AMAKUSA1637
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『AMAKUSA1637』(あまくさ1637)は、赤石路代による日本漫画作品。

隔月刊誌プチフラワー』(小学館)にて2000年7月号から2002年5月号まで連載、同誌が『月刊フラワーズ』としてリニューアルされたのに伴い移籍、2002年6月号から2006年3月号まで連載されていた。全57話。単行本は全12巻、文庫版は全7巻。
あらすじ

2000年、聖フランシスコ学園生徒会メンバーで大の仲良しの夏月たち6人は、高校生活の最後を彩る修学旅行で船上にいた。

2日目の夕方、長崎沖を航行中、船は突然大波に飲まれてしまう。目を覚ました夏月がいたのは、寛永14年(1636年)の熊本・大矢野島。夏月は島原・天草の乱直前の江戸時代タイムスリップしていた。

タイムラグで自分より3日早く同じ島に着き、益田甚兵衛という男性に助けられていた英理と無事再会した夏月だったが、前年に亡くなったという甚兵衛の息子・時貞に間違えられてしまう。時貞、いわゆる天草四郎は、歴史上その時期に死んでいるはずのない、あり得ない事実だった。

一揆は史実では失敗に終わり、女子ども関係なく斬首され火を付けられることが分かっている。それが分かっているからこそ、夏月は天草四郎として一揆を率いる決心をする。これ以上人々を死なせないために、「天草の」を「天草の」に変えるために。

辿りついた時期は違えど生徒会メンバー全員がタイムスリップしており、時々通じる携帯電話などでも安否を確かめ、メンバー全員が一揆前の天草に集結する。
登場人物
主要人物
早求B夏月(はゆみ なつき)
聖フランシスコ学園生徒会長。以下の5人と一緒に中等部・高等部通算5年間生徒会メンバーとして学園をまとめる。生徒会長として生徒たちから絶大な支持を得ていた。
居合道・白鳳(はくほう)流宗家の娘で、剣道の高校チャンピオン。高校卒業後はコロンビア大学留学予定だった。亡くなった四郎と瓜二つで、四郎の体を借りてデウス様に遣わされた天使だと勘違いされる。普通の女子高生として育ってきた自分が「デウスの使い」を名乗ることに抵抗を覚える。
宮本 政希(みやもと まさき)
生徒会副会長。夏月とは恋人同士で、唯一剣道で自分に勝った相手。高校卒業後はW大学へ進学予定だった。夏月より7年早く江戸時代に着く。タイムスリップで記憶喪失になり、浜辺で気を失っているところをおつうに助けられ、剣の腕前を見込まれ、小倉藩の軍師・宮本武蔵として仕え、おつうとは恋人になる。
八塚 直純(やつか なおずみ)
生徒会副会長。学園で2番目の秀才。ゲイだが例外的に夏月のことは好きだった。高校卒業後は夏月と同じくコロンビア大学へ留学予定だった。夏月より約8年早くタイムスリップし、殿に気に入られ、生きるために夜伽の相手もしながら、厳しい切支丹狩りをすることで信頼を得、富岡城代となっていった。村人たちからは「切支丹狩りの“大鷹の若”」と恐れられている。
春日野 英理(かすがの えり)
風紀委員長。全国模試トップで、学年首席。東京大学へ進学予定だった。頭はいいが大人しい性格。読んだ本の内容を全て記憶できる能力を持つ。夏月は太陽のような存在で、本心では夏月が特定の人のものになってしまうのさえ嫌だと思っている。天草四郎として生きる決意をした夏月を守ると心に誓う。かつて演劇の脚本を書いた際に読み漁った本の知識を総動員し、乱の敗因を考察し対抗策を練る。
堀江 栄司(ほりえ えいじ)
生徒会書記。学年一小柄。夏月より5年早く長崎に着く。機械が好きで色々な発明品を作って夏月を助ける。歴史を変えてしまうことに抵抗を覚え、20世紀へ帰ることを望んでいたが、戦いの前夜に菊と祝言を上げ、愛を誓う。
安芸島 聖香(あきしま せいか)
生徒会書記。見た目はコギャル。高校卒業後はドイツ声楽留学の予定だった。タイムスリップ後、オランダ商船に助けられる。メンバーの中では一番信心深く、マタイの福音書なども暗記している。美しい歌で一揆軍をまとめる。
一揆軍
山田銀次(やまだ ぎんじ)
銃撃の名手。英理の夏月への気持ちに気付く。
森宗意軒(もり そういけん)
島原一の軍師。
黄蝶(きちょう)
松倉勝家の愛妾。本名は菊(きく)。贅沢な暮らしをしながらも心が満たされていなかった。夏月に諭され、飢える農民たちに食糧を分け与える。勝家に娶られる前、栄司を「お兄様」と慕っていた。後に栄司と結ばれる。
松平忠直(まつだいら ただなお)
家光の従兄。元越前藩主。暴君・乱行の汚名を着せられ豊後に配流になった。表向きは仏門に入り“一伯”(いっぱく)を名乗っているが、キリシタンである。一揆へ参戦する際に海で遭難し死亡したとされたが、幸運にも隠れキリシタンの島に漂着し一命を取り留める。
諸大名

小城藩・鍋島藩・黒田藩・熊本藩が一揆軍へ加勢。薩摩藩は忠直を守るという名目で一揆軍へ寝返る。
肥前国

松倉勝家(まつくら かついえ)
島原藩主
鍋島元茂(なべしま もとしげ)
小城藩主。剣の腕に優れ、家光の兵法指南役だった。母親の身分が低かったために家督は次男である弟が継いだ。心優しい青年で民からも慕われている。お家騒動(いわゆる鍋島の化け猫騒動)を解決し、仲違いを解消させてくれた夏月に恩義を感じ、勝茂・光茂に先んじて一揆軍へ加わる。
鍋島勝茂(なべしま かつしげ)
元茂の父親、光茂の祖父。元茂側と光茂側とに割れる家臣たちを中立の立場で見守っているが、嵐が過ぎ去るのを待ち、自ら行動しようとはしないタイプだった。
鍋島光茂(なべしま みつしげ)
幼き佐賀藩主。勝茂の孫、元茂の甥(腹違いの弟・忠直の子)。
寺沢堅高(てらざわ かたたか)
唐津藩主。若い頃はキリスト教信者だったが、神だけが人の上に立つという教えはいずれ幕藩体制を揺るがすと気付き、キリシタン弾圧に移行した。
肥後国

細川光利(ほそかわ みつとし)
熊本藩主嫡男。女癖の悪そうな遊び人タイプ。
細川忠利(ほそかわ ただとし)
熊本藩主。光利の父親。乱勃発時は病床に伏せる。
筑前国


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