AKIRA_(漫画)
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デザインの着想は、映画『イージー・ライダー』に登場するチョッパーバイクのハンドルと、映画『トロン』に登場するシド・ミードがデザインしたバイク「ライトサイクル」の楕円形のフォルムから得ている[15][27][注 15]

造形上、2人以上の搭乗は想定されていないように見えるが、原作では「80kg以下ならなんとか乗れる」と言いながら金田がリアカウルを外し、露出させたフレームの上にケイを乗せている[注 16]。またアニメ映画では鉄雄がカオリをシートの後ろに乗せたり、エンディングでも金田がケイを同様に乗せて二人乗りしているため、カウルを外さなくても二人乗りが可能なようだ。
スペック

諸元[25]金田のバイク
全長2947mm
全高1171mm(シールド含む)
全幅831mm
シート高340mm
最低地上高76mm
ホイールベース2194mm
タイヤサイズ前18インチ、後19インチ
最高速度243km/h
乾燥重量154kg
発電形式常温超伝導発電機
最高発電量83.0kW
エンジン回転数12500rpm
最大電圧12000V
その他

ABS

対障害物用レーダー

オートナビシステム

アニメ映画では、劇中で「セラミックツーローターの両輪駆動」「コンピューター制御のアンチロックブレーキ(ABS)」「12,000回転の200馬力」と説明されている。バック走行も可能で、さらにコンソールにはスピードメーターなどの他にナビゲートシステムも搭載されている[注 17]

ハンドルにはクラッチブレーキレバーは存在せず、フットペダル右側がアクセル、左側がブレーキになっており、AT車または無段変速車であると見られる。前輪からフロントカウル、ハンドルまでのステアリングユニットは上下に動き、乗降時にユニットが起き上がることで乗降ポジションとなる。

盗品を改造したものであるらしく、扱いに不慣れな鉄雄はエンジン5,000回転以下でギアチェンジをしたことでエンストさせてしまった。
レプリカとカスタムバイク

この未来的で前衛的なスタイルは、漫画・アニメファンのみならず、多くのカスタムバイク関係者の注目を集めた。

まず最初に、アニメーション映画公開に併せてモックアップモデル(計器類は動くが、走らせることは不可能)が制作、東京モーターショーで展示される。同モックアップはカスタムバイクメーカー「 ⇒ホワイトハウス」によって、映画公開に併せてタイアップしていたタイトーのスポンサードで制作された。当初、作画側から割り出したリアタイヤ径が21インチとされたが、そのような寸法のタイヤが存在しなかったため微妙に縮小されている。革ジャンメーカー「カドヤ」の提供したジャケットを着たモデルとの撮影も行われていたが、そのような事情からモデルには金田の設定よりも少し小柄な女性が担当した。その後、海外での公開時に持ち出された際に行方不明となっている。

250ccの市販アメリカンバイクをベースとして、同車の雰囲気を持つカスタムバイクも開発・発売された。この車両は保安基準を満たしているため、ナンバープレートを取得すれば公道走行も可能である。

さらにこのバイクをモチーフにした「電動バイク」がベンチャー企業によって製作された。量産化の記事が2006年のバイク専門誌に掲載されたが、リアのアルミニウム削り出しのモーターハウジングは一点モノであり、製作単価は数百万円に上った。2007年には資本提携していた企業との関係解消などの報道もあり、その後の開発の進展の音沙汰は無い。

ホンダのスクーター「リード」をベースとしたカスタムバイクもある。ベース車両は50ccと90ccが選択できるが、2ストロークエンジンであるため生産が終了しており、ベース車両は中古とならざるを得ない。

スズキからも、同車の雰囲気を持つバイクが開発され、2003年の東京モーターショーで展示された。

2004年4月には同スケール実動モデルが製作された。流石にアニメ版の常温超伝導デュアルパワー電動バイクとまではいかないものの(エンジンは249ccから998ccの単気筒から4気筒までの既存エンジンからユーザーが選択する方式を採っている。既にオーダーは受付終了)、実走可能なフルカスタムバイク(実際にナンバーを取得して公道をテスト走行している)が開発中である。なお同車は作者の原作・アニメ版監督の大友や講談社の「公認」を得ているとしている[28]

ホンダの250ccスクーター「FUSION」をベースにした、カスタムコンプリートバイクが「才谷屋Factory」から販売されていた。また、バイク本体を含まない外装キットのみの販売もあった[29]
兵器とテクノロジー

作中にはアーミーの兵器をはじめとする近未来の最先端のマシンやテクノロジーが多数登場する。
アーミーの輸送ヘリコプター

大佐やアーミーが移動手段として用いる、タンデムローターの大型ヘリ。

アメリカ軍等が使用する実在のヘリ、CH-47チヌークに類似しているが、アーミーのそれは大型乗用車を積載してなお余裕のあるカーゴルームを持ち、かなりの大型機であることが見て取れる。兵装は持っていないと見られる。
フライング・プラット・ホーム(FPH)

アキラの居るオリンピック会場地下施設や地下水路をアーミーがパトロールする際に使用する、1人乗りの有人飛行兵器(5人乗り大型機も存在する)。最新兵器であり、存在自体が秘匿されている。

セラミック部品を多用したバイク並みの小型軽量ボディと常温超電導が実現可能にした高い機動力に加え、機首には操縦桿と連動する20mmガトリング砲を装備し[25]、地上の敵勢力を圧倒する。金田らに鹵獲されて以降は彼らの戦力としても活躍する。

アメリカ海軍とヒラー社が1950年代に試作したVZ-1という1人乗りVTOL機、フライング・プラットフォーム(Flying Platform)が実在したが、アキラの世界に登場するこの飛行兵器はフライング・プラット・ホーム(FPH)と呼ばれている。
レーザー砲

アーミーの最新携行型レーザー兵器。個人で運用可能なまでに小型化された高出力レーザー砲は鉄板をも貫き、高い殺傷能力を持つ。外部にバッテリーを持つが、重く大きいこと、発射回数が限られることに課題がある。ダイヤル操作で攻撃出力を変化させることもでき、照射し続けることで薙ぎ払うような攻撃も可能。

キヨコに操られたケイがアーミーのビルに侵入した際に開発中の試作機を見つけ出し、チャイルドルームでの鉄雄との戦いで金田が使用する。アニメ版では実戦配備されており、アキラの元へ向かう鉄雄を阻止するためにアーミーの小隊が一斉射撃を行う。金田が鉄雄の力に対峙するための武器として、原作・アニメともに終盤まで登場する。
SOL

アーミーが保有する軍事衛星、Satellite in Orbital Laser-weaponの略称。静止軌道上の人工衛星に搭載されたレーザー砲が地上の標的をピンポイントで攻撃する。その爆撃のような破壊力は小型反応炉を動力源とし、短いインターバルでの連続攻撃を可能とする。命中精度は10m前後であるが、初弾の着弾地点を観測しフィードバックすることで命中精度を高めることができる[25]。本体にはSOL-740とペイントされているが、同型機が複数存在するかどうかは不明。

原作ではアキラと彼を目覚めさせた鉄雄を殺害するために使用され、ネオ東京崩壊後には大佐が持ち歩く超小型照準器で彼らの窮地を救い、物語の終局まで重要な役割を果たす。アニメ版ではSOLの攻撃で右手を失った鉄雄が軌道上まで飛翔し反撃、即座に破壊されてしまう。
セキュリティボール

自律行動を行う地上型無人機。縦横高さ各2m、中心に直径1.5mの球体状のボディを持ち、4本足の先端に持つ車輪で高速移動が可能。核戦争後にシェルター外の活動を行うことを想定しており、放射線値の測定や敵勢力への攻撃までを担う能力を持つ。複数台での連携した活動や、連結しての移動も可能[25]。その形状から炭団などと呼ばれる。

原作内ではアキラ行方不明による第七級警報発令下のネオ東京に現れ、暴徒鎮圧や消火などの治安維持活動を行う。ネオ東京崩壊後にはハッキングされた個体が大佐の拠点を警護したり、破壊された残骸がジョーカーの手によって改造され、移動手段として用いられた。
フロイド

アメリカ軍が使用する衛星兵器。SOLと同様のレーザー兵器だが、連続照射しながら着弾点を動かすことで、帯状の範囲を攻撃することが可能。

鉄雄と金田の決戦のさなかにオリンピックスタジアム周辺に向け発射され、ネオ東京全体への無差別攻撃をかけるが、衛星軌道上へ翔んだ鉄雄にジャックされ、アメリカ軍の空母打撃群に向けてレーザーを発射しながら落下。鉄雄はフロイドをアメリカ海軍提督が乗る空母ブリッジに直撃させ、空母は沈没する。
書誌情報

単行本は講談社KCデラックスで発行された。週刊誌と同じ大判サイズで小口への色付けを施すなど、凝った装丁になっている。

アニメ映画が公開された1988年には国際版の刊行が始まった。アメリカン・コミックスのスタイルに合わせて原稿を左右反転させ、左開きにした上で彩色を施し、一冊あたりの収録ページを減らした薄いものに再編集されて出版された[4]


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