AIJ投資顧問
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株式会社MARU本社所在地の日本橋通り二丁目ビル
種類株式会社
市場情報非上場
本社所在地 日本
〒103-0027
東京都中央区日本橋2-2-6
設立1989年4月
業種その他金融業
法人番号6010001019396
事業内容投資顧問業
代表者破産管財人 坂井秀行
資本金2億3000万0千円[1]
売上高営業収益7949万6千円[2]
営業利益△2億6933万4千円[2]
純利益3766万6千円[2]
純資産5億6580万4千円[1]
総資産5億7885万4千円[1]
従業員数8人[1]
支店舗数1店[1]
決算期12月31日
主要株主株式会社AIJ 100%[1]
関係する人物浅川和彦(前代表取締役)
外部リンク ⇒AIJ投資顧問Internet Archiveの2012年4月19日時点のログ)
特記事項:2013年5月にAIJ投資顧問株式会社から商号変更。
財務データは2010年12月31日時点[3]
関東財務局長(金商)第429号
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株式会社MARU(まる)は、かつて存在していた日本投資顧問会社。旧社名はAIJ投資顧問株式会社(エーアイジェイとうしこもん、: AIJ Investment Advisors CO.,LTD.)
目次

1 概要

2 浅川和彦

3 年金資産消失事件

3.1 事件の概要

3.2 行政処分

3.3 強制捜査

3.4 国会の招致・喚問

3.5 刑事立件


4 脚注

5 関連項目

6 外部リンク

概要

野村証券、ペイン・ウェバー証券(現在のUBS)、一吉証券で長年営業畑を歩いてきた浅川和彦1989年に前身の投資顧問企業を買収し、2004年に社長に就任した。

ケイマン籍の子会社を通じオプション取引である日経225オプションの売りを主戦略としており、グラントソントン・インターナショナルのケイマン法人が監査を行っていると顧客に説明していた。

運送会社や建設会社、電気工事会社など中小企業厚生年金基金の運用を主力としており、2011年9月末時点で、124の企業年金から1984億円の資産の運用を受託していた。アドバンテスト安川電機など大企業の企業年金も顧客としていた[4]

日本経済新聞社の子会社である格付け会社「格付投資情報センター(R&I)」が雑誌「年金情報」2009年2月22日号の記事において「新興のヘッジファンド」という形でAIJ投資顧問という名前を伏せた上で「不自然なリターンを上げており、金融当局も関心を持っている」と報じている。実名報道ではなかったため、その時点で当局が警告を発表することはなかったが、一部関係者はAIJ投資顧問であると理解し、中には解約に動いた機関投資家もあったという。

2015年8月に債権者である信託銀行6行から破産を申立てられ、同年12月16日東京地方裁判所から破産手続開始決定を受けた[5]
浅川和彦

1975年横浜市立大学を卒業して野村証券に入社。10年後には京都駅前支店長に就任。さらに本社法人三部部長、熊本支店長へと出世した。1994年に突然退社。2000万円の支度金をもらう。野村OBが数多く在籍するペイン・ウェーバー証券東京支店へ入社。ペインから女性役員を引き抜いて、2000年にAIJの前身の資産運用会社を買収、独立した。2002年に旧山一證券出身者で成るアイティーエム証券を社員ごと買収[6]
年金資産消失事件
事件の概要

同社はケイマン籍の子会社を通じ日経225オプションの売り戦略を主力としていると顧客に説明していた。株価の急落に備えた保険の引き受け手となるもので、平時であればコンスタントに手数料を獲得できるが、急落時には大きな損失を出す特徴があり、ファンドマネジャーに対し相場の先行きを読む力量が求められる戦略である。

同社が運用成績として提示する月次リターンは良好であったが、大半の月において小数点2位が0または5(例:+1.20%)になっている不自然さがあった。また「年金情報」をはじめとした業界誌の取材を拒否し、顧客に対しても詳細な説明を拒んでいた。これらを理由に解約した機関投資家もいたが、運用に悩む機関投資家にとっては魅力的なリターンであった。

ところが実際にはケイマン籍の子会社が投資している投資先(監査法人の監査対象外)を同社がコントロールできるようになっており、運用損失が出ているのに実態とはかけ離れた基準価額を報告することができていた。このため監査法人は不正を見破ることができず、大半の資金は運用損失として市場に消えたとされている。

2009年の「年金情報」の記事以降も新規契約を取り付けており、顧客に対し設定来で240%の運用利回りを確保していると説明してきたが、2012年1月下旬の証券取引等監視委員会の検査により、運用資産の大部分が消失していることが明らかとなった。
行政処分

金融庁は、証券取引等監視委員会の行政処分勧告を待たず、同社に対し同年2月24日付で金融商品取引法に基づく1か月の業務停止命令を出した[7]。金融庁は、子会社であるアイティーエム証券に対しても同年3月23日付で6か月の業務停止命令を出した[8]
強制捜査

2012年3月23日、証券取引等監視委員会が、企業年金資産消失問題に於いて金融商品取引法違反を理由とし、AIJへの強制捜査に着手した[9]野村證券社会保険庁のOBが多数関与していたと見られている。
国会の招致・喚問

2012年3月27日、同社社長浅川和彦、アイティーエム証券社長西村秀昭、東京年金経済研究所社長石山勲(旧社会保険庁OBである年金コンサルタント)が、衆議院財務金融委員会に参考人として出席した(参考人招致)。浅川社長は、損失は取り戻せる範囲であり顧客を騙した認識は無い、との答弁を行った[10]。その後、4月3日には、参議院財政金融委員会でも、社長、アイティーエム証券社長、東京年金経済研究所社長、被害を受けた栃木県建設業厚生年金基金理事長の4名の参考人招致が行われた。

さらに、同年4月13日には、衆議院財務金融委員会にて、社長浅川、アイティーエム証券社長西村、東京年金経済研究所社長石山の4名に対する証人喚問が行われた。同社取締役で浅川の側近として事情に精通しているといわれる高橋成子は、病気を理由に証人喚問は見送られた。

上記証人喚問で、アイティーエム証券社長西村と東京年金経済研究所社長石山については、議員よりAIJの虚偽記載を知っていたかについて疑念が持たれ、司法の場で明らかにされるべきとの結論付けもみられた。また、浅川社長が年金基金の管理担当者に対し接待を多く行っていたことも問題視された。基金の管理者は厚生年金保険法によりみなし公務員にあたるため、職務に関する不正な報酬・利益を受けた場合には、収賄にあたる。


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