)なども用意されている。

ユーザーが各サービスを理解しやすいように、ブラックベルトオンラインセミナー[15] が AWS ジャパンによって提供されている。各サービスの概要などを説明した PDF 資料と動画コンテンツが用意され、無料かつユーザー登録不要で利用することができる。これとは別に通常の有償トレーニング(研修)も用意されている。
セキュリティ

セキュリティは AWS における最優先事項として定義される[16]。最高レベルのセキュリティとなるよう設計され、軍隊や国際的な銀行、その他の高い機密性が求められる組織のセキュリティ要件をも満たすように構築されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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