「ポルノ女優」、「ヌードモデル」、あるいは「アダルトモデル」とは異なります。
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AV女優(セクシー女優)
基本情報
職種エンターテインメント
職域芸能人
詳細情報
関連職業AV監督、ヌードモデル、女優
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表
話
AV女優(エーブイじょゆう)は、アダルトビデオに出演する性行為専門の女優である。
非アダルト系メディア出演時にはセクシー女優と言い換えられることがある。
本項は日本のアダルトビデオ女優について記述するため、特記無き場合は日本における状況である。みひろ(現・金子みひろ)。単体女優としてAV活動中に演技力が認められ、一般芸能界へ進出した。 AV女優はビデオカメラの前で演技を要求されることも多いが、映画やドラマの俳優などとは異なり、特別な演技訓練などを必要としない[1]。ただし、性的な表現をいかにこなすかについては大切なところであり、作品の出来にとって重要な要素である[1]。 例えば、1985年頃人気を博した黒木香はアサヒ芸能のインタビューの中で「カメラの前で行っていることは、自身にとってはセックスではなくパフォーマンスである」と語ると同時に、「あくまで性表現なのであって、演技ではない」とも語っている[2]。 性行為は原則としてコンドームを用いて行い[3]、村西(2011)によれば、特記無き場合暗黙の了解として性行為は3回までとのことである[4]。なお、かつて多く見られていた疑似本番については後述する。 AV女優はその性質上から、基本的に芸名が付与され、本名で活動する事例は極めて少ない。言い換えればほとんどが本名以外の別名を女優名(芸名)にして出演している。また、誕生日や出身地も架空あるいは事実と異なるものである場合が多い[5](後述も参照)。 一説によると、一年間で3,000人のAV女優がデビューすると言われており[6]、また、2011年時点では全体で延べ20万人にものぼると言われる[7]。2022年5月にAV人権倫理機構・河合幹雄が示したデータでは1年間の実働女優数は2000人、その過半は半年以内に引退状態となっている[8]。また、2018年2月から2022年3月までに延べ551人の女優から、28199本の作品を配信停止などの措置依頼があったという[8]。 21世紀突入以降の環境の変化として、 が挙げられる。 2000年代までは職業差別や世間的後ろめたさの意味もあり、親類から縁を切られるなどのケースもあったが、ライターのたかなし亜妖によれば、2022年時点では親公認の女優も多く、これは女優がかつてより現役キャリアが伸び、熱意などを認めざるを得ない状況になるケースが多くなった結果だという[9]。当然ケースバイケースであり、かつてのように修羅場のようになるケースもあるものの、キャリアの長い女優に関してはほぼ100%親公認だと筆致。また、「デビューで友人すべてを失う」のも過去の話であると記述している[9]。 2020年以降はSNSなどの発達により、女性がAV女優を応援するというケースも増えており、AV女優に限らず「推しの決め方がジャンルレスになった」とモデルプレス・高須良太は分析している[10]。 AV女優はおおよそ、人気のある順に「単体女優」「企画単体女優」「企画女優」に分類できる[11](詳しくは後述)。 2000年以降、アイドル的な売り方をしている女優が多くなり、18 - 25歳くらいまでの単体女優や企画単体女優は、AVアイドル、アイドル女優と呼ばれることもある。さらに、タレント的な活動をしている女優の場合にはAVタレント、数年にわたって一定の知名度を得ている人気女優にはAVクイーンなどと呼ばれることもある。明確な定義はないが、30代以降は熟女と分類されるようになる。 一般メディアでは2000年前後からセクシー女優とぼかされて呼称されることが多くなり[12]、2020年以降はコンプライアンス判断から艶系女優[13]、性ビデオ女優[14]とも記述される。 漫画家の峰なゆかは、セクシー女優という表現のほうが直接的で、AV=アダルトビデオのほうがむしろぼかした表現なのではないかと、この言い換えの矛盾を「不可解」と指摘している[15]。 AV女優については様々な批判がなされるが、世界各国の比較的保守的な人間や、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教徒からは低俗だと批判されることがあり、中華人民共和国ではイベントを行ったAV女優に卵が投げつけられるような事件が発生した。 AV自体の流通が禁止されている国もある。敬虔なイスラム教徒が人口の大多数を占めるインドネシアでは、2000年頃から日本のAVが流通し始め、供給が追いつかないほどの人気であるが、その一方でイスラム教徒を中心に批判する声があり、2009年に首都ジャカルタにある映像制作会社が、日本のAV女優を映画の主役に起用しようとしたところ、デモ活動などの抗議行動が起こって計画が頓挫した[16]。 AV女優の性行為は売春ではないかとの批判もあるが、売春法で問題になるのは提供された側から金銭を得ることであり、女優・男優共にメーカーから出演料をもらう形のAV撮影は売春には当たらないとされている。また、出演料であるので管理売春にも当たらないとされる。さらに、弁護士・奥村徹は、不特定の相手との性交が売春と規定されているため、事前に相手の素性がわかっているAVでは該当しないと見解を明かしている[17]。弁護士の小倉秀夫も「AV撮影の過程で本番をやっても通常これに含まれない」と指摘。2022年に成立したAV出演被害防止・救済法では「出演契約は、性行為映像制作物ごとに締結しなければならない」と契約における「不特定」性を排除している[18]。 大半のAV女優はAV事務所(AVプロダクション)に所属しており[19]、マネージメントされる立場にある。 AV女優は労働者派遣法の有害業務にあたることから、労働者ではなく個人事業主として扱われる。 一般的にAVメーカー(制作会社)からの出演依頼を取り付け、初めて撮影となり収入が得られる。 新人のAV女優は仕事を得るためにマネージャーと共にメーカー回りをして、ようやく仕事(収入)が得られる[20]。 このメーカー回りのことを、AV業界用語では「面接回り」と言うが、一般的の「オーディション」と同義である。つまり、メーカーの存在無くしては存在しえない職業であり、この部分で労働者的な側面のある職業となっている[21]。また、プロダクションはマネージメントだけでなく、撮影現場でのトラブルの解決も重要な仕事の一つである[22]。 マネージメント料は高額で、村西(2011)は折半としているが[23]、いのうえ(2002)では事務所7、女優3が多く、中には折半も見られるとしている[24]。中村(2012)は折半は良心的な方であり、60 - 70%はプロダクションに流れるとしている[20]。プロダクションから独立して独自にAVメーカーと契約することも可能だが、適切な出演料を提示できなかったり叩かれてしまうなど困難が多い[25]。ただし、企画女優においては長期間、成功しているケースもみられる[25]。桃宮ももは事務所の許可を得てフリーとして活動しており、「自分で営業して取った仕事のギャラは100対0で入るが、中々仕事がないのでバイトしている」と語っている。 門倉貴史による「風俗産業で働く女性の時給ランキング(2006年版)」によると、風俗産業の中でもAV女優の時間あたりの給料が最も高い。トップは「単体もの」のAV出演で時給3万1000円 - で、「単体もの」は1回のビデオ出演毎に80万円 - 150万円程度のギャラを受け取ることが出来ると言う。撮影現場で拘束される時間は2日程度になるから、時給に換算すると1万7000円 - 3万1000円程度。ただし、AV業界には、「出れば出るだけ価値が下がる」と言う法則があると言われる[26]。峰なゆか、小室友里も同様の指摘をしている[27][28]。 「職業としてのAV女優」の著者・中村淳彦によると、志望者数の増加などで競争率が上がっており、供給は高い状態だが容姿の採用条件は厳しくなる。 一方で、学歴や教養、資格が不要[注 1]で健康保険や厚生年金、労災保険がない個人契約のため、その待遇は悪化傾向であり、企画女優では複数回の本番を行う場合でも、プロダクションの取り分を引いた手取りが時給換算で2000円といった例も見られるようになった[29]。 前述の峰によれば、一時期と比べAV1作品あたりの売上本数が減り、制作費と同様にAV女優の出演料も低下している。また、進行形で出演料は下がり続けているという。 AV女優人口が増え、1人あたりの仕事量が減ったことも背景として挙げている[27]。中村(2012)によれば出演料は辛うじて横ばいであるものの、長引く不景気により作品のクオリティや内容の過激さが要求されるため、AV女優の仕事内容も以前より過酷となってきている[30]。年々悪化しており、バイトしながら続ける者や自主制作する者もいる。 個人事業主であることから、確定申告など税金周りは一部を除き各個人で行う[31]。事務所には必ず税理士がついており、事務所の紹介を通して申告するケースが多いので、有名女優になればなるほど納税を怠る率は著しく低い[31]。 元AV女優の神野藍は確定申告は女優業として提出していたという[32]。 東京都に所在地を置く製作会社「ミルキーキャットドットコム」[33]の出演女優の募集案内文を見ると、1作品の撮影に対する報酬として8万円 - 10万円現金を支払うと紹介している[34]。 中村淳彦は著書の中で、以下のように言説している。かつては社会の底辺と言った扱いで、女性にとって最後の手段とも取られていたこのAV女優と言う職業[35]は、近年そのネガティブイメージは薄まってきており、業界も近年は法的に健全化してきている[36]。また、それに伴いAV女優志願者も増え、AV女優の質は概して向上してきている[37]。 それに伴い競争率も高くなり、かつてままみられた精神疾患・人格障害、あるいは幼少期の(性的)虐待経験などを持つAV女優[38]を起用する例は少なくなってきているという[39]。
概要
DVD化、オンライン化による作品の長時間化。
インターネットの普及(ファン同士の情報交換、オンラインストアの購入者による商品評価によって作品の評判がすぐ広まる)。
過激化。
分類と呼称
批判
報酬と待遇
待遇
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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