AKIRA_(漫画)
[Wikipedia|▼Menu]

AKIRA
ジャンル
SF青年漫画
漫画
作者大友克洋
出版社講談社

その他の出版社
Epic Comics / Dark Horse Comics
Carlsen Comics
Like
Glenat
Planet Manga
Japonica Polonica Fantastica
Norma Editorial
Semicolon

掲載誌週刊ヤングマガジン
レーベルKCデラックス
発表号1982年12月20日号 - 1990年6月25日号
巻数全6巻
話数全120話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『AKIRA』(アキラ)は、大友克洋による日本漫画。1982年から1990年にかけて講談社の漫画雑誌『週刊ヤングマガジン』にて連載され[注 1]、1988年には大友自身が監督してアニメ映画化された[1]
概要

第三次世界大戦後の日本を舞台に、超能力者を巡って軍と反政府勢力、そして不良少年たちが巻き起こす騒乱とその後の崩壊した世界を描いたSF漫画[2]。可視化できない超能力を絵で表現し、近未来の退廃と崩壊を描いたSF作品として高い評価を獲得した[3]。その反響は海外にもおよび、世界中に熱狂的なファンを持つようになった[4]

日本漫画史の中で欠かすことのできない1980年代を代表する漫画とされ、SFのジャンルだけでなく、漫画の分野全体に影響を及ぼした[5][6]。1988年に大友自身の手により劇場アニメが制作されると、アニメ業界にも大きなインパクトを与えた[6]。また漫画やアニメだけでなく、アートファッションを含むサブカルチャーにも多大な影響を与えたと言われる[2][6]

数多くの日本の漫画が世界中に翻訳されるきっかけを作った作品で、それまで子供向けとされていた日本の漫画やアニメの評価を一気に引き上げ、海外のオタク第一世代を生み出した作品のひとつでもある[4][6]。1980年代後半に原作漫画とアニメの両方が海外に輸出されると、米国イギリスを中心に世界のクリエイターたちに衝撃を与え、高く評価された[6]。当時、アメリカン・コミックスの世界には新しい時代の波が訪れており、『ウォッチメン』や『バットマン: ダークナイト・リターンズ』の登場により、スーパーヒーローが活躍する勧善懲悪の物語だけでなく、より複雑な人間関係や緻密な描写がなされた、大人の鑑賞に耐えうる長編作品『グラフィックノベル』が注目され始めていた[7]。『AKIRA』も、その流れの一環として1988年に『スパイダーマン』などで有名なマーベル・コミックスから刊行された[7]。その時点ではまだ知る人ぞ知る作品の位置に留まっていたが、1989年にアニメ映画が公開されると事態が一変[7]。口コミで徐々に人気が広まり、日本を代表する作品となった[8]

2012年のアメリカ映画『クロニクル』は、公開時に多くの観客から『AKIRA』の影響[注 2]を指摘されたが、その監督ジョシュ・トランクは作品のファンであることを公言している[9]アメリカ人ミュージシャンカニエ・ウェストは、自身の楽曲「Stronger(英語版)」でアニメ映画『AKIRA』の世界観と映像をオマージュしたミュージック・ビデオを制作している[10]。2016年のアメリカのSFホラードラマストレンジャー・シングス 未知の世界[注 3]では、製作者のダファー兄弟が『AKIRA』の影響が「とてつもなく大きなものであった」ことをインタビューで語っている[11]。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の監督のライアン・ジョンソンは、自身のSF映画『LOOPER/ルーパー[注 4]の着想源が『AKIRA』であることを明かしている[11]。1998年のSF映画『ダークシティ』のラストシーンについて、アレックス・プロヤス監督は「『AKIRA』へのオマージュ」とその影響を語っている[12]。2013年のSF映画『パシフィック・リム』では、ギレルモ・デル・トロ監督が登場人物の一人、ペントコスト司令官は『AKIRA』に登場する大佐をモデルにしたと明かしている[12]。さらに、アメリカのストリートウェアブランド「シュプリームは、2017年秋に『AKIRA』とコラボしたコレクション「AKIRA/Supreme」を発表し[13]ファレル・ウィリアムスはコラボしたシャネルのコレクションで『AKIRA』にインスパイアされたビジュアルを発表するなど、ファッション業界にまでも影響を及ぼしている[12]。ヨーロッパでもその評価は高く、フランスバンド・デシネ作家バスティアン・ヴィヴェスは、『AKIRA』に受けた衝撃について「若者がヒーローで、暴力、薬物、性といったタブーや大人の問題に対峙するストーリーにショックを受けた」と語っている[14]

作品には、大友が尊敬する漫画家の一人、横山光輝の漫画『鉄人28号』へのオマージュがこめられている[15]。アキラのナンバーが28号となっているのは鉄人の28号をそのまま使っているためであり、金田や鉄雄、大佐などのキャラクターの名前も同作からの引用である[15]。また「大戦中に開発された究極の兵器が平和な時代に発見され、それを巡って物語が展開する」という全体の筋書きは『鉄人28号』とほぼ同じである[15]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:150 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef