APG IV は、主に分子系統学に基づいた被子植物の分類体系であるAPG体系の第4版である[1]。Angiosperm Phylogeny Groupから2016年に発表されたもので、先行するAPG III (2009年)から7年、最初のAPG体系 (1998年)から18年更新された体系である。2009年にはAPG IIIの発表とは別に、標本庫整備に必要な各科の順序を定めているが[2]、APG IVの発表論文では2009年の順序と新しい順序を併記している[1]。
APG IVは基本的にAPG IIIの分類体系を踏襲するが、APG III発表以降に十分な根拠が提示され、従来の分類方法では齟齬が生じることがわかった点について改訂を行なうという保守的な姿勢で作られている[3]。 従来の APG III(第3版、2009年)に比較すると、以下の点で変更がある。
概要
APG IIIとの主な変更点
APG IIIより、5つの目が新たに設けられた。
ムラサキ目 (Boraginales) - ムラサキ科 (Boraginaceae) の属する目として設けられた。ビワモドキ目 (Dilleniales) - ビワモドキ科 (Dilleniaceae) の属する目として設けられた。クロタキカズラ目 (Icacinales) - クロタキカズラ科 (Icacinaceae) とオンコテカ科 (Oncothecaceae) の属する目として設けられた。メッテニウサ目 (Metteniusales) - メッテニウサ科 (Metteniusaceae) の属する目として設けられた。ヴァーリア目 ( Vahliales) - ヴァーリア科 (Vahliaceae) の属する目として設けられた。
APG IIIにいくつかの科が追加され、トータルで64の目と416の科によって構成されることとなった[1]。
分類
ダイジェスト版
クレード: 被子植物 Angiosperms