無制限の量のデータをストレージに無料でアップロードできる(保存は従量制で有料)が、データのダウンロード(取り出し)の価格構成はずっと複雑である。Glacierからのデータ取り出しは2段構成になっており、最初に従量課金形式でGlacierからS3ストレージにデータを取り出し、次にS3ストレージから実際にデータをダウンロードする過程となる。Glacierは月5%まで無料だと宣伝しているが、この5%は1時間ごとに無料取り出しができる0.006944%(一ヶ月30日と仮定)に分散され、1時間ごとの無料レートを超えた量(別名ピーク毎時レート)は、月内の時間数を乗じた超過料金として課金される[6]。
もっと具体的に言えば、Glacierユーザーはデータ取り出しに関わる課金を節約するためには、大きいデータを取り出すときはできるだけ長い時間に渡ってダウンロードを実行するように分散する必要がある。Glacierに対応するアプリケーションを開発するときも、データの取り出しをできるだけ長期間に渡って実行するようなメカニズムを実装したり、自身のテストによる単純なミスや誤解で簡単に高額な請求が来てしまわないように注意を傾注する必要がある。例えば、ユーザーが15GBのデータをGlacierに保存しテストとして693MB取り出した例では、取り出し率の計算で最終的に126GB分の料金がかかってしまった[7]。
データのアップロードは無料だが、ダウンロードは課金される。同一リージョン内のEC2クラウドへの転送は無料だが、AWSリージョン間のデータ転送は1GBあたり$0.02かかる[8](東京リージョンからのダウンロードは1GBあたり$0.09)。Glacierからインターネットへの転送は、一ヶ月1GBまでの無料転送量を超えるとスライド制課金が始まり、最初の1GBは$0.12かかる。Glacierに保存されたデータを3ヶ月以内に削除しても1GBあたり$0.03かかり、リアルタイムのアクセスのようなAmazonが提供している他のストレージつまりS3がより適している場合は、ユーザが本サービスの利用を避けるように仕向けている。
GlacierはAWS S3より最大90%安い ( ⇒PlanForCloudによる価格比較)。以前はAmazonの提供するアーカイブサービスははAWS S3クラウドだけだった。 Glacierの複雑な課金体系とネットワークアーキテクチュアはコンシューマやSOHOレベルのエンドユーザにとってハードルが高い。そこでバックボーンストレージにGlacierを使いながらもWindows、MacOS、iOS、Androidなどのオペレーティングシステム向けに簡単で使いやすい専用ユーザインタフェースソフトウェアとポータルサーバを開発し、自社ブランドで定額料金のクラウドストレージサービスを販売する会社が現れた[9]。AmazonもAPIを公開し、売り込みを図っている。2013年8月現在、以下の会社がGlacierを使ったクラウドストレージを提供していると確認されている。
小売り
Pogoplug[10] 年額$49.95で無制限
Zoolz
いずれのビジネスもひと月あたり$5以下の定額料金で無制限の量のストレージを売り物にしているが、Glacierを使用していることは公表せず、またデータの取り出しに申込後3?5時間かかることはごく控えめに述べられている。これらのクラウドストレージ小売り会社は、企業向けに即座に取り出し可能なストレージサービスも販売しているが、こちらはバックボーンストレージとしてAmazon S3サービスを使用し、月額料金ははるかに高額である。
脚注^ Amazon S3 Glacierのよくある質問
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