AMD_FireStream
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AMD Fireシリーズ(FirePro、FireGL、FireMV、FireStream)は、AMD社(旧ATI社)の業務用グラフィックスアクセラレータ (GPU) のひとつである。ATIブランドが消滅する前の旧称は「ATI Fireシリーズ」であった。

同社のコンシューマー向けGPUであるAMD Radeonとのブランド統合戦略の一環として、2013年にはクラウドゲームサーバー向けのAMD Radeon Skyが、そして2016年にはクリエイター向けのAMD Radeon Pro(英語版)およびHPC/機械学習向けのAMD Radeon Instinct(英語版)が発表された。
目次

1 概要

2 名称

3 FireProシリーズ

3.1 FirePro 3D Graphics Accelerators

3.1.1 OpenGLへの最適化


3.2 FirePro MULTI-VIEW 2D Display Accelerators


4 AMD FireStream/FirePro Sシリーズ

4.1 概要

4.2 仕様と構成

4.2.1 AMD Stream Processorシリーズのラインアップ



5 ATI Mobility FireProシリーズ

6 ATI FireGLシリーズ

7 ATI FireMVシリーズ

8 日本における販売

9 脚注

10 関連項目

11 外部リンク

概要

AMD Fireシリーズはワークステーション用途やHPC用途など業務用として設計され、OpenGLおよびGPGPU用に最適化されている[1]。その代わりに、AMD Radeonと比較してDirect3Dに関する性能は犠牲になっている場合が多い。

日本国外においては産業用ロボットなど工業製品をはじめ、CADHPC金融CG映像、建築/設計、DTP、研究開発環境において幅広く採用されている[2]

日本における保証、サポートは、ゲーム向けビデオカードと異なり2年間修理・交換保証、専任技術者による電子メールによるサポート窓口を設けている場合が多い。海外においては、専門技術者、ヘルプデスクが常駐するコールセンターが設けられている。

主な競合製品として、NVIDIA社のNVIDIA QuadroおよびNVIDIA Teslaがある[3][4]

なお3Dゲームなどのコンシューマー向けには、FireProとは別にMicrosoft DirectX (Direct3D) に最適化されたAMD Radeonシリーズが存在する。

DirectX 11 (DirectCompute) や、OpenCLに対応しているFirePro製品は、AMD Streamテクノロジーを基盤として汎用演算用途(GPGPU)に利用することもできる。

デバイスドライバーおよびユーティリティ群は、以前は「AMD Catalyst Pro」という名称で提供されていたが[5]、バージョン16.Q4からは、Catalyst Proの後継として「FirePro and Radeon Pro Software」という名称となった。

FirePro WシリーズやSシリーズ以降すなわちGraphics Core Next (GCN) アーキテクチャ採用世代のFireProは、一部製品(W600)を除いてほぼすべて、OpenGL 4.4に対応している[6]。最新のRadeon Pro SoftwareはOpenGL 4.5およびVulkan 1.1に対応しているが、ハードウェアごとの対応状況については明記されていないものもある[7][8]

Windows 10に搭載されるDirectX 12およびDirectX 11.3に関しては、すべてのGCNアーキテクチャ採用世代においてAPIレベルでサポートされる[9]。機能レベル (Feature Level) に関しては、FirePro W9100などのGCN第2世代(GCN 1.1)以降でFeature Level 12_0までをサポートすることになる。詳しくはen:Direct3Dおよびen:Feature levels in Direct3Dを参照のこと。

なお、AMD OpenCL 2.0ドライバーはGCN第1世代(GCN 1.0)以降のAMDグラフィックス製品と互換性がある[10]が、GCN第1世代はOpenCL 1.2どまりとなり、OpenCL 2.0に対応するのはGCN第2世代(GCN 1.1)以降となる。
名称

業務用ビデオカードの製品ラインナップに、3Dグラフィックス市場向けのATI FireGLと、高度な2Dグラフィックス処理向けのATI FireMVが以前から存在したが、ATI FireProの名称で統一される方針がAMDから示された[11]。さらにATIブランドの消滅・統合[12]を受けて、AMD FireProの名称に切り替わった。
FireProシリーズ
FirePro 3D Graphics Accelerators

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「FirePro 3Dシリーズ」とも呼ばれる。主に3Dグラフィックスを扱うワークステーション向けビデオカード製品に搭載される。FireGLの置き換えとして発表された。

CAD、建築/設計(AEC)、デジタルコンテンツ制作(DCC)アプリケーション分野において、各種認証を取得している[13]。10ビット表示(RGB合計30ビット、約10億色)にも対応しており、10ビット表示対応モニターとDisplayPortによる接続を行なったのち、AMD Catalystドライバーユーティリティによって設定を有効化することで、Adobe Photoshop CS4などの対応ソフトウェアでの10ビット表示が可能となる[14] [15]

なお、製品基板はゲーム用として開発・販売されているRadeonシリーズに使われているものをベースとしてカスタマイズされており、OpenGLサポートを強化しているほか、耐久度、信頼性を上げるため基板上のチップがより長寿命、耐久性の高いものへと置き換えられている場合がある。また、ゲーム用3Dグラフィック性能をあえて下げることで省電力化を図っている製品もあるとされる[要出典]。上位製品はECCメモリにも対応する。

Graphics Core Next (GCN) 世代のRadeonではMantleと呼ばれるAMD独自のローレベルAPIにも対応しているが、FireProもGCN世代でMantleをサポートすることが発表された[16]

モデル年コードネーム製造プロセス (nm)バス インターフェイスメモリ サイズ (MB)定格クロック (MHz)シェーダー数フィルレートメモリ処理能力
GFLOPs対応APITDP (W)備考
コアメモリピクセル (GP/s)テクスチャ (GT/s)帯域 (GB/s)タイプ幅 (bit)単精度倍精度DirectXOpenGLOpenCL
FirePro V37002008 8月RV62055PCIe 2.0 x16256800950403.26.415.2GDDR3646412.810.13.0-32UVD+, PowerPlay
FirePro V37502008 9月RV73055PCIe 2.0 x162565507503204.417.624GDDR312835270.410.13.3-48UVD2, PowerPlay
FirePro V3800[17]2010 4月Redwood Pro(RV830)40PCIe 2.1 x165126509004005.21314.4GDDR36452010411.04.11.143UVD2, PowerPlay, Eyefinity
FirePro V3900[18]2012 2月Turks GL40PCIe 2.0 x1610246509004805.215.628.8GDDR3128624?11.2 API (FL:11_0)4.41.250?
FirePro V48002010 4月Redwood XT(RV830)40PCIe 2.1 x16102477510004006.215.564GDDR512862012411.04.11.169UVD2, PowerPlay, Eyefinity
FirePro V4900[19]2011 11月Turks XT GL40PCIe 2.0 x16102480010004806.419.264GDDR5128768?11.2 API (FL:11_0)4.41.275?
FirePro V57002008 8月RV73055PCIe 2.0 x165127009003205.622.428.8GDDR312844889.610.13.3-58UVD2, PowerPlay
FirePro V5800[20]2010 4月Juniper XT(RV840)40PCIe 2.1 x161024700100080011.22864GDDR5128112022411.04.11.174UVD2, PowerPlay, Eyefinity
FirePro V59002011 5月Cayman LE GL40PCIe 2.1 x16204860050051219.219.264GDDR525661015411.04.11.175HD3D, UVD3, DP 1.2, PowerPlay, Eyefinity
FirePro V77502009 3月RV73055PCIe 2.0 x1610248009003206.425.628.8GDDR3128512102.410.13.3-76UVD2, PowerPlay
FirePro V78002010 4月Cypress Pro(RV870)40PCIe 2.1 x1620487001000144022.450.4128GDDR52562016403.211.04.11.1138UVD2, PowerPlay, Eyefinity
FirePro V79002011 5月Cayman Pro GL40PCIe 2.1 x1620487251250128023.258160GDDR5256186046411.04.11.1150HD3D, UVD3, DP 1.2, PowerPlay, Eyefinity
FirePro V87002008 9月RV770 XT55PCIe 2.0 x1610247508508001230108.8GDDR5256120024010.13.3-151UVD2, PowerPlay
FirePro V87502009 7月RV770 XT55PCIe 2.0 x1620487509008001230115.2GDDR5256120024010.13.3-154UVD2, PowerPlay
FirePro V8800[21]2010 4月Cypress XT(RV870)40PCIe 2.1 x1620488251150160026.466147.2GDDR5256264052811.04.11.1208UVD2, PowerPlay, Eyefinity
FirePro V98002010 9月Cypress XT(RV870)40PCIe 2.1 x1640968501150160027.268147.2GDDR5256272054411.04.11.1225UVD2, PowerPlay, Eyefinity

この節の加筆が望まれています。
主に: FirePro Wシリーズ以降の製品スペックと出典の強化 (2016年4月)


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