Arm Limited
種類子会社
本社所在地 イギリス
イングランド ケンブリッジ
設立1990年
業種電気機器
事業内容RISCマイクロプロセッサのIP
代表者サイモン・シガース(CEO)
営業利益£406.1 million (2015)[1]
純資産$3.21 billion (2016)[2]
従業員数約3,300 (2014)[3]
主要株主ソフトバンクグループ 90.6%[4]
外部リンクwww.arm.com
Armホールディングス (Arm Holdings plc) はイギリスのケンブリッジに本社を置く、ソフトバンクグループ傘下のファブレス企業[5]。2023年現在ではプロトタイプ半導体の開発も行っている[6]。傘下のARM Ltd.によるARMアーキテクチャ、RealView や KEIL というブランドのプログラミングツール、システムおよびプラットフォーム、System-on-a-chip基板とソフトウェアなどの開発で知られる[7]。 エイコーン・コンピュータ、Apple Computer、VLSIテクノロジー
概要
英ARM社は、サニーベール、オースティン、オリンピア、トロンハイム、ソフィア・アンティポリス、ミュンヘン、ルーヴェン、台北市、横浜市、北京市、バンガロール、シェントイェルニェイ(スロベニア語版、英語版)など世界中にオフィスとデザインセンターを持つ[9]。
ARMアーキテクチャ詳細は「ARMアーキテクチャ」を参照
ARMアーキテクチャを採用したプロセッサは携帯機器への組み込みに適した低消費電力が特徴である[10]。32ビット組み込みCPUの75%以上でARMアーキテクチャに基づいたCPUが採用されており、特に低消費電力と同時に高い演算能力が求められる携帯情報端末で顕著であり、32ビットとしては世界で最も普及しているマイクロプロセッサである[11]。
ARMアーキテクチャに基づき設計されたプロセッサは、2020年現在Apple、ファーウェイ、サムスン電子などを含むほぼ全ての携帯電話メーカーで採用されており、またNintendo Switchをはじめとしたゲーム機でも使用例がある。他にも、デジカメやテレビをはじめとする家電、無線LANなどのネットワーク機器、ハードディスクドライブの制御回路等で幅広く採用されている。
また、近年では高い性能が必要とされるスパコンやパソコン用CPU、自動運転用プロセッサなどでの採用例も増えてきており、同業トップのインテルに迫っている。
ARM社は技術を知的財産権 (IP) として各社にライセンス提供するのみであり、米インテル社、日ルネサス エレクトロニクス社といった企業とは異なり自社でCPUを生産してはいない[12]。ARM社からライセンス供与を受け実際にプロセッサを製造している企業は数十社に及び、インテル社、フリースケール社、ルネサス・テクノロジ社などが挙げられる。2007年には、ARM社の設計に基づくチップの年間出荷数が29億に至った[13]。 ARMの歴史は次の通り[14]
歴史
1985年 - エイコーン社によりARM1と呼ばれる開発サンプルが完成
1986年 - 初の製品版であるARM2が完成
1987年 - エイコーンが自社のARM2を搭載した初のパソコン「アルキメデス」を販売
1990年 - エイコーン・コンピュータの技術者がスピンアウトしVLSIテクノロジーのジョイントベンチャーとしてAdvanced RISC Machines社として独立。この際にApple Computerが資金の提供を行うとともに、共同創業者としてラリー・テスラーがARM初代CEOとなる(以来2004年まで役員[15])。
1993年 - 初めて黒字化
1994年 - シリコンバレーと東京に支社を開設。日本法人はアーム株式会社[16]。
1998年 - Advanced RISC Machines Ltd から ARM Ltd に改称。年間5000万コアを出荷。ロンドン証券取引所とNASDAQに上場
1999年 - Micrologic Solutions(ケンブリッジにあるソフトウェアコンサルティング会社)を買収
2000年 - Allant Software(デバッグ用ソフトウェア開発会社)と Infinite Designs(シェフィールドにある設計会社)と EuroMIPS(フランスのスマートカード設計会社)を買収
2001年 - Noral Micrologics(デバッグ用ハードおよびソフトの開発会社)の開発チームを取得
2002年 - Artisan Components がサンディエゴの NurLogic Design(通信用チップ設計)を買収。中国支社を開設
2003年 - ベルギーの Adelante Technologies(DSP OptimoDE の開発元)を買収
2004年 - Axys Design Automation(EDAの下工程用ツールの開発)と Artisan Components(集積回路の各種 Physical IP の設計)を買収
2005年 - KEIL Software(マイクロコントローラ向けプログラミングツール開発)を買収。これには同社が保有していた Intel 8051 と C16x プラットフォームも含まれていた[17]。PowerEscape の開発チームも取得
2006年 - ノルウェーの Falanx(SOI Physical IP を得意とする企業で、GPUなども開発)を買収
2016年9月5日 - ソフトバンクグループが、約240億ポンド(約3.3兆円)で全株式を買収した[18]。
2018年6月 - 中国の子会社の株式の過半数(持分51%)を中国政府系の企業連合に売却し、安?科技(Arm China)として合弁企業化した[19]。